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一般照明用の蛍光灯は2027年末までに製造・輸出入禁止|種類別の期限とLED照明の納期遅延に備える更新ロードマップ

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#LED
投稿日:2025年11月25日
更新日:2026年10月3日
蛍光灯が2027年に製造中止へ|企業が今すぐ始めるLED更新ロードマップと費用の考え方

オフィス・工場・店舗など、全国で使われてきた一般照明用の蛍光灯(蛍光ランプ)。その製造と輸出入は種類ごとに段階的に禁止されており、2027年末を最後に、2028年1月1日以降はすべて禁止されます。

禁止されるのは製造と輸出入で、いま使っている蛍光灯を使い続けることや、禁止前に作られた在庫品を売り買いすることは禁止されていません。ただし、交換用のランプは新しく作られなくなります。ランプが切れたときに替えが見つからない、LED照明器具の手配や工事の予約に時間がかかってすぐに更新できない、といった事態も起こり得るため、設備管理やBCP(事業継続計画)の観点から計画的な更新が欠かせません。

本記事は、企業に求められる照明更新の考え方を体系立てて解説する連載シリーズ「法人向け|LED照明」の第4回です。蛍光ランプの種類別の禁止時期、LED照明の納期が延びやすい理由と備え方、LED更新を進める段取りまでを整理します。

▼ LED化の初期費用、オフィス照明の工事手順、水銀灯のLED化については、連載の以下の回で解説しています

LED照明切り替えの初期費用内訳を解説する連載記事バナー1/9
オフィス照明の工事手順と注意点を解説するシリーズ記事バナー(#2/9)
水銀灯をLEDに交換すると何が変わるのかを示すシリーズ連載バナー(#3/9)

要約

製造・輸出入の禁止時期:
水俣条約の締約国会議の決定を受けて水銀汚染防止法施行令が改正され、2018年から規制されている一部の品種を除き、電球形・コンパクト形の蛍光ランプと、ハロりん酸塩系(一般形)の直管・環形蛍光ランプは2027年1月1日から(電球形の30W以下は2026年1月1日から)、三波長形の直管・環形蛍光ランプは2028年1月1日から、製造と輸出入が禁止されます。使用や在庫品の売り買いは禁止されていません。

使い続けるときのリスク:
交換用のランプは禁止前に作られた流通在庫に頼ることになり、メーカーの生産終了は法律上の禁止日より早いものもあります。照明器具そのものも、設置から10年が「適正交換時期」、15年が「耐用の限度」とされ(日本照明工業会)、長く使うと部品の劣化による破損・発煙・発火のおそれがあります。

LED照明の納期と工事の混雑:
禁止日が近づくほどLED照明器具の手配や電気工事の依頼が混み合う可能性があるため、照明の棚卸し、更新の優先順位づけ、現地調査と見積を早めに進め、納期と工事日程に余裕を持った計画を立てることが大切です。

恒電社が行う照明(LED)設備工事の内容や進め方は、以下のページで確認できます。

蛍光灯の製造・輸出入禁止はいつから?種類別のスケジュール

蛍光ランプには水銀が使われています。水銀による健康や環境へのリスクを減らすための国際条約「水銀に関する水俣条約」(2013年採択)の第5回締約国会議(2023年11月)で、一般照明用の蛍光ランプの製造と輸出入を、種類に応じて2026年末または2027年末までに廃止することが決まりました。これを受けて、国内では2024年12月に「水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令」(水銀汚染防止法施行令)が改正され(令和6年政令第402号)、製造を規制する「特定水銀使用製品」に一般照明用の蛍光ランプが順次加わります。

種類ごとの禁止時期は、経済産業省が公表している次の表のとおりです。

表の内容を、主な形番の例とあわせて整理すると次のようになります。

ランプの種類主な形番の例製造・輸出入が禁止される日
電球形蛍光ランプEFA、EFG、EFD、EFT30W以下:2026年1月1日
30W超:2027年1月1日
コンパクト形蛍光ランプFPL、FDL、FML、FPX、FDX、FHT、FHP2027年1月1日
直管形蛍光ランプFL、FLR、FHF、FSLハロりん酸塩系(一般形):2027年1月1日
三波長形:2028年1月1日
上記以外の蛍光ランプ(環形など)FCL、FHD、FHCハロりん酸塩系(一般形):2027年1月1日
三波長形:2028年1月1日

