更新日:2026年10月25日
PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む機器の処理は、単なる廃棄ではなく「法的義務に基づく特別管理産業廃棄物処理」です。
そのため、一般的な産廃処理よりも高額になりやすく、いくらかかるのか不明確な点が、処理の判断を先送りしてしまう要因の一つになっています。
本記事は、PCB対策の全体像を段階的に学ぶ連載シリーズ「PCBとは?」の第5回です。今回は、低濃度PCBの処理にかかる費用の内訳と、公表されている料金・単価から分かる目安、2026年度に使える助成金・補助金、専門家に聞く「見積もりを取得する際の注意点」をお伝えします。
処分期限の考え方、自社の機器が該当するかの見分け方、処分までの手順は、連載の第1〜3回で解説しています。費用の前に全体像を押さえたい方は、以下の記事からご覧ください。
要約
費用は「分析・収集運搬・処分」に撤去などの工事費が加わる:
低濃度PCBの処理費用は、PCB濃度を確かめる分析費、許可を受けた業者による収集運搬費、無害化処理の処分費で構成されます。使用中の機器を処分する場合は、撤去工事の費用と、設備を使い続けるなら新しい機器への交換工事の費用も加わります。
公表されている料金・単価を手がかりにする:
絶縁油の分析料金は、分析機関の公表例で1検体8,000〜11,000円(税別)です。低濃度PCBの実際の処分料金は、委託先の見積で確認します。国の助成金には、助成額を計算するための標準処分単価(電気機器は1kgあたり1,000円)が定められています。
助成金・補助金は「実施前の申請」が条件:
2026年10月時点で、中小企業者等向けの低濃度PCB廃棄物の助成金(分析費・収集運搬費・処分費などの2分の1)と、使用中の油入変圧器の調査や高効率変圧器への交換を支援する補助金が受け付けられています。助成金は交付決定通知書の発行前に分析(試料採取を含む)や処分を実施すると対象外に、補助金は交付決定の前に発注・契約すると対象外になります。
PCBの処理費用は何で決まるのか
PCB廃棄物の処理費用は、1つの料金でまとめて決まるものではありません。次の項目を合計した金額が、設備オーナー様の負担になります。
| 費用の項目 | 内容 | 金額を左右するもの |
|---|---|---|
| 分析費(PCB検査費用) | 絶縁油を採取し、分析機関でPCB濃度を測定する費用 | 検体数、採油の作業条件(停電の要否など) |
| 収集運搬費 | 都道府県等の許可を受けた収集運搬業者が、処理施設まで運ぶ費用 | 台数・重量、積込みの条件(クレーンの要否など)、処理施設までの距離 |
| 処分費 | 無害化処理認定事業者などが、PCBを無害化処理する費用 | 機器の重量、廃棄物の種類(電気機器・廃油・汚染物) |
| 撤去工事費・交換工事費 | 使用中の機器を停電して取り外す工事の費用。設備を使い続ける場合は、新しい機器を設置する工事の費用も加わる | 機器の種類と台数、設置場所、停電の段取り |
このほか、見積には漏えい防止の措置(容器への収納など)や、ドラム缶などの容器代、手続きの代行費用が含まれることがあります。
高濃度と低濃度で、依頼先と料金の決まり方が違う
PCB廃棄物は、PCB濃度によって「高濃度」と「低濃度」に分かれ、処分を委託する先が異なります。
高濃度PCB廃棄物(電気機器等の場合、濃度が5,000mg/kgを超えるもの)
高濃度PCB廃棄物は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)が処理してきました。JESCOの処理料金は全国一律の料金表で公表されており、処理施設までの運搬費用は処理料金に含まれていませんでした。
