施工事例

PAS・SOG交換工事|埼玉県さいたま市

投稿日:2024年4月30日
更新日:2025年4月8日

PAS(気中負荷開閉器)・SOGの交換は、10年を目安に!

埼玉県さいたま市にある企業様よりPAS(気中負荷開閉器)・SOGの交換工事のご依頼をいただきました。

PAS(柱上用高圧交流気中負荷開閉器)とは?

「PAS」は「Pole mounted Air Switch」の略称で「柱上用気中負荷開閉器」といいます。電柱の上に設置され、高圧の電気を安全に入切(スイッチング)するための保護装置を指します。

設置場所と役割

通常、お客様の敷地内にある最初の電柱(1号柱)に取り付けられ、電力会社とお客様の設備を切り分ける「責任分界点」として機能します。このPASを境にして、上流側(電力会社側)と下流側(お客様側)で、それぞれが管理責任を負うことになります。

責任分界点(電力会社側とお客様側を分ける境目)
電気事業法では、電力会社とお客様の設備の区分が明確に定められており、トラブルが起きた際にどちらの責任になるかを分けるための境目を「責任分界点」と呼びます。PASが設置されている電柱や受変電設備が、その境目として機能します。

気中負荷開閉器の仕組み

開閉時に電気が流れる部分が「気中(空気中)」にあるため、弧(アーク)の消弧を空気中で行う構造です。ガスや真空など別の消弧媒体を用いず、構造が比較的簡単であることが特徴です。

SOG(蓄勢過電流+地絡継電器)とは?

「SOG」とは、蓄勢過電流(Storage Overcurrent)と地絡継電器(Ground relay)という、2つの機能を組み合わせた保護装置の総称です。電力回路に異常が発生した際に、過電流や地絡(アースへの漏電)を検知して、回路を遮断する役割を担います。

蓄勢過電流(SO)

「蓄勢」とは、一度異常を検出した際にエネルギーを蓄えておき、必要なタイミングで素早く開閉動作を行う仕組みを指します。これにより、過大な電流が流れた瞬間に即座に反応し、設備を保護します。

地絡継電器(GR)

地絡とは、電気がアース(大地)へ漏れてしまう故障状態のことです。地絡継電器は、漏電を検知すると信号を出し、回路を遮断するよう働きかけます。これにより、感電事故や火災などの二次被害を防ぐことができます。

なぜPAS交換・更新が必要なのか?

電気事業法では、電力会社は事故に対する保証は行わないとされています。波及事故を起こした場合、事故元の責任になり、損害賠償のリスクが生じます。波及事故を起こさないためにも定期的な点検・交換工事が必要になります。

工事前の準備について

高圧気中負荷開閉器(PAS)や保護継電器(SOG)の交換工事には、綿密な準備が不可欠です。以下の準備が必要となります:

  • 仕様の決定
  • 電力会社との申請や協議
  • 道路使用許可の取得
  • 重機(クレーン車や高所作業車)の手配
  • リスクアセスメントの実施
  • 作業手順や計画書の作成

こうした手順を経て、工事をスムーズに進めるためにも、早めのご相談をお願いしております。

電気工事会社は、電力会社の設備を触ることはできません。電力会社に立合いを要請して、工事開始時・終了時に、電力会社の開閉器の開放(遮断)と、投入(入れる)をお願いする必要があります。

PAS交換工事時は、電力会社へ申請や協議が必要になります。お客様にご負担をおかけしないように、電気主任技術者・電力会社と連携を取りながら作業をしますが、ご依頼をいただいて工事に至るまで、数か月必要になる場合もあります。お時間に余裕をもってご相談いただければと思います。

PAS交換前
PAS交換後

      PAS交換前                     PAS交換後

SOG交換前
SOG交換後

 SOG 箱の中には制御装置があり柱上のPASとケーブルで接続後、SOG試験・耐圧試験を行います。

※セキュリティの関係上、一部モザイク処理をさせていただいております。

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