※水銀の含有量が多い一部の品種(30W以下で水銀5mg超の電球形・コンパクト形など)は、2018年1月1日から規制されています。
※禁止される日の前日(2025年12月31日・2026年12月31日・2027年12月31日)が、それぞれ製造・輸出入ができる最後の日です(2018年から規制されている品種を除く)。
※対象は「一般照明用」の蛍光ランプです。非常用照明器具や誘導灯器具、医療用の照明器具などに使う特殊な照明用のランプは、この規制の対象になりません(経済産業省)。

直管形と環形には、一般形の「ハロりん酸塩系」と、より高効率な「三波長形」があり、禁止時期が1年異なります。直管形・環形の見分け方について、経済産業省の周知資料では、品番が「F」で始まるものが蛍光ランプで、三波長形のみ「3波長形」または「EX」の表示があり、これらの表示がないものはハロりん酸塩系と説明されています。電球形蛍光ランプは、表のとおり「EF」で始まる形番が例示されています。お使いのランプの品番を確認しておくと、いつまで新品が作られるのかを把握しやすくなります。判断がつかない場合は、ランプ本体の表示や製品仕様をメーカーにご確認ください。

「使用禁止」ではない。禁止されるのは製造と輸出入

注意したいのは、禁止されるのは製造と輸出入であって、使用ではないことです。経済産業省・環境省の周知資料では、既に使用している製品の継続使用や、禁止前に製造された製品(在庫)の売り買い・使用は禁止されないと説明されています。つまり「2027年末で蛍光灯が使えなくなる」わけではありません。ただし、交換用のランプは流通在庫に限られていくため、経済産業省は計画的なLED化を進めること、引き続き蛍光ランプが必要な場合は在庫切れになる前に必要数を調達することを呼びかけています。

「2027年に電球が買えなくなる」は本当?

「2027年 電球」と検索されることも多いのですが、電球の形をした製品で今回の規制の対象になるのは、一般照明用の電球形蛍光ランプ(形番の例:EFA、EFG、EFD、EFT)です。水銀汚染防止法施行令で製造が規制される品目に、白熱電球やLED電球は含まれていません。これらがこの水銀規制で製造・輸出入禁止になるわけではありません。

なお、一般照明用の高圧水銀ランプ(水銀灯)は、すでに2020年12月31日から製造と輸出入が原則として禁止されています。工場や倉庫の水銀灯をLED化するときの考え方は、連載第3回の水銀灯をLEDに交換すると何が変わる?消費電力・電気代・寿命の違いと製造禁止の影響を解説で解説しています。

メーカーの生産終了は法律上の禁止日より早いものもある

規制に先立ち、国内の主な照明メーカーは蛍光ランプの生産終了時期を公表しています。いずれも、品番や状況によっては予定より早く終了する場合があると案内しています。

2018年から規制されている一部の品種を除き、三波長形の直管ランプは法律上2027年12月31日まで製造できますが、メーカーによっては2027年9月末で生産を終えます。照明業界では、こうした蛍光灯の製造終了に伴う問題を「2027年問題」と呼んでいます。

放置するとどうなる?(調達・保守・安全面)

「まだ使えるから」「在庫を買っておけば大丈夫」──そう考える企業経営者様やご担当者様も少なくないかもしれません。しかし、ランプ・器具・工事の手配をすべて故障のたびに行うことになると、設備の運用全体ではかえって負担が大きくなる場合があります。

調達リスク

2028年1月1日以降は、一般照明用の蛍光ランプはすべて新たに製造・輸入できなくなり、手に入るのは禁止前に作られた流通在庫だけになります。在庫が減るにつれて、必要な品番や数量がすぐにそろわない場面が出てくることも考えておく必要があります。

