施工事例

ビル地下トランス更新工事|東京都

投稿日:2025年11月4日
更新日:2025年11月4日

20年前に作られた狭隘キュービクル室内トランス2台交換工事

東京都にあるビルのオーナー様よりビル地下に設置してあるキュービクル室内のトランス2台を交換してほしいというご依頼がありました。関東電気保安協会による調査で低濃度PCBの含有が確認されていることがわかっており、PCBの検査と古いトランスの処分も依頼されました。オーナー様の話では、配電盤を見ただけで何社からも工事を断られたとのことでした。

解決すべき課題

1.配電盤の取り外し

通常入り口に余裕があれば、配電盤をずらしてトランスを移動するなどの手段が考えられるのですが、正面に見えている配電盤は、ボルト留めされておりこれを完全に外さないと中のトランスを入れ替えることは不可能でした。

配電盤撤去前

配電盤撤去後

2.トランスの重量・大きさについて

2026年のトップランナー規格は、2050年カーボンニュートラルなどの国のエネルギー政策に基づき、より高いエネルギー効率が求められています。そのためトランスの大きさが大きくなる傾向にあることがわかっており、現行のトランスと同じ大きさのものを手配できるか?が問題でした。

3.搬出・搬入のルート確保

旧トランスの重量 電灯355kg 動力440kg エレベーターの最大積載量がどの程度なのか?また電気室までの細かい段差の移動をどうするのか?という問題がありました。

事前調査と計画の徹底

現地調査をした段階で課題を洗い出し、それに対応すべく詳細に計画をしていきました。

1.配電盤の構造確認・開口部の寸法を詳細に計測・内部の寸法計測、トランスを回転・スライドさせるための最小限のスペースを正確に把握。配電盤の取外しの際にすべての配線にマーキングを行い元に戻すための印をつけていきました。とても細かい作業ですが、慎重に丁寧に作業をしていくことにより間違いなく配線を戻すことができました。

2.トランスの手配としてはギリギリ旧トランスとほぼ同じ大きさのものの手配ができました。エレベータの最大積載量が450kg(10%増で495kgまで積載可能)であることが確認でき、手配したトランスも450kgで、エレベータでの搬出搬入には問題がないことが判断されました。

3.トランスの搬出・搬入には重量鳶の人たちにお願いをしました。トランスを真上に吊り上げたり、レール上を水平移動させたりするための仮設の門型フレームを使用。手動または電動で昇降し限られたスペースに重量物をミリ単位の精度で設置し固定しました。

重量鳶の方たちによるトランス移動

新トランス設置直後

新トランス配線後

今後は難しくなる地下室キュービクル更新作業

トランスの大型化・重量化: 2026年トップランナー規格のトランスは、高効率化のためにサイズや重量が増加する傾向にあります。これにより、地下室の狭い搬入経路や階段、エレベーターを通ることができなくなるリスクが高まります。
搬入・据付コストの増加: 地下室の更新作業は、地上への搬出入のための特別な重機(クレーン、ウィンチなど)仮設足場、または建物の開口部を広げる工事が必要になることが多く、その分、工期とコストが大幅に増加します。
水害リスク: 近年、集中豪雨などによる水害リスクが高まっており、電気設備の地下設置はリスクが高いと見なされ、新規の設置では避けられる傾向にあります。既存設備も地上や屋上への移設が推奨されるケースが増えています。
20年前の古いビルに見られる「キュービクル室」と、現在主流の「金属製箱型キュービクル」には、安全性省スペース性メンテナンス性に大きな違いがあります。

高圧機器PCBに関するご相談はお早めに

サンプリングから分析には数週間から1か月ほどを要し、処理施設の予約や行政への届出手続きなどを考慮すると、最短でも数か月から半年程度かかる場合があります。PCBの含有が疑われる場合は、早めにご相談ください。


PCBに関する”よくある12の疑問”を弊社サイト内にてご紹介しています。ご一読ください。

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