ただし、高濃度PCB廃棄物の処分期間はすべてのエリアで終了しています。JESCOによる登録受付は2025年10月15日に終了し、JESCOの処理事業は2025年度末(2026年3月末)で終了しました。今後新たに高濃度PCB廃棄物が見つかった場合は、まず管轄の自治体へ報告します。環境省の改正法の説明資料では、JESCOの事業終了後に見つかる高濃度PCB廃棄物は、処理能力のある民間の処理施設で処分し、その処理の基準等は廃棄物処理法の告示改正で定めるとされています(改正後のPCB特別措置法は2027年4月1日施行)。
低濃度PCB廃棄物(電気機器等の場合、濃度が0.5mg/kgを超え5,000mg/kg以下のもの)
トランスやコンデンサなどの電気機器では、絶縁油などのPCB濃度が0.5mg/kgを超え5,000mg/kg以下のものが低濃度PCB廃棄物です。なお、塗膜くずや感圧複写紙のように燃えやすいPCB汚染物は、100,000mg/kg以下までが低濃度PCB廃棄物に分類されます。
低濃度PCB廃棄物は、環境大臣の認定を受けた無害化処理認定事業者、または都道府県知事等の許可を受けた民間の処理業者に委託して処理します。実際の処理料金は、委託先の見積で確認します。
なお、処理業者によっては廃電気機器(トランスやコンデンサ)を扱えない場合があります。見積を依頼する前に、自社の機器を処理できる委託先かどうかを確認しておくと手戻りを防げます。
費用の内訳と、公表されている目安
(1)分析費(PCB検査費用)
PCBが含まれているかどうかは、見た目では判断できません。銘板の製造年やメーカーへの問い合わせで汚染の可能性を絞り込み、可能性がある機器は絶縁油を採取して分析機関でPCB濃度を測定します。ただし、絶縁油が密閉された「封じ切り」構造のコンデンサは、容器に穴を開けないと採油できないため、使用中のものは汚染の疑いありとして記録し、使用をやめた後に分析します(詳しくは後述)。
分析料金を公表している機関の例は、次のとおりです(2026年10月2日に各機関の公開ページで確認)。
- 公益財団法人 三重県環境保全事業団:1検体8,000円(税別、容器費用・託送費用込み)
- 一般財団法人 北海道環境科学技術センター:1検体11,000円(税抜)。機器情報が不明な場合、急ぎの場合、海外製機器の場合は料金が異なる
上記は分析そのものの料金です。トランスなど絶縁油を採取できる機器を使用中のまま採油する場合は、停電して作業する段取りや、採油の作業費が別にかかります。恒電社の施工事例では、採油から分析結果が出るまでに数週間から1か月ほどかかっています。
低濃度PCBに汚染されているおそれのある電気機器(高濃度PCBを含むことが確実なものと安定器を除く)の分析費は、後述する中小企業者等向けの助成金の対象です。助成額は分析費(試料採取費を含む)の2分の1で、1検体あたり10,000円が上限です。
(2)収集運搬費
PCB廃棄物は特別管理産業廃棄物のため、都道府県等の許可を受けた収集運搬業者に運搬を委託します。無害化処理認定事業者の中には、収集運搬と処分の両方を行うところもあります。
運搬費は、運ぶ機器の台数・重量、処理施設までの距離、積込みの条件で変わります。ビルの屋上にあるキュービクルからトランスやコンデンサを撤去した恒電社の事例では、クレーンで吊り下げて搬出し、交通誘導員を配置したうえで、収集運搬業者の車両へそのまま積み込みました。こうした搬出の条件も、見積に反映されます。
中小企業者等向けの助成金では、収集運搬費の2分の1が助成されます。ただし助成金の額には上限があり、低濃度PCBを含む電気機器は1台あたり192,500円、漏えい防止措置は1台・1式あたり50,000円が限度額です。
(3)処分費
低濃度PCB廃棄物の実際の処分料金は、委託先の見積で確認します。一方、国の助成金(低濃度PCB廃棄物処理支援事業)では、助成額を計算するための「標準処分単価」が重量(kg)あたりで定められています。
| 低濃度PCB廃棄物の種類 | 標準処分単価 |
|---|---|
