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責任分界点とは?財産分界点との違いと高圧受電での位置、PAS・UGSの役割を解説

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#PAS・UAS(UGS)
投稿日:2026年3月26日
更新日:2026年10月3日
責任分界点とは?PAS・UGSの役割と、設備オーナーの管理範囲をわかりやすく解説

責任分界点とは、電力会社(一般送配電事業者)とお客様(自家用電気設備の設置者)の間で、電気設備の保安上の責任範囲を分ける地点です。高圧で受電する工場やビルでは、架空引込なら構内第1号柱に取り付けた区分開閉器(PAS)の電源側と電力会社の引込線との接続点、地中引込なら高圧キャビネット内の配電線と構内側の配線との接続点が責任分界点になるのが一般的です。責任分界点よりお客様側の設備は、原則としてお客様の責任で維持・管理します。

キュービクルを所有する設備オーナー・管理担当者が最も避けるべきリスクの一つが、自社設備のトラブルによって周辺一帯を停電させてしまう波及事故です。

こうした事故が発生した場合、どこまでが電力会社側の責任で、どこからが自社側の責任なのか。そして、事故発生時には誰が復旧を主導し、費用負担はどこまで発生するのか。これらの判断の前提となるのが「責任分界点」です。

本記事では、責任分界点と財産分界点の違い、高圧受電での一般的な位置、責任分界点の近くに置かれる区分開閉器(PAS・UAS(UGS))の役割を、実務判断に使えるレベルで整理します。

この記事は区分開閉器シリーズの第1回です。PASの役割、地中配電で使うUAS(UGS)の役割、受電設備の保安規程まで続けて読むと、自社の管理範囲を通して確認できます。

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要約

責任分界点の役割
責任分界点とは、電力会社とお客様の保安上の責任範囲を分ける地点です。設備の所有の境目である「財産分界点」とは別の考え方ですが、通常は同じ地点になります。位置は電力会社との協議で決まり、架空引込では構内第1号柱、地中引込では高圧キャビネットの接続点が一般的です。この境界が曖昧だと、復旧判断の遅れや工事計画の手戻りにつながります。

区分開閉器の重要性
責任分界点の近くのお客様側には、地絡継電装置付きの区分開閉器(GR付PAS・UGSなど)の設置が推奨されています。お客様側で地絡事故が起きたとき、整定と動作が正常であれば電力会社の地絡継電器より先に開き、停電などの影響をお客様側にとどめます。短絡のような大きな電流は区分開閉器では切れないため、電力会社の遮断器が動作して電気が来ていない間に自動で開き、再送電を妨げないようにします。

設置実態とリスク
法令は区分開閉器という機器名までは定めていないものの、電力会社は新増設や受電点の変更を伴う工事を行うお客様に、GR付PASやUGSの取り付けを積極的に推奨しています。一方で古い建物では未設置の例もあり、小動物の侵入やケーブル劣化による事故が近隣の停電に広がるおそれがあります。

責任分界点とは|保安上の責任範囲を分ける“基準線”

責任分界点の定義

電気の世界における「責任分界点」とは、電力会社側の設備とお客様(需要家)側の設備について、保安上の責任範囲を分ける地点のことです。点検・保守をどちらが行うか、事故が起きたときにどちらが対応するかは、この地点を境に分かれます。

財産分界点との違い

よく似た言葉に「財産分界点」があります。2つの違いは次のとおりです。

  • 財産分界点:設備の所有の境目。電力会社の設備とお客様の設備がどこで分かれるかを示し、修理・更新を誰が行い、費用を誰が負担するかの基準になります。
  • 責任分界点(保安上の責任分界点):保安上の責任の境目。点検・保守や事故時の対応をどちらが担うかの基準になります。

2つは別の考え方ですが、通常は同じ地点です。東京電力パワーグリッドの託送供給等約款でも、電力会社の供給設備とお客様の電気設備との接続点を「供給地点」とし、供給地点に至るまでの供給設備は電力会社の所有とすること、電力会社はその供給設備(電力会社が所有権を持たない設備を除く)について保安の責任を負うことを定めています。設備構成や協議の内容によっては一致しない場合もあるため、自社の設備でどうなっているかは電気主任技術者に確認しておくと確実です。

