施工事例

ビル地下トランス更新工事|東京都・ビル(地下)

カテゴリー:

キュービクル新設・更新・撤去・修繕

タグ:

#東京都
投稿日:2025年11月12日
更新日:2025年12月23日

20年前に作られた狭隘キュービクル室内トランス2台交換工事

新トランス設置直後

新トランス配線後

工事概要

  • 工事内容 :キュービクル内 トランス交換
  • エリア  :東京都
  • 施設種別 :ビル(地下)

東京都にあるビルのオーナー様より、ビル地下に設置してあるキュービクル室内のトランス2台の更新工事の依頼を受け、施工が完了いたしました。関東電気保安協会による調査で低濃度PCBの含有が確認されていたため、旧トランスの処分も併せて実施いたしました。

今回の工事に至った背景とトランス交換工事の流れをご紹介します。

手順・スケジュール

Step0:現地調査・設備診断・更新計画の策定

お客さまよりトランス更新のご相談をいただいた後、まずは現在の不具合状況(過熱・異音・絶縁劣化・油漏れ等)や容量不足の有無をヒアリングします。続いて現地確認を行い、以下を確認します。

  • 既設トランスの容量・結線方式(Δ-△、Y-Δ、Y-Yなど)
  • 設置方式(床置型/柱上型/キュービクル内設置)
  • 高圧・低圧ケーブルの端末方式、引込ルート
  • トランス周辺スペース、搬出入経路
  • 換気・熱対策・騒音対策の要否
  • 重量物搬入に必要な車両(クレーン等)の可否

これらの情報を基に、更新機種の選定・工事手順・停電計画を策定し、電力会社との調整を行います。

Step1:受電停止・既設トランスの撤去準備

電力会社立会のもと受電を停止し、安全が確認できたら作業を開始します。まずトランス周囲で以下の措置を行います。トランスは重量物のため、クレーンやチェーンブロックを使用して慎重に撤去します。

  • 高圧側・低圧側ケーブルの開放
  • 二次側配電盤の遮断確認
  • アース線の取り外し
  • トランス本体の固定金具の緩め作業

Step2:既設トランスの撤去

以下の手順で既設トランスを撤去します。撤去後は、周辺の清掃と搬入経路の確保を行います。

  • ケーブル引き抜き、端末処理
  • トランス本体の吊り上げ・搬出(重量に応じてレッカーまたは台車を使用)
  • 設置台・架台の状態確認、必要に応じて補修

Step3:新トランスの搬入・据付・結線

新しいトランスを搬入し、所定位置に据付します。必要に応じて、過電流保護器・CT・VT・温度センサ類の取り付けも行います。

  • 設置台上のレベル調整
  • 防振パッドや支持金具の取り付け
  • アース線の接続
  • 高圧側ケーブル端末の結線(T形・SVT など)
  • 低圧側ケーブルの結線(圧着端子・ブッシング接続)

Step4:絶縁試験・動作点検(復電前)

据付・結線後、復電前に以下の試験を実施します。試験結果が基準値を満たしているか確認し、復電準備を整えます。

  • 絶縁抵抗測定(一次側・二次側・対地)
  • 導通試験(相順確認)
  • 巻線抵抗測定(必要時)
  • 温度センサ・保護装置の動作確認
  • 外観点検(油入トランスの場合:油量・油漏れ確認)

Step5:復電・負荷試験・最終確認

電力会社立会のもと、復電を行います。復電後、以下の項目を確認します。問題がなければ、新トランスでの運用開始となります。

  • 一次・二次電圧の正常値確認
  • トランスの音(ハム音)・振動・温度
  • 負荷電流のバランス
  • 二次側配電盤の動作確認
  • 過負荷・短絡保護装置の設定値確認

Step6:産廃処理・報告書提出

撤去したトランス(油入の場合は特管物になる場合あり)、ケーブル端材、付帯部材を適切に産業廃棄物として処理します。工事完了後、お客さまへ以下の資料を提出し、トランス更新工事は完了です。