| 低濃度PCBを含む電気機器(変圧器、コンデンサ、開閉器、遮断器、リアクトル等) | 1kgあたり1,000円 |
| 低濃度PCBを含む廃油 | 1kgあたり200円 |
| その他の汚染物(ドラム缶・ペール缶に収納したウエス、塗膜くず等) | 1kgあたり900円 |
この単価は、助成金の額を計算するための基準であり、市場の処分料金を示すものではありません。処分費の助成は、「標準処分単価×重量」と「申請した処分費の額」のいずれか低い方を助成対象経費とし、その2分の1が助成されます(消費税、諸経費・管理費は対象外)。たとえば総重量300kgの低濃度PCB含有変圧器なら、標準処分単価での計算額は30万円です。対象外の経費を除いた処分費が30万円以上であれば、処分費の助成額は15万円と計算できます。
処分料金の比較は、同じ機器・同じ費用の範囲(運搬や漏えい防止措置を含むかどうか)で複数の委託先の見積を並べて行います。標準処分単価は、助成金を使う場合に「いくら助成を見込めるか」を計算するために使います。
(4)撤去工事費・交換工事費
トランスやコンデンサが使用中の場合は、停電して機器を取り外す撤去工事が必要です。設備を使い続けるなら新しい機器への交換工事が加わり、高圧・低圧の切り替えなどで設備自体を廃止する場合は、それに応じた工事になります。工事の内容は、機器の種類と台数、キュービクルの設置場所、停電できる日時によって変わるため、現地を確認してからの見積になります。
キュービクル内の機器の更新・撤去工事の内容や進め方を知りたい方は、以下のページもご覧ください。
コンデンサの処分費用で注意すること
コンデンサは、トランス(変圧器)と比べて費用の考え方に注意が必要な機器です。ここでは、低濃度PCBの汚染が疑われる、絶縁油が容器の中に密閉された「封じ切り」構造のコンデンサについて説明します。
- 汚染の可能性がある製造年:環境省のパンフレットでは、コンデンサ(絶縁油封じ切り機器)は平成2年(1990年)以前に製造されたものに汚染の可能性があるとされています。ただし、ニチコン製のコンデンサと東芝製の高圧コンデンサは、平成3年以降のものでも処分前の濃度測定が求められています。
- 分析すると使えなくなる:封じ切りの機器は、容器に穴を開けて絶縁油を採取します。恒電社が対応した事例でも、密閉型のコンデンサで含有分析(破壊検査)を行い、検査した機器は結果にかかわらず交換が必要になりました。
- 使用中は「廃止後に分析」が基本:使用中のものは汚染の疑いありとして記録し、使用をやめた後に分析します。分析をせずに低濃度PCB廃棄物とみなして処分することもできますが、その場合も届出が必要です。
このため、コンデンサの費用は次の2つの進め方で組み立てが変わります。
- 分析してから処分方法を決める:分析費がかかります。結果が0.5mg/kg以下なら通常の産業廃棄物として処分でき、0.5mg/kgを超え5,000mg/kg以下なら低濃度PCB廃棄物としての収集運搬費・処分費が加わります(5,000mg/kgを超えた場合は高濃度PCB廃棄物にあたるため、管轄の自治体へ報告します)。
- 分析せずに低濃度PCB廃棄物とみなして処分する:分析費はかかりませんが、低濃度PCB廃棄物としての収集運搬費・処分費がかかり、届出も必要です。
助成金を使う場合は、進め方によって受けられる助成が変わります。産業廃棄物処理事業振興財団の「機器の種類・使用状況ごとの申請可否整理表」では、使用中のコンデンサの分析は、分析後に使い続けられないため助成の申請対象外とされ、使用を終えたコンデンサの分析は申請対象とされています。また、収集運搬・漏えい防止措置・処分の助成は、低濃度PCB汚染が確認されていることが前提とされています。分析せずにみなして処分する場合に助成を受けられるかは、申請前に財団へ確認してください。交換の時期とあわせて、どちらが合理的かを見積で比べるのがおすすめです。
