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お客様の声 埼玉新都市交通株式会社(ニューシャトル)様

【お客様事例】埼玉新都市交通株式会社(ニューシャトル)様|電気工事会社に求めるのは「鉄道業界のルールを遵守した上で仕事をしてくれること」

投稿日:2023年9月15日
更新日:2024年7月9日

1983年に伊奈線(ニューシャトル)の運行を開始し、今年で運行40周年を迎える埼玉県の鉄道会社、埼玉新都市交通株式会社様。

法人向け電気工事を提供する恒電社に、継続的に電気工事を発注してくださっているお客様でもあります。

工事を依頼する会社様が「工事だけ」ができてもダメなのです。高品質の工事ができた上で、鉄道会社のルールを守っていただく必要があるのです。」と語るのは、取締役技術部長の小田嶋 一樹様。

今回はインタビュー形式にて、小田嶋様に電気工事に関する実情や、恒電社を選んでくださっている理由を伺いました。さらに、企業としての大切にされている考え方や、今後の取り組みについてもお話をお聞きしました。

鉄道会社が何よりも大切にすべきは「安全・安定」運行

———まずは、御社の事業内容について教えてください。

埼玉新都市交通株式会社は、伊奈線(ニューシャトル)を運営する、埼玉県と東日本旅客鉄道(JR東日本)などが出資する第三セクターの鉄道会社です。

ニューシャトルは、昭和58年(1983年)12月22日に大宮~羽貫間まで、平成2年(1990年)には内宿までの全区間で運行を開始し、今年で運行40周年を迎えました。

沿線に学校、商業施設・公共施設が開設したことや、鉄道博物館オープン、沿線人口増加などにより、多くのお客さまにご利用いただけるようになり、平成29年度(2017年度)には、一日当たりの輸送人員は5万人を超えるまでになりました。

コロナの影響で、一日当たりの輸送人員はコロナ前に比べ減少となっておりましたが、少しづつお客さまが戻っていただいたおかげで、経営的にも上向きつつある状況です。

———ありがとうございます。私自身も以前よりニューシャトルを利用しておりますので、お話聞けること嬉しく思います。ニューシャトルはどのような背景で敷設されたのでしょうか?

線路を見ていただくと分かるように、ニューシャトルは新幹線の線路の横を走っています。

当時、東北・上越新幹線の建設に伴い、両新幹線の分岐点が設けられる伊奈町では、町域が3つに分断されてしまうとして、新幹線建設に対して一部反対の声があがりました。

そこで当時の町長の「地域住民に便益をお返ししたい」という思いから、都市鉄道を建設することとなり、ニューシャトルが誕生しました。

———なるほど。第三セクターの性質上、公共の便益と企業の利益のバランスが重要となると思います。そのバランスの取り方は難しいのでしょうか?

正直、難しさを感じる時もありますね。

経営状況が上向きの時は良いのですが、特にコロナ禍などで収益が上がらなかった時などは、その難しさを感じます。

大前提、我々の事業はお客さまに乗車していただけないと収益は上がりません。

一般的な企業であれば、お客さまの数が減ったら(売上が減ったら)、経費をカットして少しでも利益を上げようとすると思います。

ですが、鉄道会社は、経費をカットすることが難しい業態だといえます。

乗車数が減少したからといって、コストカットのために、運行本数を減らしたり、設備点検の回数を減らしたりすることはできません。

例えば、「今年は乗車数が少なかったから、点検は来年に持ち越そう。コストカットに繋がるし。」なんてことは絶対に許されません。

我々鉄道会社にとって、安全運行・安定運行が何よりも重要な使命であるのです。

お客さまに大宮駅から内宿駅まで、”決まった時間”で”安全”にご移動いただく。

これが私達のサービスの基本です。

このようにコストカットが難しい業態であることに加えて、今後少子高齢化が加速していくと、鉄道会社全体で、お客さまの数が減ってしまう可能性が高くなりますので、鉄道会社各社は、鉄道業以外の業態を行うなどして収入源を広げていく必要はありますよね。

弊社としても、ITなどを活用しながら他の業態にも積極的にチャレンジしていく必要があると考えています。

電気工事業者を選ぶ上で、最も“大切にしていること”とは?