  • 工事報告書
  • 絶縁抵抗値・動作試験結果
  • 新トランスの仕様書・銘板情報
  • 今後の保守点検の推奨事項

恒電社の3つの特長

導入背景・課題・解決

  • 背景:地下にあるキュービクル内トランス2台の更新。
  • 課題:配電盤の取り外し、トランスの重量・大きさ、搬出・搬入のルート確保等の複雑な工程を含む工事を請け負ってくださる電気工事会社探し。
  • 解決:事前調査と計画の徹底により、上記課題をクリアし、旧トランスの搬出・新しいトランスの搬入に成功。

解決すべき課題1:配電盤の取り外し

課題:入口に余裕のある場合は、配電盤をずらしトランスを移動させることができますが、今回の配電盤はボルト留めされていました。完全に外さなければトランスの搬出・搬入ができません。

解決方法:配電盤の構造確認・開口部の寸法を詳細に計測・内部の寸法計測、トランスを回転・スライドさせるための最小限スペースを正確に把握しました。

配電盤取外しの際にすべての配線にマーキングを行い、元に戻すための印をつけました。細かい作業を慎重に行うことで、工事後に間違いなく配線を戻すことができました。

配電盤撤去前

配電盤撤去後

解決すべき課題2:トランスの重量・大きさ

課題:2026年のトップランナー規格は、より高いエネルギー効率が求められているため、トランスが大きくなる傾向にあります。現行のトランスと同じ大きさのものを手配できるかという課題がありました。

解決方法:旧トランスとほぼ同じ大きさのトランスを手配できました。エレベーターの最大積載量が450kg(10%増で495kgまで積載可能)、手配したトランスも450kgで、エレベーターでの搬出・搬入には問題がないことが判断されました。

解決すべき課題3:搬出・搬入ルートの確保

課題:旧トランスの重量は、電灯355kg・動力440kgでした。エレベーターでの搬出・搬入後、電気室までの移動をどうするのかも大きな課題でした。

解決方法:搬出・搬入には重量鳶の皆様に依頼しました。トランスを真上に吊り上げたり、レール上を水平移動させたりするための仮設の門型フレームを使用。手動または電動で昇降し限られたスペースに重量物をミリ単位の精度で設置し固定しました。

ルール・法律・更新目安

経年劣化による故障リスクと更新時期

変圧器は長期間通電し続ける設備であり、内部の絶縁紙や鉄心、絶縁油が経年とともに確実に劣化します。一般的に油入・モールド変圧器ともに20〜30年が更新の目安とされ、特に絶縁油の酸化やスラッジの発生、油中ガスの増加が進むと、絶縁破壊や過熱事故につながるリスクが高まります。

高負荷運転が続く環境や外気温が高い場所、湿度の高い場所では劣化速度が加速するため、より早期の更新が必要となるケースもあります。突然の変圧器故障は設備全体の停電や波及事故を引き起こす可能性があるため、定期診断結果を踏まえた計画的な更新は、施設の安全性・信頼性を維持するうえで不可欠です。

法令遵守とPCB確認を含む撤去手続き

変圧器の更新工事は高圧受電設備の重要な変更に該当するため、電気事業法、電気設備技術基準(電技)および内線規程に基づき、適切な設計・施工が求められます。電力会社との事前協議により契約電力や保護協調、受電方式の確認を行い、工事後には耐圧試験・絶縁抵抗測定・動作試験などの検証を行って安全性を確保します。

また、古い油入変圧器にはPCBが含まれている可能性があるため、撤去前に必ずPCB使用の有無を証明書で確認し、不明な場合はPCB分析が必要です。PCBが含まれる場合は法律で定められた期限(低濃度PCBは2027年3月31日まで)に従って適正処理し、PCB非含有機器であっても産業廃棄物としてマニフェスト管理のもと処理する必要があります。

停電計画と更新による長期的メリット

変圧器の交換には高圧系統の停止が必須となるため、操業スケジュールに合わせた入念な停電計画が欠かせません。夜間・休日工事や仮設変圧器の導入により、業務への影響を最小限に抑えることも可能です。

更新後の変圧器は効率性・耐久性に優れ、トップランナー変圧器では無負荷損や負荷損が大きく改善されるため、電力コスト削減効果も期待できます。また、絶縁油の性能向上や構造強化により、事故リスクが低減し長期的に安定した電源供給が確保されます。変圧器更新は単なる機器交換ではなく、設備全体の安全性・省エネ性・保守性を高める重要な投資といえます。

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