トランスなど絶縁油を採取できる機器は、平成5年(1993年)以前に製造されたものに汚染の可能性があるとされています(富士電機製の一部の機器は、平成6年までに出荷されたものに可能性が残るとされています)。環境省のパンフレットの判定フローでは、それより新しい機器でも、絶縁油の入れ替えなどがされている場合は採油してPCB濃度を測定することとされています。自社の機器が該当するかの確かめ方は、以下の記事で詳しく解説しています。
2026年度に使える助成金・補助金
PCB廃棄物の処理には、中小企業者等の負担を軽くするための国の支援策があります。ここでは2026年10月2日時点で申請を受け付けている制度を紹介します。申請の要件や受付状況は変わることがあるため、申請前に各制度の公式ページで最新の情報をご確認ください。
助成金は交付決定通知書の発行前に分析(試料採取を含む)・収集運搬・処分を実施すると対象外に、変圧器の補助金は交付決定の前に分析や交換工事を発注・契約すると申請が無効になります。業者を決める前に、申請の段取りを確認してください。
低濃度PCB廃棄物処理支援事業(助成金)
環境省が中小企業者等の負担軽減のために設けた助成金で、公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団が受付を行っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業者等(業種ごとの資本金または従業員数の基準を満たす会社。大企業が実質的に支配する「みなし大企業」は除く。ほかに個人事業主、中小企業団体等、一定の法人)と、一定の要件に当てはまる個人 |
| 対象となる費用 | 分析:低濃度PCBに汚染されているおそれのある電気機器の試料採取と分析(高濃度PCBを含むことが確実なものと安定器は除く) 収集運搬(積込み・積下ろしを含む)・漏えい防止措置・処分:低濃度PCBの含有が確認された絶縁油、その絶縁油が封入されたトランス・コンデンサ等の電気機器、ドラム缶・ペール缶に封入された低濃度PCB汚染物 |
| 助成額 | 助成対象経費の2分の1(消費税、諸経費・管理費、ドラム缶・ペール缶の購入代金、助成金申請の手続き代行費用は対象外) |
| 主な限度額 | 分析:1検体10,000円/収集運搬:電気機器1台192,500円/漏えい防止措置:1台・1式50,000円/処分:標準処分単価で計算した額と申請額の低い方の2分の1 |
| 申請期限 | 2027年3月31日まで(予算の範囲を超えた日に受付停止) |
| 実施の時期 | 交付決定通知書の発行後に、分析(試料採取を含む)、収集運搬、処分を実施する |
| 使用中の機器の分析 | 使用中の変圧器は、採油後も使い続けられるため分析の申請ができる。封じ切りのコンデンサは、使用を終えた後の分析が対象 |
| 使用中の機器の収集運搬・漏えい防止措置・処分 | 低濃度PCBを含むことが分析で判明しており、交換工事が計画・確定していて、申請から90日以内に収集運搬・処分の委託契約を結べる場合は申請できる |
申請時には、委託先が発行した見積書の提出が必要です。手引きでは、見積の内容を「一式」と書かず、機器ごとに金額を計上することが求められています。
PCBに汚染された変圧器の高効率化のための補助金(令和8年度)
使用中の油入変圧器を対象に、PCB含有の調査と、低濃度PCBに汚染された変圧器から高効率変圧器への交換を支援する補助金です。環境省の補助事業で、同じく産業廃棄物処理事業振興財団が窓口です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象機器 | 使用中の油入変圧器 |
| 調査事業 | 平成5年以前製造等の使用中変圧器の絶縁油のPCB分析費用の10分の1 |
| 交換事業 | 使用中の低濃度PCB汚染変圧器を、省エネルギー基準達成率105%以上の高効率変圧器に交換する場合の、新設変圧器の本体と設置工事費用の3分の1(新設変圧器1台あたり100万円が上限) |
