施工事例

ビル地下トランス更新工事|東京都・ビル(地下)

カテゴリー:

キュービクル新設・更新・撤去・修繕

タグ:

#東京都
投稿日:2025年11月12日
更新日:2025年12月18日

20年前に作られた狭隘キュービクル室内トランス2台交換工事

新トランス設置直後

新トランス配線後

工事概要

  • 工事内容 :キュービクル内 トランス交換
  • エリア  :東京都
  • 施設種別 :ビル(地下)

東京都にあるビルのオーナー様より、ビル地下に設置してあるキュービクル室内のトランス2台の更新工事の依頼を受け、施工が完了いたしました。関東電気保安協会による調査で低濃度PCBの含有が確認されていたため、旧トランスの処分も併せて実施いたしました。

今回の工事に至った背景とトランス交換工事の流れをご紹介します。

手順・スケジュール

Step 0:現地確認・PCB検査・電力会社申請(約2か月)

  • お客さまからご相談をいただいたあと、お電話にて現状の聞き取りをさせていただきます。その後現地確認にて、既存キュービクルの設置状況などを確認いたします。
  • PCB検査が必要と判断された場合は、絶縁油を採取し、専門機関に提出します。(サンプリングから分析には数週間から1か月ほどを要します)
  • 停電を伴う工事の場合、電力会社に申請を行い、日程調整を行います。

Step1:受電停止・既存トランスの撤去

受電が確実に停止したのを確認して、作業に移ります。まずは既存のトランスを撤去します。

Step2:新しいトランスの設置

既存トランスを撤去した場所に新しいトランスを設置します。

Step3:通電試験・復電

新しいトランスを設置した後に、通電試験を行い、問題がなければ電力会社によって復電します。

Step4:産廃処理・報告書提出

  • PCBが含まれていなかった場合:産業廃棄物として、産業廃棄物処理業者に処理を依頼します。
  • 高濃度PCBが含まれていた場合:特別管理産業廃棄物として適正に保管し、PCB廃棄物の収集運搬業許可を取得している業者に依頼します。
  • 低濃度PCBが含まれていた場合:環境大臣による認定施設または都道府県知事による許可施設で無害化処理を行う必要があります。

恒電社の3つの特徴

導入背景・課題・解決

  • 背景:地下にあるキュービクル内トランス2台の更新。
  • 課題:配電盤の取り外し、トランスの重量・大きさ、搬出・搬入のルート確保等の複雑な工程を含む工事を請け負ってくださる電気工事会社探し。
  • 解決:事前調査と計画の徹底により、上記課題をクリアし、旧トランスの搬出・新しいトランスの搬入に成功。

解決すべき課題1:配電盤の取り外し

課題:入口に余裕のある場合は、配電盤をずらしトランスを移動させることができますが、今回の配電盤はボルト留めされていました。完全に外さなければトランスの搬出・搬入ができません。

解決方法:配電盤の構造確認・開口部の寸法を詳細に計測・内部の寸法計測、トランスを回転・スライドさせるための最小限スペースを正確に把握しました。

配電盤取外しの際にすべての配線にマーキングを行い、元に戻すための印をつけました。細かい作業を慎重に行うことで、工事後に間違いなく配線を戻すことができました。

配電盤撤去前

配電盤撤去後

解決すべき課題2:トランスの重量・大きさ

課題:2026年のトップランナー規格は、より高いエネルギー効率が求められているため、トランスが大きくなる傾向にあります。現行のトランスと同じ大きさのものを手配できるかという課題がありました。

解決方法:旧トランスとほぼ同じ大きさのトランスを手配できました。エレベーターの最大積載量が450kg(10%増で495kgまで積載可能)、手配したトランスも450kgで、エレベーターでの搬出・搬入には問題がないことが判断されました。

解決すべき課題3:搬出・搬入ルートの確保

課題:旧トランスの重量は、電灯355kg・動力440kgでした。エレベーターでの搬出・搬入後、電気室までの移動をどうするのかも大きな課題でした。

解決方法:搬出・搬入には重量鳶の皆様に依頼しました。トランスを真上に吊り上げたり、レール上を水平移動させたりするための仮設の門型フレームを使用。手動または電動で昇降し限られたスペースに重量物をミリ単位の精度で設置し固定しました。

ルール・法律・更新目安

トランスは20年を超えると劣化リスク増大

高圧機器は一旦電源が投入されると、常に全負荷で使用されるとともに、開閉の度に大きな突入電流や過渡過電圧にさらされます。また、高調波電流の流入により過負荷になるなど、過酷な条件で使用されます。

安全に電気を使用いただくため、また思わぬ重大事故や波及事故を防ぐためにも、定期的な点検と更新推奨時期(20年)を目安とした計画的な機器更新が不可欠です

PCB検査義務あり(検査期間:約2週間)

古いトランスやコンデンサなどの高圧電気設備には、かつてPCB(ポリ塩化ビフェニル)が使用されていたケースがあります。専門の分析機関に検査を依頼し、PCB含有の製品だった場合は指定された期限までに処分・廃棄を完了させることが義務付けられています。

関連記事:【PCB質問集】高圧受変電設備(変圧器・コンデンサ)などのPCBに関する“よくある12の疑問”

撤去物は産業廃棄物としてマニフェスト管理必須

PCBが含まれていない場合、一般産業廃棄物として、産業廃棄物処理業者に依頼します。

低濃度PCBが含まれていた場合は、環境大臣認定または都道府県知事等の許可を受けた施設での処分が必要です。処理期限は令和2027年3月31日です。

高濃度PCBが含まれていた場合は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で無害化処理を行いますが、処理期限は2023年3月31日で、すでに終了しています。

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