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【法人向け|LED照明 #1】初期費用の内訳や業者選定のポイントは?

投稿日:2025年11月25日
更新日:2025年11月26日

電気代の削減だけでなく、オフィスや工場の「働きやすさ」を高める手段としても、広く知られているLED照明。

一方で、実際に導入を検討されているご担当者様からは

  • 「初期費用はどのくらいかかるのか?」
  • 「どれくらいの期間で投資回収できるのか?」
  • 「業者選定で失敗しないためには、どこを見れば良いのか?」

といった疑問も多く寄せられます。

本記事は、企業のLED照明導入を総合的に解説する連載シリーズ「法人向け|LED照明」の第1回です。法人がLED照明を導入するメリット・デメリット(リスク)を整理したうえで、切替工事にかかる初期投資の内訳や費用感を解説し、導入事例を紹介します。

オフィス、店舗、倉庫、工場などのLED化を検討中の方は、意思決定や社内稟議の材料として、ぜひお役立てください。

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要約

コスト削減効果:
LED照明は従来の蛍光灯や水銀灯より40〜70%程度の省エネが可能で、オフィスや工場では年間数十万〜数百万円規模の電気代削減につながります。加えて寿命が4〜6倍と長いため交換頻度が減り、メンテナンス費・高所作業の手間・安全リスクも低減され、長期的なランニングコストの最適化を実現できます。

職場環境と企業価値の向上:
LED照明は色温度の調整が可能で、集中しやすい白色光やリラックスできる暖色光など、空間用途に合わせた最適な照明演出が行えます。またフリッカーが少なく快適性を改善し、環境負荷低減によるESG評価・企業イメージの向上にも寄与するなど、設備投資以上の効果が期待できます。

導入時の課題と業者選定:
LED化には数十万〜数百万円の初期投資が必要で、光の特性に慣れにくいケースもあるため、照度設計や試験導入が重要です。また安価な製品や経験不足の施工はトラブルの原因となるため、PSEマーク・メーカー保証・施工実績を備えた信頼できる電気工事会社を選ぶことが導入成功の鍵となります。

費用内訳と導入の最新傾向:
費用は「製品代」と「設置工事費用」で構成され、器具交換や高所作業車などの必要性で変動します。LED関連工事は停電手配不要で施工が比較的容易です。近年はLEDが「省エネの選択肢」ではなく「設備更新の標準」となり、蛍光灯の供給減少も相まって、早期のLED更新を選ぶ企業が増加しています。

法人がLED照明を導入するメリット・デメリット(リスク)

メリット①:電気代の大幅削減

LED照明は、従来の蛍光灯や水銀灯と比べて消費電力を約40〜70%削減できるとされています。たとえば、安定器込みで約40〜45Wの蛍光灯を18WのLEDに交換すると、1本あたり年間約1,000〜1,500円の電気代削減が可能です(1日10時間・年間250日使用、電力単価27円/kWhの場合)。

照明を多数設置しているオフィスや工場では、年間で数十万円から数百万円規模のコスト削減につながります。

メリット②:メンテナンスコストの低減

LED照明の寿命はおおむね40,000〜60,000時間といわれ、蛍光灯(約10,000時間)に比べて4〜6倍長持ちします。そのため交換頻度が大幅に減り、人件費や交換コストの削減が可能です。

特に高天井の倉庫や工場では、照明交換のたびに必要だった足場の設置回数を減らせるため、コスト削減だけでなく安全性の向上にもつながります。

※LEDの寿命は製品仕様や使用環境によって異なります。あくまでも目安としてお考えください。

メリット③:快適な職場環境づくり

LED照明は、色温度(光の色味)を製品によって選択・調整できるため、集中しやすい白色光や、リラックスできる暖色光など、空間の目的に合わせた照明演出が可能です。

また、高品質なLED照明はちらつき(フリッカー)が少なく、目の疲労を軽減し、快適で集中しやすい職場環境づくりに貢献します。

メリット④:環境・社会的評価の向上

LED照明への切替は、消費電力の削減を通じてCO₂排出量を大幅に削減できるほか、長寿命化による廃棄物削減・水銀使用削減にもつながります。

こうした環境貢献は、企業のESG経営の一環として高く評価され、CSR報告書やサステナビリティレポートに掲載できる取り組みとして、環境配慮型経営の推進や企業イメージの向上にも寄与します。

デメリット(リスク)① 初期費用がかかる:

最大の課題は初期導入コストです。導入時のコストは蛍光灯より高く、既存の配線を利用した場合でも、施設の規模によっては数十万〜数百万円の投資が必要となります。ただし、電気代削減・長寿命化による交換費用削減を含めると、3〜5年程度で投資回収が可能なケースも少なくありません。

デメリット(リスク)② 光の特性に慣れるまで時間がかかる:

LEDは光がシャープで、蛍光灯に比べ明るさの感じ方が異なる場合があります。違和感を防ぐためには、照度・色温度の設計や試験導入を行い、現場に合った照明環境を確認することが重要です。

デメリット(リスク)③ 不適切な業者・製品選定によるトラブル:

安価な製品や経験不足の施工では、ちらつき・発光ムラ・短寿命化などのトラブルが発生する恐れがあります。PSEマーク・メーカー保証付き製品を選び、実績ある電気工事会社に依頼することが、長期的な安心につながります。

電気工事士に聞く、照明(LED)切替工事にかかる費用の内訳

解説者

高橋 宏武
一級電気施工管理技士/第一種電気工事士

高橋 宏武

大学卒業後、恒電社に入社したプロパー社員。電気工事士として、住宅の電気工事に加え、法人向けの高圧電気設備工事の直接提案を開始するなど、現在の会社の礎を創ってきたメンバー。2020年からは事業部長として、エンジニアリング事業部を統括している。プロフィールはこちら

インタビュアー

岩見 啓明
第二種電気工事士/二等無人航空機操縦士

岩見 啓明

前職はWebメディアの編集者。恒電社に参画後はマーケティングに従事し、現在は採用全般も担当している。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローン)資格、2024年に第二種電気工事士資格を取得。プロフィールはこちら

ーーー LED照明への切り替えにかかる費用の内訳を教えてください。

LEDへの切替工事にかかる費用の考え方は非常にシンプルで「製品代」と「設置工事費用」です。

「製品代」には、天井に取り付けるLED照明器具本体や、必要に応じて調光・センサー機能付きの器具などの価格が含まれます。既存の器具を活かしてランプのみLEDに交換するケースもあれば、器具ごと新しいLED照明に更新するケースもあります。

また「設置工事費用」には、養生・仮設照明・絶縁測定・作業後の清掃のほか、高所での作業が発生する場合は高所作業車の費用も含まれます。

LED関連工事は、キュービクルを始めとする高圧電気設備と違い、電力会社(送配電事業者)による停電作業等の手配を必要としません。分電盤のブレーカーを遮断するだけで安全に施工が可能です。

ーーー LED照明設備の導入においては、やはり投資対効果や、投資回収期間を気にされる企業様も多いのでしょうか?

以前は「LED照明に交換することで電気代がいくら削減します」と、省エネ効果の試算をお伝えすることで導入を決意する企業様が多かった印象ですが、近年では、LED照明への更新が設備更新の自然な流れとして進むケースが増えています。

つまりLED照明は、もはや“省エネ製品のひとつの選択肢”ではなく、企業の設備として“新しい標準”になりつつあるといえます。

加えて、蛍光灯の供給が減ってきていることから「替えが手に入りにくくなる前に」と、LEDに更新するお客さまが増えているようにも感じます。

ーーー 実際のところLED照明はどの程度、企業の省エネに寄与するのでしょうか?

大前提として、LED照明の寿命や耐用年数は実際の点灯時間や使用環境で大きく前後します。

一般的にLED照明の寿命は40,000時間〜60,000時間と言われていますが、この時間はあくまでも連続点灯した場合の指標です。したがって、オフィスのように1日13〜14時間点灯する現場なら、計算上はおおむね8〜10年くらい使えることになります。

つまり、一度LED化すれば長期間にわたって安定した明るさと省エネ効果を維持でき、結果的にランニングコストの大幅削減につながります。

施工事例

まとめ:LED照明導入によるコスト削減と設備更新の標準化

  1. 大幅なコスト削減:電気代・交換費用の最適化
    LED照明は従来照明より40〜70%の省エネ効果があり、寿命も4〜6倍長いため、電気代とメンテナンス費の双方で大幅なコスト削減が可能です。特に多数の照明を使用するオフィスや工場では、年間数十万〜数百万円規模の削減効果が期待できます。
  2. 職場環境の改善:快適性と安全性の向上
    色温度調整やフリッカーの少ない特性により、集中しやすく疲れにくい職場環境を構築できます。また、高天井空間での交換頻度が減ることで安全性が向上し、企業の労働環境改善にもつながります。
  3. 企業価値の向上:環境対応と設備更新の必然性
    LED化はCO₂削減や廃棄物削減に寄与し、ESG・CSRの観点から企業評価を高める取り組みになります。また、蛍光灯の供給縮小により、LED更新は「省エネの選択肢」ではなく、設備更新の新たな標準となりつつあります。
  4. 導入成功の要:適切な設計と業者選定
    初期費用や光特性への慣れといった課題を避けるためには、現場に適した照度設計や試験導入が重要です。さらに、PSEマーク・保証付き製品の選択や施工実績のある業者への依頼が、長期的な安心運用につながります。

LED照明の導入は、コスト削減・環境改善・企業価値向上を同時に実現できる、これからの企業にとって欠かせない設備投資の定石です。まずはお気軽にご相談ください。

本記事は、連載シリーズ「法人向け|LED照明」の第1回として、初期費用の考え方と業者選定の要点を整理しました。次回の第2回では、LED化工事の具体的な流れと注意点を解説します。

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記事を書いた人

蕨川 真央
恒電社

蕨川 真央

教育・医療業界を経験したのち、結婚出産を経て恒電社に参画。現在は、マーケティングや採用領域のアシスタントとして従事する。プロフィールはこちら

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