高圧受電での一般的な位置

責任分界点の具体的な位置は、電力会社から電気の供給を受けるときに、お客様と電力会社との協議で決まります。そのため設備ごとに違いますが、一般的には次の位置になります。

引込方式一般的な責任分界点近くに置かれる区分開閉器
架空引込
(電柱から)
構内第1号柱(自家用構内柱)に取り付けた区分開閉器の電源側リード線と、電力会社の引込線との接続点GR付PAS(地絡継電装置付きの気中負荷開閉器)。ガス封入形のPGSもあります
地中引込
(地中から)
高圧キャビネット内の、電力会社の配電線と構内側の配線との接続点UAS・UGS(地中線用の負荷開閉器)。メーカーの製品説明では、電力会社の高圧キャビネット内のお客様側の回路に取り付ける機器とされています

託送供給等約款では、架空引込の場合、お客様の建造物や支持物の引込線取付点までは電力会社が引込線を施設すると定めています。財産分界点と責任分界点が一致する一般的な構成では、責任分界点より電源側の引込線や配電線は電力会社の設備、お客様側の区分開閉器や引込ケーブル、キュービクルはお客様の設備になります。ただし、計量器のように、お客様の敷地内にあっても電力会社が所有し保安の責任を負う設備もあります(同約款75)。

責任分界点が曖昧な場合に起こるリスク

責任分界点が明確でない場合、事故時や工事時に以下のような問題が発生します。

  • 初動対応の遅れ:復旧までのタイムロス
    停電や地絡事故が発生したときに、「電力会社へ連絡すべきか」「自社で対応すべきか」の判断が遅れると、復旧までの時間が長くなります。判断の遅れが、生産ラインの停止や営業機会の損失を広げることもあります。
  • 設備管理の漏れ:波及事故への備えが手薄に
    自社が管理すべき範囲を把握していないと、区分開閉器や引込ケーブルの点検・更新の検討が漏れやすくなります。その結果、自社設備の事故を構内にとどめられないと、近隣施設を巻き込む停電(波及事故)に発展するおそれがあり、社会的信用の低下や事故対応の費用の増加といった経営上のリスクにもつながります。
  • 工事・コスト面の不確実性:計画の手戻りや予算超過
    責任分界点が明確であれば、停電範囲、電力会社の立会いの要否、自社側だけで工事できる範囲を事前に整理しやすくなります。一方で不明確な場合、見積条件の変更や追加費用、工程遅延といったトラブルが発生しやすくなります。

※責任分界点の位置は、契約内容・地域・設備構成によって異なるため、最終的には電力会社(一般送配電事業者)との協議で決まります。

自主保安体制と責任分界点の関係

日本の電気事業法のもとで、自家用電気設備は「自主保安(設備の安全確保を電力会社ではなく設置者自身が責任を持って行う考え方)」が原則です。設置者には、設備を技術基準に適合するよう維持すること(第39条)、保安規程を定めて届け出ること(第42条)、保安の監督をさせるために電気主任技術者を選任すること(第43条)が求められます。電気を買っていても、責任分界点から先のキュービクルなどの安全確保は、設置者が電気主任技術者とともに担う、という考え方です。

責任分界点は「どこまでが自社で管理すべき範囲か」を明確にする起点です。点検・保守の計画や保安の監督は電気主任技術者の領域で、恒電社のような電気工事会社は、その範囲にある設備の更新・改修工事を担います。保安規程で定める内容や電気主任技術者の選任について詳しく知りたい方は、キュービクルの保安規程(届出・電気主任技術者の選任・罰則)の解説記事をご覧ください。

責任分界点の近くに設置される「区分開閉器」の役割

責任分界点の近く(架空引込なら構内第1号柱、地中引込なら高圧キャビネット内)のお客様側には、区分開閉器の設置が推奨されています(古い設備では未設置の例もあります)。電力会社の配電線とお客様の設備の間に置かれ、主に次の3つの役割を担います。