———恒電社を選んでくださった理由を教えていただけますでしょうか。

結論から言うと、恒電社様は伊奈町に拠点を置き「会社同士が近くにあるから」そして「品質が高いから」です。

先述しましたが、鉄道会社にとって最も大切なのは「安定運行」と「安全運行」です。

まず鉄道会社の至上命題の一つである「いかに安定的に運行を行うか」という点において、「会社同士が近く」にあり、日頃から密に連携をとりながらスピーディーに対応してくれるという点は非常に助かっています。

また「品質が高いこと」も恒電社様を選んでいる理由ですね。

———具体的に「品質」とはどのような点を見てらっしゃいますでしょうか?

弊社にとっての「品質が高い」の定義は、工事自体の品質が高いことはもちろんですが、鉄道業界のルールをきちんと守った上で仕事をしてくれることだと言えます。

鉄道業界には、様々なルールがあります。

というのは、鉄道の歴史は「事故(アクシデント)の歴史」とも言えるからです。

日本において鉄道が開通してから150年以上経ちますが、様々な事故(アクシデント)が発生する度に設備を改善したり、ルールを強化したりするなどして、二度と同じアクシデントが発生しないように鉄道業界全体で地道に改善に取り組んできた歴史があります。

一見、ルールでがんじがらめのように見えてしまいますが、お客さまの命を預かる我々にとって、ルールを遵守していくことは非常に大切なのです。

もちろんそのルールの遵守は、弊社だけでなく、弊社に携わる協力業者様にも求められます。

ですので、弊社にとっては、工事を依頼する会社様が「工事だけ」ができてもダメなのです。高品質の工事ができた上で、鉄道会社のルールを守っていただく必要があるのです。

ですが、そういったルールを継続的に守ることができる会社がなかなかいないのも事実です。

そんな中、恒電社様は、電気工事だけでなく我々の求めるルールをしっかり遵守した上で仕事してくださるので、継続的にお付き合いさせていただいております。

———ありがとうございます。具体的にどのようなルールがあるのでしょうか?

例えば、「パンタグラフ」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

簡単に説明をすると、パンタグラフとは、電車が架線から電力を受け取るための装置です。パンタグラフが架線に接触し電気が車両に供給されることで電車は動いています。パンタグラフは通常、車両の屋根の上部に取り付けられ、折り畳み式の構造を持っています。この構造により、電車が高さが異なる架線に対応できるようになります。パンタグラフがないと、電車は架線から電力を受け取ることができず、車両は動力を失います。

ニューシャトルは、パンタグラフが車両の「横」に設置されています。

となると、例えば走路内に1cmの高低差があるだけでも、パンタグラフが外れてしまい、車両に電力が供給されず動かなくなってしまう可能性があるのです。そうなるとお客さまに多大なご迷惑をおかけしてしまいます。

ですので、協力業者様には工事の大小問わず、”毎回”必ず線路内やホーム上にネジや工具などの忘れ物などがないかをチェックしてもらった上で作業報告書を提出していただいております

もし線路内やホームに一つでも忘れ物や落とし物があると大事故に繋がり兼ねませんから。

細かなことに思えるかもしれませんが、こういったルールを一つ一つ徹底して遵守していくからこそお客さまに「安定運行」と「安全運行」が提供できるのです。

今後、期待すること

———ありがとうございます。今後の貴社の取り組み、そしてそれに際して恒電社に期待することはありますでしょうか?

今後、蓄電池を活用したBCP対策についてもご相談できるといいなと思っています。

ニューシャトルは電気で走っていますので、万が一地震などで停電し車両が走行路中に停車してしまった場合に、蓄電池などから電気を供給し、一車両でも良いので最寄駅まで運行ができたりするとお客さまがより安全に避難できると思います。

地域やお客さまにより愛される鉄道会社になるために、より良いサービスを追求して行きたいですね。

———本日は貴重なお話しありがとうございました。ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人

恒石陣汰
株式会社恒電社

恒石陣汰

前職にて、イスラエル発のWEBマーケティングツール「SimilarWeb」「DynamicYield」のセールス・カスタマーサクセスを担当。その後、日本における再生可能エネルギーの普及と、電力業界に大きな可能性を感じ、2020年に恒電社に入社。現在は、経営企画室長兼マーケティング責任者として従事。YouTubeなどを通じた、電力・エネルギー業界のマクロ的な情報提供をはじめ、導入事例記事では、インタビュワー・記事の執筆も行なっている。

クリエイティブ担当

岩見啓明
株式会社恒電社

岩見啓明

クリエイター。 恒電社では動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告と幅広く施策を担当する。過去には登録者1万人超えのYouTubeチャンネルを運用。SDGs普及を目的とした動画制作で国連から感謝状を授与された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士資格を取得。

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