| 補助の対象外 | 既設変圧器の撤去費用、PCB廃棄物の収集運搬・保管・処分費用など |
| 申請期限 | 2026年12月18日(金)15時まで |
| 主な条件 | 交付決定通知の後に発注・契約すること(交付決定前に分析や交換工事の契約・実施をすると申請は無効)。発注は2者以上の見積合わせ(随意契約は財団の事前承認が必要) |
この補助金は、撤去した変圧器の処分費は対象外です。処分費の負担を軽くしたい場合は、前述の助成金の要件に当てはまるかもあわせて確認しましょう。申請はそれぞれの制度に個別に行います。
日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫の「環境・エネルギー対策資金」(中小企業事業)では、PCB廃棄物を自ら処分する方、または処分を委託する方が、処分に必要な長期運転資金の融資を受けられます。
各制度の概要は、環境省の支援制度のページにまとめられています。保管や届出の手続きは、所在地の都道府県等の窓口で確認できます。
環境省:PCB廃棄物処理等に係る支援制度
産業廃棄物処理事業振興財団:低濃度PCB廃棄物処理支援事業(助成金)/変圧器補助金(令和8年度)
埼玉県:PCB廃棄物の取扱いについて
処分期限と、2027年4月からの制度の変化
低濃度PCB廃棄物の処分期間は、現行のPCB特別措置法で2027年(令和9年)3月31日までと定められています。2026年6月19日に公布された改正法(令和8年法律第44号)により、改正後のPCB特別措置法は2027年4月1日に施行されます。改正法の附則では、現行法に基づいて届出をした低濃度PCB廃棄物で、施行の時点で処分または処分の委託がされていないものについて、現行法の処分の義務を引き続き適用するとしています。すでに廃棄物として保管しているものの処分期限が延びたわけではなく、2027年3月31日までに自ら処分するか、処分を委託する必要があります。
一方、使用中の低濃度PCB使用製品については、所有・使用の状況などの届出と、政令で定める基準による管理の仕組みが新たに設けられます(改正後の第8条・第9条)。届出をした製品の使用を終えた場合は、使用を終えた日から5年を超えない範囲で政令で定める期間内に、処分または処分の委託を行う必要があります(第12条)。また、保管している廃棄物が新たに低濃度PCB廃棄物と判明した場合も、判明した日から同様の期間内の処分が求められます(第19条)。
ただし、電気事業法の電気工作物である低濃度PCB使用製品のうち政令で定めるものには、第8条〜第10条(届出・管理など)の規定は適用されず、電気事業法で扱われます(第11条)。キュービクル内の変圧器やコンデンサがこれにあたる場合、適用される届出・管理の規定と、使用を終えた後の処分期間は、関係法令や所管の窓口で確認が必要です。本記事では、2026年10月時点で具体的な扱いまでは確認できていません。
助成金の申請期限も2027年3月31日です。処分を急ぐかどうかの判断や、期限を過ぎた場合の扱いは、以下の記事で解説しています。
PCB含有機器の処分期限はいつまでか(連載第1回)
PCBの処分期限を過ぎるとどうなるか(罰則・行政指導のリスク)
電気工事士に聞く、見積もりを取得する際の注意点
解説者
鷲巣 純一
インタビュアー
岩見啓明
恒電社には動画・記事の制作、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告などマーケティング/クリエイティブ職として入社。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得し、現在は太陽光発電・高圧電気設備の両軸で、カスタマーサクセス/インサイドセールスの役割を担う。≫プロフィールはこちら
ーーーPCB含有製品を処理したい場合、設備オーナー様はどこへ見積もりを依頼すべきでしょうか?