1)系統の区分
電力会社の配電線とお客様の設備を、開閉器で切り離せるようにします。一般的には責任分界点に近いお客様側に設置するため、ここから先がお客様の設備であることが設備の上でも分かりやすくなります。

2)事故の切り分け(波及事故防止)
関東電気保安協会は、波及事故の原因の大半は地絡事故によるものといわれていると説明しています。地絡継電装置付きの区分開閉器(GR付PAS・UGSなど)は、お客様側で地絡事故が起きたときに電力会社の地絡継電器よりも早く動作して開き、配電線を停電させる波及事故を防ぎます。そのためには、継電装置の整定や電力会社側との保護協調が適切で、機器が正常に動作することが前提です。

一方、短絡事故のような大きな電流は、区分開閉器では切ることができません。このときは開閉器をロックして電力会社の遮断器が切れるのを待ち、電気が来ていない状態になってから自動で開いて、電力会社による再送電を妨げないようにします(SO動作)。そのため短絡事故では、配電線側が一時的に停電することがあります。

保護協調とは?
事故時に事故箇所に近い保護装置だけを動作させ、停電範囲を最小限にするため、保護装置の動作電流や動作時間を調整すること。区分開閉器の地絡継電装置が、電力会社の地絡継電器より先に動作するように整定するのもその一つです。

3)保守点検時の切り離し
点検・清掃・更新工事の際に区分開閉器を開くと、お客様側の設備を電力会社の配電線から切り離せます。ただし、開いただけで作業の安全が確保されるわけではありません。開閉器の電源側には電気が来ていますし、高圧の電路で停電作業をする場合は、開路に用いた開閉器の施錠・通電禁止の表示・監視人の配置のいずれか、残留電荷の放電、検電器具による停電の確認、短絡接地器具による短絡接地などの措置が労働安全衛生規則第339条で求められています。

なお、経済産業省の「主任技術者制度に関するQ&A」でも、保安上の責任分界点から主遮断装置までの間に設置する機器として、開閉器(PAS、PGS等)、遮断器、引込ケーブル(CVケーブル等)が挙げられています。前述の一般的な構成では、責任分界点のすぐ先にある引込ケーブルもお客様側の設備です。高圧ケーブルの種類や更新時期の目安を確認したい方は、高圧ケーブルの種類・構造・耐用年数の解説記事もあわせてご覧ください。

引込方式で変わる「PAS」と「UAS(UGS)」

区分開閉器は、電力の引込方式に応じて種類が分かれます。本シリーズでは、地中引込で使うUASとUGSをまとめて「UAS(UGS)」と表記しています。

種類対応する引込方式特徴
PAS架空引込
(電柱から)
構内第1号柱の上部に取り付ける高圧交流負荷開閉器(気中形)。
地絡継電装置付きのものをGR付PASと呼びます。
UAS (UGS)地中引込
(地中から)
地中線用の負荷開閉器。高圧キャビネット内に取り付けて使います。
UASは気中式、UGSはガス式(SF6ガス)です。

各機器の仕組みや選び方は、シリーズの各回で詳しく解説しています。PASとSOG制御装置の関係や交換時期の目安、地中配電でUAS(UGS)が特に重要になる理由を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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責任分界点にある区分開閉器を交換するときの、見積りから停電・復電までの段取りは、PAS・UGS交換工事の手順と流れで説明しています。

「自社の受電設備で責任分界点がどこにあるのか分からない」「古い設備にPASが付いているか確かめたい」という段階でも、恒電社では現地で設備を確認したうえで、区分開閉器の新設・更新工事の要否と進め方をご説明します。

PASやUAS(UGS)は電力会社の設備との境にある機器のため、更新工事では、工事範囲や供給条件に応じて電力会社への申請や停電日程の調整、立会いなどが必要になります。後述する埼玉県所沢市の事例では、電力会社に申請して停電日時を調整し、電力会社の立会いのもとで受電を止めて工事を行いました。PAS・UAS(UGS)の設置・更新工事の範囲と進め方は、以下のページで確認できます。

