高圧電気設備、どこまでが「自社の責任」?|保安と責任の線引きが、信頼できる業者の分かれ目
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高圧設備は、「どこまでが誰の責任か」が曖昧なまま話が進むと、思わぬ事故や想定外の訴訟につながるリスクを孕んでいます。信頼できる業者かどうかは、実はこの“線引き”をどれだけ正直に説明できるかに表れます。恒電社は、保安と責任の範囲を最初にはっきりさせてから工事を進めます。
本記事では、設備オーナーが知っておきたい保安・責任の勘所を、現場を担う技術者の言葉とともに整理します。
目次
責任分界点——「どこから先が自分の設備か」
まず押さえたいのが、責任の境目です。恒電社エンジニアリング事業部長の高橋宏武は、その要となる装置についてこう説明します。
法律で直接『PAS等を付けなければいけない』と明文化されているわけではありません。
ただし、付けなくて良いわけではありません。
電力会社が定めている『受電規程』というルールの中で、波及事故防止装置の設置が事実上の義務となっています。
責任分界点より先(お客様側)の設備は、オーナーの管理責任です。恒電社は、まず「どこからが自分の設備で、何に責任を負うのか」を明確にお伝えします。
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自社の設備が、街の電気を止める——「波及事故」の怖さ
責任範囲を軽く見ると、被害は自社にとどまりません。高橋が挙げるのは、身近な原因から起きる事故です。
小動物が盤内を動き回っているうちに、電線の受電部分とキュービクルの金属部分、両方に同時に触れてしまい、それが原因で地絡事故が発生することがあります。
問題は、その影響範囲です。
PASの設置があればそのビルの停電だけで済みますが、未設置の場合、近隣への停電影響も出てしまいます。
「ケーブル・トランスの経年劣化による絶縁破壊」や「カラスの営巣」なども原因になり得ます。自社の設備が原因で街を止めてしまう——この“波及事故”を防ぐことこそ、保安の第一目的です。恒電社が波及事故防止装置や保護の健全性を重視するのは、このためです。
「工事する会社」と「保安する人」は分けるべき——保工分離
保安には、もうひとつ大切な原則があります。「保工分離」と呼ばれる原則を、過去の記事では以下のように説明しています。
保工分離=保守(点検・管理)と工事(施工)は別の組織が担当すべき、という原則的な考えに基づいています。
なぜ分けるのか。理由は“チェック機能”にあります。
もし、工事をする私たちが、監督役である主任技術者の業務まで行ってしまったら『自分たちで工事して、自分たちで「問題なし」と判定する』ことになり、安全管理のチェック機能が働かなくなってしまいます。
恒電社は、自社が工事した設備の主任技術者を兼ねることはしません。第三者のチェックが効く状態を保つことが、結果的にオーナーの安全を守るからです。
主任技術者が決まっていない工事は、「お引き受けしない」
この原則を、恒電社は運用でも徹底しています。
(主任技術者が未決定のまま工事を進める依頼は)大変心苦しいですが、その場合は工事の受託そのものをお断りしております。
一見、不便で杓子定規に見えるかもしれません。しかし理由は明快です。
お客様ご自身が最大の不利益を被ることになります。
事故時の責任の所在が曖昧なまま工事を進めれば、最終的に困るのは施主(お客様)です。恒電社が“断る”という選択をするのは、目先の受注よりお客様を守ることを優先するからです。
触れてはいけない機器がある——VCTと電力会社の領分
責任の線引きは、「触れて良い機器」と「触れてはいけない機器」の区別にも及びます。その代表がVCT(計器用変成器)です。
VCTは需要家(ビルや工場の所有者)や電気工事会社のものではなく、電力会社(東京電力など)の所有物です。
キュービクルの中にあっても、扱いは別です。
電気工事会社がキュービクル更新や改修を行う際には、VCT部分には原則として手を触れません。VCTの交換・点検・検定などは、電力会社またはその委託業者が行うためです。
VCTは電気料金の計量の要であり、勝手に触れれば計量の信頼性を損ないます。恒電社は、“誰の領分か”を正しく守り、電力会社と適切に連携して工事を進めます。
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電力会社という「読めない相手」——申請はできるだけ早く
保安・責任の話は、電力会社との段取りにも直結します。社内の電気工事士が口をそろえて言うのが、スケジュールの読みにくさです。
実感として、いちばんスケジュールが読みにくいのは電力会社側の検討と、それを待っている間です。
自社の作業は数日でも、その先が読めない、と言います。
書類さえ整えば、こちらの作業は数日で終わりますが、その先の電力会社の審査や供給設備側の調整は、こちらでコントロールできません。
だからこそ、打つ手はひとつです。
スケジュールを少しでも短縮したければ、申請を早く出すことに尽きます。申請を出すのが1か月遅れれば、工期も後ろにずれてしまうという世界です。
高橋は「やると決めたら、その日に」と言いたいくらいだ、と続けます。加えて、地域ごとのローカルな運用を熟知した会社を選べるかどうかも大きい、と。
その地域のローカルな運用を熟知している工事会社を選べるかどうかは、地味ですが本当に大きなポイントになります。
恒電社は、地域の運用を踏まえ、早めの申請と電力会社との連携で工期の後ろ倒しを防ぎます。
まとめ:線引きに正直な会社を選ぶ
保安と責任の線引きで、押さえておきたい要点です。
- 責任分界点より先(負荷側)の設備は、オーナーの管理責任
- PAS等は法律の明文ではないが、受電規程で事実上の義務。未設置は近隣を巻き込む波及事故のリスク
- 保工分離=工事する会社と保安する人は分ける。兼ねるとチェック機能が働かない
- 主任技術者が未定の工事は請けない——それが施主を守る
- VCTなど電力会社の所有物には手を触れない“領分”がある
- 電力申請は電力会社次第で読めない。やると決めたら早く動く
恒電社は、保安と責任の線引きを最初に正直にお伝えし、電力会社との連携まで含めて安全に工事を進めます。「どこまでが自分の責任か」が不安なら、まずはお気軽にご相談ください。
この記事で参照した恒電社コラム
- 責任分界点とは?PAS・UGSの役割と、設備オーナーの管理範囲をわかりやすく解説
- キュービクルの保安規程とは
- キュービクルのVCT(計器用変成器)とは?役割・交換時期・注意点を電気工事士が解説
- 電力申請とは?高圧設備担当者様が知っておくべき申請内容と、スムーズに進める5つのポイント
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