施工事例

キュービクル交換工事|埼玉県 久喜市・テナントビル

カテゴリー:

キュービクル新設・更新・撤去・修繕

タグ:

#埼玉県
投稿日:2025年12月2日
更新日:2025年12月18日

ラフタークレーンによるキュービクルの搬出・搬入

旧キュービクル撤去前点検

新キュービクルの設置

工事の概要|法人向けキュービクル交換工事

  • エリア :埼玉県 久喜市
  • 施設種別:テナントビル
  • 工期  :1日
  • 停電時間:5時間
  • 費用レンジ:500万円以下

埼玉県久喜市のテナントビルのオーナー様より、キュービクル交換工事の依頼を受け、施工が完了しました。

既存のトランスに微量のPCB(ポリ塩化ビフェニル)が検出されたことに加え、キュービクル自体の経年劣化も重なったため、キュービクル全体の交換を行うことになりました。

本稿では今回の工事に至った背景や工事の流れ、またキュービクルの搬出・搬入が難しい場合の工事の手順についてご紹介します。

手順・スケジュール

Step0:現地確認・電力会社申請・各許可取り

  • 既存キュービクルの設置状況を確認
  • 新旧キュービクルの仕様・重量・寸法を確認
  • 電力会社に申請・道路の使用許可・交通誘導員の手配・キュービクル搬出・搬入ルートの確認・クレーン車の手配

Step1:安全対策・停電・既存キュービクルの撤去

  • 受電停止・作業区画の設置・クレーン作業帯の確保
  • 既設キュービクルのケーブル切り離し
  • クレーンによる旧キュービクルの吊り上げ・搬出

Step2:新しいキュービクルの設置

  • 新キュービクルの運搬
  • クレーンによる新キュービクルの吊り上げ・設置場所への据え付け
  • アンカー固定

Step3:通電試験・復電

  • ケーブル接続・機器結線・保護継電器試験
  • 受援試験・絶縁耐力試験
  • 受電再開

Step4:片付け・産廃処理・報告書提出

  • 資材撤去・クレーン撤去・清掃・規制解除

恒電社の3つの特徴

導入背景・課題・解決

  • 背景:キュービクル全体の経年劣化ならびにトランスの微量PCB含有
  • 課題:1980年製のキュービクルのため、経年劣化による波及事故のリスク大
  • 解決:トップランナー規制改定によりキュービクルの価格が上昇する前の交換工事の実施で劣化によるリスク減少

ルール・法律・更新目安

老朽化による更新の必要性

キュービクルは内部の変圧器や遮断器、避雷器など複数の機器で構成され、それぞれに10〜30年の寿命があります。特に20〜30年が経過した設備では、絶縁材の劣化や接点摩耗、リレー精度の低下が進み、地絡や短絡といった重大事故につながるリスクが高まります。複数の機器が同時に寿命を迎えるケースも多いです。安全に電気を使用いただくため、また思わぬ重大事故や波及事故を防ぐためにも、定期的な点検と更新推奨時期(10~20年)を目安とした計画的な機器更新が不可欠です

法令遵守と安全性の確保

キュービクルの交換は高圧設備の主要な変更に該当するため、電気事業法や電気設備技術基準、内線規程に基づいた設計・施工・検査が求められます。電力会社との事前協議を通じて受電方式や契約電力を調整し、工事後には耐圧試験や動作試験を経て安全な運用が可能になります。また、古い設備では変圧器やコンデンサにPCBが使われていた可能性があるため、撤去前の証明書確認や分析検査が不可欠であり、PCB含有品は法律で定められた期限までに処分しなければなりません。

産業廃棄物処理

  • PCBが含まれていない場合:産業廃棄物として、産業廃棄物処理業者に依頼します。
  • 低濃度PCBが含まれていた場合:環境大臣認定または都道府県知事等の許可を受けた施設で処分します(処理期限は2027年3月31日です)
  • 高濃度PCBが含まれていた場合:中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で無害化処理を行います処理期限は2023年3月31日です。

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仕様・条件

  • 施工条件:
    キュービクル設置当時は周囲に建物が何もなかったものの、経年により周囲に建物ができており、キュービクルの搬出・搬入が難しい場所でした。
  • 安全対策:
    クレーン作業を行う際は、作業帯の確保と立入禁止区域の設定を徹底し、歩行者・車両それぞれの誘導員を配置したうえで施工します。また、作業環境を事前に調査・確認し、必要に応じて車道へのはみ出し範囲や通行量を把握したうえで作業計画を立案します。今回のキュービクル交換のように重量物の吊り上げが伴う現場でも、現地状況を踏まえた最適な重機選定と安全管理を行っています。

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