電気工事士に聞く、区分開閉器は必須?設置義務と未設置リスクの実態

解説者

高橋 宏武
株式会社恒電社

高橋 宏武

大学卒業後、恒電社に入社したプロパー社員。電気工事士として、住宅の電気工事に加え、法人向けの高圧電気設備工事の直接提案を開始するなど、現在の会社の礎を創ってきたメンバー。2020年からは事業部長として、エンジニアリング事業部を統括している。プロフィールはこちら

インタビュアー

Iwami
株式会社恒電社

岩見啓明

恒電社ではマーケティング(動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告)に加え、人事やインサイドセールスなど、事業部を横断して活動。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得。≫プロフィールはこちら

ーーーPASやUAS(UGS)は、高圧受電の場合、必ずつけなければいけない設備なのでしょうか?

技術的に正確に言えば、法律(電気設備技術基準)で直接「PAS等を付けなければいけない」と明文化されているわけではない、というのが回答になります。

ただし、現代の基準においてPASなどの区分開閉器が付いていない状態で、新たに電力会社が高圧受電の契約(送電)を承認してくれることは、まずありません。これは電力会社が定めている「受電規程」というルールの中で、波及事故防止装置の設置が事実上の義務となっているからです。

※法令では、電気設備に関する技術基準を定める省令の第18条第1項が「高圧又は特別高圧の電気設備は、その損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないように施設しなければならない」と定めていますが、区分開閉器という機器名は書かれていません。関東電気保安協会は、電力会社が新・増設や受電点の変更を伴う工事を行うお客様にGR付PASやUGSの取り付けを積極的に推奨していると説明しています。公開資料で確認できるのはこうした「推奨」で、発言にある「受電規程による事実上の義務」については、規程名や条項、新規受電の扱いをこの記事では確認できていません。区分開閉器の要否や仕様は、電力会社との協議と電気主任技術者への確認で判断します。

ーーーでは、古くからある建物では未設置の箇所もあるのでしょうか?

はい。現場を回っていると、築30年、40年という物件では、PASやUGSが設置されていないケースは現在でも一定数存在します。

建設当時に「DS(断路器)」という単純なスイッチだけで認可を受けていれば、その後の法改正や基準変更があっても、強制的にPASを付けろという命令は出ないんです。

ーーーなるほど。当時の基準では「合格」だったから、そのまま使い続けられているわけですね。

その通りです。それに加えて、PASの設置には100万円単位のコストがかかりますし、工事には工場やビル全体の「停電」が不可欠です。設備オーナー様からすれば、利益を生まない設備にそこまでの手間と費用をかける決断が難しい、という現実的な側面もあります。

※建設当時の基準で受電した設備でも、それだけで今後も使い続けてよいかが決まるわけではありません。設置者には設備を技術基準に適合するよう維持する義務があり(電気事業法第39条)、現在の設備の状態と適用される基準を確認したうえで、区分開閉器を追加するかどうかを電気主任技術者と相談して個別に判断します。「命令は出ない」という点も、取材時の現場の見方として紹介しています。また、工事費用や、必要な停電の範囲・時間は、受電設備の構成や工事範囲によって変わります。

現場から見た普及の経緯(1990年代後半)

ーーーPASが一般的になったのは、いつ頃からなのでしょうか?

転換点は1990年代後半から2000年代初頭ですね。この時期、高度経済成長期に建てられたビルの設備が一斉に老朽化し、波及事故が社会問題になりました。

1995年の電気事業法改正で「自己責任原則」が強まり、電力会社側も受電規程を厳格化しました。これ以降の新築物件では、波及事故防止装置の設置が事実上の必須条件となりました。

※1995年(平成7年)の電気事業法改正が、自己責任原則を重視した保安規制の合理化を基本方針としていたことは、資源エネルギー庁・産業保安グループ編「電気事業法の解説」で確認できます。PASが普及した時期、波及事故の社会問題化、電力会社側の要件の変更とその時期は、この記事で確認した資料では裏付けられておらず、現場経験にもとづく見方です。

ーーー実際にPASがないことで起きた事故には、どのようなものがあるのでしょうか?