保守リスク

蛍光灯器具には、ランプを点灯させるための安定器(バラスト)が器具本体側に組み込まれています。日本照明工業会は、照明器具は設置から10年を「適正交換時期」、15年を「耐用の限度」としています。安定器などの部品が劣化して故障すると、ランプを替えても点灯しません。

蛍光灯器具の生産をすでに終えているメーカーもあり(パナソニックは2019年3月末に終了)、同じ器具や交換部品を手配しにくくなるおそれがあります。なお、今回の規制の対象はランプで、器具や安定器そのものの製造を禁止するものではありません。

安定器(バラスト「ballast」)とは?
蛍光ランプを点灯させるための電源回路。蛍光灯器具では器具本体側にあります(電球形蛍光ランプやLED電球は、電源回路がランプ本体に含まれています)。

また、高天井照明やビル共用部の照明など、交換に高所作業車や足場が必要な設備では、故障のたびに個別に対応すると手配の手間と費用がかさみやすいため、まとめて計画的にLED化するほうが合理的な場合があります。

安全面

照明器具を長く使い続けると、器具内の部品の経年劣化によって破損・発煙・発火のおそれがあります。経済産業省は日本照明工業会の目安を引いて、使用年数が10年を超えている場合は器具ごとの交換を検討し、10年未満でも異常がある場合は直ちに使用を中止して交換するよう案内しています。

LED照明の納期遅延はなぜ起こる?2027年に向けた備え方

蛍光ランプの禁止日が近づくと、蛍光灯からLED照明への切り替えが集中する可能性があります。パナソニックは公式サイトのFAQで、2027年末には希望するLED照明器具が手に入りにくくなる可能性や、交換に電気工事が必要な場合は依頼が混み合う可能性があるとして、早めに器具ごと交換することを勧めています(2026年10月確認)。

LED照明器具の納期は、製品・メーカー・時期・数量によって変わり、今回参照したメーカーの公開資料には、一律の納期日数は示されていません。後半の取材でも、2025年11月時点で、広く使われる「逆富士型」のLED照明に2か月ほどの納品待ちが出ていたという現場の声を紹介しています。納期遅延に備えるには、次の順で準備を進めると安心です。

  1. 今の照明を棚卸しする:場所ごとに器具の種類(直管・環形・コンパクト形など)、ランプの品番、台数、設置からの年数を一覧にします。
  2. 更新の優先順位を決める:設置から10年を超えた器具、交換に高所作業車が必要な場所、止まると業務に影響する場所などから検討します。
  3. 現地調査と見積を早めに依頼する:見積の段階で、器具の納期と工事日程の目安を確認します。
  4. 更新までのランプを確保する:更新が終わるまでに使う交換用ランプは、在庫があるうちに必要数を確保しておきます。

なお、既設の蛍光灯器具を直管LEDランプ用に改造する方法もありますが、LEDランプと器具の組み合わせを誤ると発煙・火災の原因となる可能性があり、改造すると既設器具メーカーの製品保証も適用外になります。日本照明工業会は、器具ごとの交換を推奨しています。

電気工事士に聞く「今から始める照明(LED)更新計画の立て方」

解説者

高橋 宏武
株式会社恒電社

高橋 宏武

大学卒業後、恒電社に入社したプロパー社員。電気工事士として、住宅の電気工事に加え、法人向けの高圧電気設備工事の直接提案を開始するなど、現在の会社の礎を創ってきたメンバー。2020年からは事業部長として、エンジニアリング事業部を統括している。プロフィールはこちら

インタビュアー

Iwami
株式会社恒電社

岩見啓明

恒電社ではマーケティング(動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告)に加え、人事やインサイドセールスなど、事業部を横断して活動。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得。≫プロフィールはこちら

ーーー照明(LED)更新を検討する設備オーナー様が、今すぐ確認すべきことは何ですか?

