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【LBSとは? #5】電気工事士に聞く「LBSにまつわるトラブルの実例」と“交換の際のポイント”

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LBS(高圧負荷開閉器)は、高圧受電設備の中でも故障が発生すると、停電に直結する重要な機器です。しかし、内部構造が外部から確認しにくいため、経年劣化が進んでも異常に気づきにくく、交換判断が遅れやすい設備でもあります。

本記事は、LBSの基礎から実務までを解説してきた連載シリーズ「LBSとは?」の第5回(最終回)です。今回は、現場で実際に起きたトラブル事例をもとに、LBS交換の判断ポイントや更新時に注意すべき点を電気工事士の視点から解説します。

「実際の現場ではどのようなトラブルが起きるのか知りたい」そのような設備管理担当者の方に向けた内容です。

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要約

交換判断
LBSには法定の交換年数がないため、外観劣化・操作感・絶縁抵抗値・ケーブル端末状態など複数の要素を総合的に見て更新判断を行います。特に黒ずみや焦げ跡、動作の違和感、測定値の低下などは、内部劣化の進行を示す重要なサインです。

劣化とトラブル
現場では内部接点の変形や、樹脂の加水分解による脆化が原因で通電不良が発生するケースがあります。また、ストライカー機構の不具合により欠相が発生すると、モーター焼損など重大事故につながる可能性があります。

予防保全
LBSは内部劣化が外から見えにくく、異常に気付いた時にはトラブル直前というケースも少なくありません。そのため、小さな劣化サインを見逃さず、定期点検と計画的な更新を行うことで、停電や設備事故のリスクを未然に防ぐことが重要です。

LBS交換を検討すべき“判断の目安”

LBSには、法律で定められた明確な交換年数はありません。そのため実務では、複数の劣化サインを総合的に見て更新判断を行うケースが一般的です。現場でよく挙げられる主な判断ポイントは以下の通りです。

外観劣化が進行している

LBSの絶縁材は、経年劣化により外観に変化が現れることがあります。

  • 白化(表面が白く粉を吹いたような状態)
  • 黄ばみや黒ずみ
  • 焦げ跡やアーク痕

特に黒ずみや焦げ跡が見られる場合は、部分放電やアークの可能性もあるため注意が必要です。

操作動作に違和感がある

LBSは操作回数が少ない機器ですが、内部構造の劣化が進むと動作に異常が現れることがあります。代表的な症状は以下の通りです。

  • 操作レバーが重い
  • 途中で引っかかる
  • スプリングの戻りが弱い
  • 開閉動作が不安定

これらは、内部バネの疲労やグリス硬化、機械部摩耗の可能性があり、交換の重要な判断材料になります。

絶縁抵抗値の低下

絶縁抵抗測定は、設備の劣化を数値で確認できる重要な指標です。特に重要なのは、単純な測定値だけではなく、 過去のデータとの比較による変化です。

更新の必要性を判断する絶縁抵抗値の目安は、機器や条件によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 10MΩ以下:要注意レベル
  • 1MΩ以下:更新検討レベル

また、特定相のみ値が低い場合や、前年より大きく低下している場合は、内部劣化や湿気侵入などが疑われます。

ケーブル端末の劣化

LBS周辺のケーブル端末の状態も重要な確認ポイントです。以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。

  • EPコーンの浮き
  • トラッキング痕
  • 汚損や絶縁破壊
  • 端末施工不良

端末劣化はLBSトラブルと同時に発生することも多く、端末異常 → LBS劣化 → 絶縁破壊という流れで事故に発展するケースもあります。

電気工事士に聞く、実際に多いLBSの故障例

解説者

高橋 宏武
一級電気施工管理技士/第一種電気工事士

高橋 宏武

大学卒業後、恒電社に入社したプロパー社員。電気工事士として、住宅の電気工事に加え、法人向けの高圧電気設備工事の直接提案を開始するなど、現在の会社の礎を創ってきたメンバー。2020年からは事業部長として、エンジニアリング事業部を統括している。プロフィールはこちら

インタビュアー

岩見 啓明
第二種電気工事士/二等無人航空機操縦士

岩見 啓明

前職はWebメディアの編集者。恒電社に参画後はマーケティングに従事し、現在は採用全般も担当している。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローン)資格、2024年に第二種電気工事士資格を取得。プロフィールはこちら

ーーー実際の現場で多い、LBSにまつわるトラブルにはどのようなものがありますか?

比較的多いのは、内部接点まわりの変形や劣化です。

LBSの内部には電流を開閉する刃状の接点(アークシュートとアークブレード)がありますが、長年使用していると、この接点が変形・摩耗し、ブレードが入りづらくなったり、接触不良が発生したりすることがあります。

ーーー接点が変形する原因は何でしょうか?

原因の一つは内部樹脂の劣化です。LBS内部には絶縁用の樹脂部品が使われていますが、経年劣化によって加水分解や熱劣化などが進むと、材料が脆くなります。場合によっては触れただけで崩れるような状態になっていることもあります。

その状態で開閉作業を行うと、接点の位置がずれてしまい、正常に通電できなくなることがあります。

ーーー他にもLBS特有のトラブルはありますか?

もう一つ、LBS特有のトラブルとして挙げられるのが、「ストライカ引外し機構」の不具合です。

LBSには、ヒューズが溶断した際に自動的に接点を開放する仕組みがあります。ヒューズの内部にある「溶断表示棒」という部品が飛び出し、それがレバーを押すことで、LBSが開放される構造です。

この機構が正常に動作することで、三相電源の欠相(けっそう)を防止しています。

ーーー「欠相」とはどのような状態ですか?

三相電源では、3本の電源がバランスよく供給されることで設備が正常に稼働します。しかし、ヒューズが1本だけ溶断した状態になると、欠相と呼ばれる状態が発生し、負荷側のトルク低下や、異常な発熱、モーター焼損などにつながります。

ストライカ機構が正常に動作すれば、ヒューズ溶断と同時にLBSが開放されるため、このようなトラブルを防ぐことができます。しかし機構が劣化している場合、欠相状態が発生し設備事故につながる可能性があります。

施工事例

まとめ|LBS更新は設備トラブルを未然に防ぐ重要な対策

LBSは高圧受電設備の中でも重要な保護・開閉装置ですが、内部劣化が外から見えにくいため、異常に気付いたときにはトラブル直前というケースも少なくありません。

特に以下のような兆候が見られる場合は、早めの更新検討が重要です。

  • 外観の変色や劣化
  • 操作動作の違和感
  • 絶縁抵抗値の低下
  • ケーブル端末の劣化
  • 使用年数の長期化

LBSは故障時には設備全体の停止につながる可能性がある重要設備でもあります。そのため、定期点検と適切な更新計画によって、設備トラブルのリスクを未然に防ぐことが重要です。

本シリーズでは、LBSの基礎知識から点検、交換判断、工事の流れまでを解説してきました。LBSの更新や設備の状態確認についてご不明な点がある場合は、設備状況に応じたご相談も可能です。LBSの点検や更新をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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記事を書いた人

蕨川 真央
恒電社

蕨川 真央

教育・医療業界を経験したのち、結婚出産を経て恒電社に参画。現在は、マーケティングや採用領域のアシスタントとして従事する。プロフィールはこちら

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