カラスの営巣や、ケーブル・トランスの経年劣化による絶縁破壊(パンク)などいくつかの原因があります。現場の感覚で言うと、意外と多いのは小動物が原因の事故ですね。

キュービクルの中は、小動物にとって暖かくて雨風もしのげる場所なんです。特に蛇は変温動物なので、寒い時期になるとキュービクルの中に入ってくることがあります。ネズミもよく入り込むことがありますね。

キュービクルの中には、LBSなどの充電部(電圧がかかっている部分)がむき出しになっている箇所があります。小動物が盤内を動き回っているうちに、電線の受電部分とキュービクルの金属部分、両方に同時に触れてしまい、それが原因で地絡事故が発生することがあります。

その場合、動物はほぼ確実に感電死し、設備側も焦げや損傷が発生します。接触した部分の機器は、交換が必要になることもあります。そのような事故が起きた際、PASの設置があればそのビルの停電だけで済みますが、未設置の場合、近隣への停電影響も出てしまいます。

※ここでの説明は、地絡継電装置付きの区分開閉器(GR付PAS等)が保護するお客様側の範囲で地絡事故が起き、電力会社側との保護協調が確保されて機器が正常に動作した場合のものです。未設置の場合は波及事故のおそれが高まるという趣旨で、必ず近隣が停電するという意味ではありません。また、短絡事故では前述のとおり配電線側が一時的に停電することがあります。動物による事故の説明は取材者の現場経験にもとづくもので、季節ごとの頻度や、感電した動物の致死の割合を示すものではありません。

ーーー地中事故の場合はどうですか?

地中を通る配電用の古いケーブルが経年劣化でパンクし、復旧まで半日近く近隣を巻き添えにしたケースもあります。地中線用のUAS(UGS)がないと、故障箇所の特定に時間がかかるため、被害が長期化しやすいです。

※UAS(UGS)などの区分開閉器が切り離すのは、責任分界点よりお客様側で起きた事故です。電力会社側の配電線で起きた事故を防ぐものではありません。紹介した事例の事故位置・設備構成・復旧の経過はこの記事では確認できておらず、未設置が故障箇所の特定や復旧を遅らせたという因果関係も確認できていません。資料で確認できる区分開閉器の主な機能は、お客様側の事故区間の切り離しと、電力会社の再送電への支障の防止です。事故の影響範囲や復旧までの時間は、事故の場所や設備構成によって異なります。

施工事例

既存設備にPASが設置されていなかった埼玉県所沢市のビルでは、キュービクルの更新にあわせてPASを新設し、事故時の影響範囲を限定できるようにしました。PASの新設・更新工事が実際にどう進んだのか(電力会社への申請、停電時間、工期など)は、以下の施工事例でご覧いただけます。

まとめ

責任分界点は、電力会社とお客様の保安上の責任範囲を分ける地点で、通常は設備の所有の境目である財産分界点と同じ地点になります。単なる図面上の境界ではなく、事故時の対応や点検計画を考えるときの、保安上の責任範囲の基準です。修理・更新の費用負担は、設備の所有関係や契約条件もあわせて確認します。

この境界線で波及事故を食い止めるために設置されるのが、PASやUAS(UGS)などの区分開閉器です。高圧受電設備を安定運用するためには、「自社の責任範囲がどこまでか」「事故時にどこで切り離せるか」を、図面と現地で確認しておくことが重要です。

シリーズの次の記事では、架空引込で使われるPAS(高圧気中負荷開閉器)の役割とSOG制御装置との関係、交換時期の目安を解説しています。

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この記事を書いた人

蕨川 真央
株式会社恒電社

蕨川 真央

教育・福祉などの業界を経て、2025年に恒電社に入社。カスタマーサクセスチームの一員として、採用やマーケティングを担当する。

図面で責任分界点の位置を確認できない、区分開閉器が古いまま使われている、といったご相談もお受けしています。電気主任技術者による点検結果を踏まえ、PAS・UGSやキュービクルの更新工事の内容をご提案します。

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