まずはLEDへの切り替えを行う場所の条件と、工事にかかるスケジュール感をご確認いただくことが大切です。2027年末に向けて蛍光灯の調達が難しくなることが想定されますが、同時にLED照明への変更需要も高まるため、LED照明の納期も想像していた以上にかかる可能性が高いです。

実際に今(2025年11月時点)は、広く使用される「逆富士型」と呼ばれるLED照明が2ヶ月の納品待ち状態ですし、ものによっては半年近くお待たせしてしまう商品もあります。

※2025年11月の取材時点の状況です。LED照明器具の納期は製品・メーカー・時期・数量によって異なるため、最新の納期はお見積りの際にご確認ください。

いざ蛍光灯の不具合が発生したら、電気工事会社へ依頼して更新してもらえば良いと思っていても、LED設備が市場になく、すぐに工事を行えないという状況もあり得ます。

また、照明器具の設置箇所の真下で業務を行っている場合や、大きな荷物・機材などを設置している場合にも注意が必要です。養生を施したうえで通常どおり業務を続けられるのか、それとも一時的に場所を移して作業する必要があるのか——工事期間中の業務への影響を考慮し、場合によっては工期の調整も検討する必要があります。

電気工事会社に現地調査をしてもらい、ご依頼から実際の工事完了までどれくらいかかるかを先に知っておくことでスケジュール感をつかみやすいでしょう。

ーーー現地確認では事前にどんなことを準備しておくと役立ちますか?

照明器具の交換を希望する場所の特徴や、実際に使用している方からの意見を事前にまとめておくと、電気工事会社からの提案もスムーズに進むでしょう。

場所の特徴例:

  • 天井付近が高温になりやすい工場や倉庫の場合は高温対応の機器を選定します。
  • 高天井の場合は、高所作業車を使用します。搬入経路の確認や設置スペースはあるか事前に確認する必要があります。

※高所作業車や足場などの施工方法は、天井の高さ・搬入経路・設置スペースなどを現地で確認して決めます。

使用している方の意見例:

  • オフィスの中で特定の座席の下だけ暗くて困っている場合は、照明の増設も検討しながら器具の選定を進めます。
  • まぶしすぎて目が疲れるような場合は、グレア低減タイプを使用して光源が直接視界に入らないよう工夫します。
  • 日中は明るいので夜だけ自動点灯にしたい場合、明るさセンサを用いたご提案をいたします。
  • 落ち着く空間にしたい場合、暖色の照明に変更することでリラックス感のある空間に変更することができます。

現地調査の際に、現場の方から出た意見や、どんな明るさにしたいかなどのイメージを事前に共有していただけますと、より想像に近い空間に近づけることができます。

施工事例|蛍光灯からLEDへの更新工事

蛍光灯からLED照明へ更新した実際の工事の様子は、以下の施工事例でご覧いただけます。

まとめ

一般照明用の蛍光ランプは、種類ごとに段階的に製造・輸出入が禁止され、2028年1月1日以降はすべて禁止されます。使用や在庫品の売り買いは禁止されていませんが、メーカーの生産終了は法律上の禁止日より早いものもあり、交換用のランプは流通在庫に頼ることになります。

あわせて、禁止日が近づくほどLED照明器具の手配や電気工事の依頼が混み合う可能性があります。照明の棚卸し、更新の優先順位づけ、現地調査と見積を早めに進め、納期と工事日程に余裕を持った計画を立てることが大切です。

恒電社では、現地調査で照明の使われ方やお困りごとをうかがい、器具の選定から照明(LED)設備工事まで対応しています。蛍光灯をいつ、どこから更新すればよいか迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。

本記事は、連載シリーズ「法人向け|LED照明」の第4回として、蛍光ランプの製造・輸出入禁止に向けた準備事項を整理しました。LED化と点灯制御を組み合わせて電気代をさらに抑える方法は、第5回の照明の「点灯制御」で電気代をさらに削減!LED化と組み合わせる企業の省エネ戦略で解説しています。

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この記事を書いた人

蕨川 真央
株式会社恒電社

蕨川 真央

教育・福祉などの業界を経て、2025年に恒電社に入社。カスタマーサクセスチームの一員として、採用やマーケティングを担当する。

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