施工事例

高圧ケーブル更新工事|埼玉県 上尾市・テナントビル

カテゴリー:

ケーブル更新

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#埼玉県
投稿日:2025年6月10日
更新日:2025年12月18日

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工事の概要|法人向け高圧ケーブル更新工事

  • エリア  :埼玉県 上尾市
  • 施設種別 :テナントビル
  • 工期   :2日(荷揚げ1日、工事1日)
  • 費用レンジ:100〜500万円

埼玉県上尾市にあるテナントビルの電気主任技術者様より、経年劣化による事故防止を目的とした高圧ケーブル交換工事のご依頼をいただきました。2025年2月に現地調査を実施し、工事は2025年6月に竣工しました。

今回は屋上キュービクルから責任分界点までのケーブル更新に伴い、搬入計画・安全対策を含む総合的な工程管理を行いました。

手順・スケジュール

Step0:必要書類のご提出・現地確認・電力会社申請

お客さまより高圧ケーブル更新のご相談をいただいた後、まずはお電話で現状をヒアリングします。続いて現地確認を実施し、以下の点を中心に詳細に確認します。

  • 既設高圧ケーブルの敷設ルート
  • ケーブルの劣化状況
  • 引込位置や端末処理の仕様
  • 周辺環境・作業スペース

受電点(責任分界点)に関わるケーブル更新など、電力会社への申請や事前協議が必要な場合があります。また、停電が発生する場合は、併せて電力会社へ申請を行います。

Step1:受電停止・既設ケーブル撤去

電力会社立会のもと受電停止を行い、安全が確実に確保された後、作業に着手します。まずキュービクル内・ラック内・管路内など、各施工ポイントで安全養生を行い、既設の高圧ケーブルを切り離します。

  • 高圧端末の取り外し
  • ケーブルの引き抜き
  • 支持金具・ラックの整備

必要に応じて、老朽化した端末箱や支持金具も撤去・交換します。

Step2:新高圧ケーブルの布設・端末処理

更新計画で定めたルートに沿って、新しい高圧ケーブルを敷設します。

  • 管路内へのケーブル通線
  • ラック上での固定(結束・サドル留め)
  • キュービクル内ケーブルの整理・曲げ半径の調整

ケーブル布設後、引込端子に合わせた端末処理(SVT、T形、柱上端末など)を施工します。端末処理後は以下の点などを丁寧に確認し、仕上げを行います。

  • 収縮体の密着状態
  • シースの処理
  • アース線の取り付け

Step3:結線・絶縁試験・導通試験

ケーブル敷設・端末処理が完了したら、各設備への結線を行います。その後、ケーブルの健全性を確認するため、以下の試験を実施し、試験値が基準を満たしていることを確認して、復電に備えます。

  • 絶縁抵抗測定(メガーにて)
  • 導通試験(相間・接地の確認)
  • 端末部の外観点検
  • 必要に応じた耐圧試験(V-t、DC耐圧など)

Step4:復電作業・最終点検

電力会社の立会のもと、受電再開を行います。復電後に以下の点を確認し、新ケーブルが正常に運用できていることを確認します。問題がなければ、更新工事は完了です。

  • 各相の電圧確認
  • ケーブル接続部の発熱・異音の有無
  • ケーブルルートの支持状態
  • キュービクル内の表示・締付状態

Step5:産廃処理・報告書提出

撤去した高圧ケーブル・端末・付帯部材を産業廃棄物として適切に処理します。最後にお客さまへ以下を提出し、高圧ケーブル更新工事の引き渡しとなります。

  • 工事報告書
  • 試験成績書(絶縁値・導通値など)
  • 使用ケーブル・端末の仕様書

今回は、1階と屋上に設置してあるプルボックスの交換工事も併せて行いました。

プルボックス更新前

プルボックス更新後

プルボックス:ケーブルを配線する際に途中に設けられる箱状の設備。長い距離や曲がりが多い電線管にケーブルを通す場合、引き込みが困難に。途中にプルボックスを設置することでケーブルを小分けにして引き込み、ケーブルへの過度な張力を避け、損傷を防ぐ役割がある。

恒電社の3つの特長

導入背景・課題・解決

  • 背景:高圧ケーブルの経年劣化
  • 課題:ケーブルの経年劣化による事故発生のリスク
  • 解決:ケーブル交換に併せてプルボックスの交換を行うことで事故リスクを減少させると同時にケーブルの損傷対策も行いました。

ルール・法律・更新目安

高圧ケーブルは20年を超えると絶縁劣化が急増

高圧ケーブルは長期間にわたり負荷電流・雷サージ・過電圧・温度変化の影響を受け続けるため、経年とともに絶縁体が劣化します。特にCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁)では、水分が侵入することで「トリーイング(樹枝状劣化)」が進行し、最終的には地絡・短絡事故を引き起こす危険があります。

ケーブルの事故は波及事故につながる可能性が高く、復旧にも時間・コストがかかります。安全に電気を使用いただくためにも、定期的な絶縁診断(VLF・タナトス・絶縁抵抗測定等)と、耐用年数20年を目安とした計画的更新が重要です。

地中化・埋設ケーブルは外観確認が困難

地中埋設ケーブルは外観で劣化を判断できないため、内部劣化が進んでいても気づきにくい特性があります。舗装下・管路内・路面下などに敷設されるため、工事の際には占有状況調査や埋設物確認が必要であり、事故を防ぐためにも適切な維持管理が求められます。

とくに水分が侵入しやすい敷設環境(古い管路、老朽化したハンドホールなど)では、劣化速度が早まるケースがあります。

撤去ケーブルは産業廃棄物として適切に処理

撤去された高圧ケーブルは産業廃棄物(廃プラ・金属くず)となるため、産廃処理業者によるマニフェスト管理が必要です。撤去量が多い場合や長距離のケーブルの場合、鉄・銅などの金属回収が可能であり、処理コスト低減につながる場合があります。

仕様・条件

  • 型番  :高圧ケーブル CVT38 E-E
  • 施工条件:屋上への荷揚げを事前に行いました。
  • 安全対策:屋上での作業となるため墜落防止対策を実施しました。事前調査の際に、ケーブルや工具の搬入搬出経路に併せ、クレーン使用の可否、通路の幅や段差の有無を確認し、問題がないことを判断しました。また、大型重機で乗り入れた際の駐車場の確保も事前に行います。

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