結論から言うと、分析費用は「分析を行う業者」へ、運搬費用・処理費用は「運搬業者」を通して依頼するのが一般的です。
まず分析費についてですが、恒電社でも採油から専門機関への分析依頼まで一括で対応可能です。電気工事会社がこの分析を代行する場合、通常はトランス更新などの関連工事の見積もりに含まれる形となります。
一方で、自社で直接依頼する場合は、現地調査から採油・分析までを一貫して行う専門業者へ見積もりを依頼します。
次に、運搬費用と処理費用については、いずれも運搬業者および処理業者への委託に伴って発生するものです。基本的には、設備オーナー様が運搬業者と契約を締結します。その上で、運搬業者が処理業者の費用を含めた一括見積書を作成・提出する流れとなります。
※廃棄物処理法の委託基準(施行令第6条の6・第6条の2)では、運搬は、委託する廃棄物の運搬が事業の範囲に含まれる収集運搬業者に、処分は、委託する廃棄物の処分が事業の範囲に含まれる処分業者に委託し、委託契約は書面で行うことになっています。運搬業者が見積をまとめて提出する場合でも、処分については、設備オーナー様などの委託者が処分を行う事業者と直接契約を結びます。1社が運搬と処分の両方を行う場合も、運搬と処分の両方を含む書面の契約が必要です。また、委託の前に、PCB廃棄物の種類・数量・性状などを文書で委託先に通知します。恒電社の施工事例でも、ご依頼主様と許可業者様との間で、廃棄物処理委託契約と収集運搬委託契約を書面で締結いただきました。
ーーーお客様が見積もりを取得するうえで、注意して見るべき点や、比較したほうが良い点は何ですか?
「内訳の明確さ」と「算定根拠の有無」が重要な確認ポイントです。
理由として、PCBが関係する見積もりでは、費用項目が多岐にわたるため、内容が「一式〇〇円」といった形でまとめられている場合、後から詳細が不明瞭になりやすいからです。このような見積もりは、追加費用の発生や誤解のもとになる可能性があります。
具体的には、運搬費や処理費は、絶縁油の量(L)や機器の重量(kg)に基づいて算出されるのが一般的です。したがって、これらの根拠が数値で明示されているかどうかを確認することで、費用の妥当性を判断しやすくなります。
※助成金を申請する場合も、委託先の見積書は「一式」ではなく機器ごとに金額を記載したものが求められます。見積を依頼する段階で、機器ごとの重量と金額を分けて記載してもらうと、比較と申請の両方に使えます。
調査から委託契約、処分完了の報告までの手順と、各段階で必要になる届出は、以下の記事で詳しく解説しています。

施工事例
PCB検査から撤去・処分までを実際にどう進めたかは、恒電社の施工事例で確認できます。屋上キュービクルからPCB含有のトランス・コンデンサを撤去した事例と、PCB検査のうえでコンデンサを交換した事例です。
まとめ:
PCB含有製品の処理費用は、分析・収集運搬・処分に、使用中の機器であれば撤去や交換の工事が重なるため、総額が分かりにくい点が最大のハードルです。費用の項目を分けて、同じ範囲の見積を並べて比べると、金額の違いがどこから来ているかを判断しやすくなります。
また、中小企業者等向けの助成金や変圧器の高効率化の補助金など、費用負担を軽減できる制度も利用できます。助成金は交付決定通知書の発行後に分析・処分などを実施すること、変圧器の補助金は交付決定の後に発注・契約することが条件のため、業者を決める前に申請の段取りを確認しましょう。見積取得時には、内訳の明確さや算定根拠の有無を確認することで、追加費用や誤解を防げます。
「どの機器が分析の対象になるのか分からない」「コンデンサを分析するか、そのまま低濃度PCB廃棄物として処分するか迷っている」「助成金を使いたいが、交換工事とどう段取りを組めばよいか分からない」といった段階でも、ご相談いただけます。恒電社では、採油・分析の手配から、処分業者の手配や必要な手続きのサポート、トランス・コンデンサの撤去・交換工事まで対応します。
本記事は、連載シリーズ「PCBとは?」の第5回として、費用の内訳と活用できる助成金・補助金をまとめました。トランスやコンデンサのPCB検査・処分・交換を実際にどう進めたかは、連載第6回の事例集で紹介しています。
古い変圧器などにPCBが含まれているか分からない、見積もりが「一式」で妥当か判断できないという段階でもご相談いただけます。採油と分析の手配から機器の更新工事まで、進める順番をご説明します。
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この記事を書いた人
岩見啓明
恒電社には動画・記事の制作、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告などマーケティング/クリエイティブ職として入社。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得し、現在は太陽光発電・高圧電気設備の両軸で、カスタマーサクセス/インサイドセールスの役割を担う。≫プロフィールはこちら







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