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【2026年度(令和8年度)】埼玉県のキュービクル更新に使える補助金4制度|スマートCO2補助金の二次募集と変圧器の要件

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#キュービクル
投稿日:2026年6月27日
更新日:2026年10月3日
【2026年度(令和8年度)】埼玉県のキュービクル更新に使える補助金とは?設備担当者様が知るべき4制度

「老朽化したキュービクルをそろそろ更新したい。高額な設備投資になるので、何らかの補助金が使えないか」――埼玉県でキュービクル更新の補助金を探している事業者様からよくいただくご相談です。

本記事で紹介する県と国の4制度に、「キュービクル更新専用」の補助金はありません。ただし、キュービクルの中の変圧器(トランス)を高効率なものに替える工事は、省エネ・CO2削減の補助金の対象になります。この記事では、埼玉県の企業がキュービクル更新で検討できる補助金4制度と、2026年10月時点の募集状況・要件を解説します。

※本記事の制度情報は、2026年10月2日に埼玉県・各事務局の公式ページで確認した内容です。募集回ごとに期間や要件が変わるため、申請前に必ず最新の募集要領をご確認ください。

▼補助金申請の準備全般(必要書類・共通ルール)は①、東京都の事業所の方は③の記事をあわせてご覧ください

キュービクル更新の補助金申請に必要な情報、連載第1回のバナー
「2026年度東京都のキュービクル更新補助金」を紹介する記事バナー

要約

専用の補助金はない

本記事で紹介する県と国の4制度に「キュービクル更新専用」の補助金はありません。キュービクルの箱ではなく、制度ごとの省エネ・CO2削減やPCB汚染に関する要件を満たす、内部の変圧器の更新や分析の費用が補助の対象になります。どの変圧器なら「高効率」と認められるかは、制度ごとに決まっています。

2026年10月2日時点の4制度

県の「スマートCO2排出削減設備導入事業」は二次募集を10月23日まで受付中で、補助率1/3以内・上限300万円です。県の「緊急対策枠」(1/2・上限500万円)は初回枠が終了し、過去の受給者向けのリピーター枠だけが受付中です。

国の「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」は4次公募が10月上旬から予定され(条件は公表待ち)、環境省の「PCBに汚染された変圧器の高効率化」の補助金は12月18日まで受付中です。

申請は必ず契約・発注の前

どの制度も、交付決定の前に工事の契約や発注をした事業は補助の対象外です(環境省の変圧器補助金は、PCB分析の契約・実施も交付決定の後)。また、交付決定から実績報告の期限までが短い制度もあるため、変圧器の納期を確かめてから申請します。

紹介する4制度は「キュービクル更新専用」ではない|まず知るべき前提

キュービクルとは、電力会社から6,600Vの高圧電力を受電し、施設で使う電圧に変換する高圧受変電設備です。工場・ビル・商業施設など、高圧で受電する施設に設置されています。

ここで最初に知っておくべきなのは、本記事で紹介する県と国の制度に「キュービクルを更新するから補助金が出る」という制度はないということです。これらの補助金はあくまで「省エネ」「CO2(二酸化炭素)排出削減」を目的に交付されます。制度ごとの省エネ・CO2削減やPCB汚染に関する要件を満たす設備更新・分析等調査の経費が補助対象になります。

ここを誤解したまま「補助金ありき」で更新計画を立てると、申請の段階で対象外と分かることがあります。まずは「変圧器などの省エネ設備への更新として申請する」という発想に切り替えることが、補助金活用の出発点になります。

埼玉県の企業がキュービクル更新で使える補助金4制度【2026年度】

2026年10月2日時点で、埼玉県の企業がキュービクル内の変圧器の更新に活用できる可能性がある補助金は、主に次の4つです。

制度(実施主体)補助率・上限額10月2日時点の募集状況
スマートCO2排出削減設備導入事業(埼玉県)1/3以内・上限300万円二次募集を受付中(9月28日〜10月23日)
CO2排出削減設備導入補助金【緊急対策枠】(埼玉県)1/2・上限500万円初回枠は終了。リピーター枠だけ予算に達するまで受付
省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)(国・SII)1/3以内・上限1億円(3次公募の条件)3次公募は9月28日に終了。4次公募は10月上旬から予定
PCBに汚染された変圧器の高効率化によるCO2削減推進事業(環境省)分析1/10、交換1/3(1台100万円が上限)受付中(12月18日15時必着)

※ここでは国と県の補助金を取り上げています。県が案内している市町村の同様の補助事業は、太陽光発電・蓄電池などを対象とするものが中心です。変圧器が対象になる市町村の制度があるかは、所在地の市町村にお問い合わせください。

スマートCO2排出削減設備導入事業(埼玉県)

  • 募集状況:一次募集は2026年9月14日に終了し、9月28日から二次募集(10月23日まで)を受け付けています。先着順ではなく、期間内の申請を書面審査して予算の範囲で選定します。
  • 補助率・上限:高効率省エネルギー設備への更新は補助対象経費の1/3以内・上限300万円(補助対象経費30万円以上の事業)。EMS(エネルギー管理システム)と設備更新を同時に導入する事業は1/2以内・上限1,000万円で、三次募集を同じ期間で受け付けています。EMSの事業は、EMS導入による年間CO2削減量3t以上、設備整備による年間CO2削減量3t以上、原油換算エネルギー使用量が年間50kL以上の事業所、の全てを満たす必要があります。
  • 対象者:県内で事業活動を営む法人・個人事業主で、会社は中小企業者に限られます。申請時点で1年以上営業している県内の事業所が対象です。
  • キュービクル更新との関係:「高効率省エネルギー設備への更新」の例として、空調設備・ボイラー・コンプレッサーなどと並んで変圧器が明記されています。

なお、スマートCO2補助金は、同一の設備で国等の補助金と併用できません。県は二次募集の交付決定を11月末頃と予定しており、実績報告書の最終提出期限は2027年2月26日です。

交付決定から報告期限までがおよそ3か月しかないため、変圧器の納期と停電日を申請前に確認しておくことが欠かせません。見積は原則2者以上から取り、補助対象経費と対象外経費の内訳、導入する機器の型式が分かるように記載します。また、申請は事業者本人が行うもので、行政書士等の有資格者以外(設備業者など)による代理申請はできないとされています。

工事が終わった後の手続きもあります。実績報告までに施工業者への支払い(原則、金融機関からの振込)と「埼玉県環境SDGs取組宣言企業制度」の宣言書の提出を済ませ、設備の稼働から1年後をめどに「導入効果報告書」を提出します。導入効果報告書を出さない場合は、補助金の返還対象になります。

CO2排出削減設備導入補助金【緊急対策枠】(埼玉県・令和7年度補正予算)

  • 募集状況:初めて申請する事業者向けの「初回枠」は2026年7月27日に予算額に達して受付を終了し、補欠申請も8月21日に締め切られました。現在は、過去に緊急対策枠の受給実績がある事業者向けの「リピーター枠」だけが、予算額に達するまで先着順で受け付けられています。
  • 補助率・上限:補助対象経費の1/2・1事業所あたり上限500万円(補助対象経費60万円以上の事業)
  • キュービクル更新との関係:「高効率設備への更新」の例に変圧器が明記されています。更新する設備は15年以上使用していると認められるものが対象です。

スマートCO2補助金との併用はできず、令和8年度のスマートCO2補助金を受給した(または受給予定の)事業者は対象外です。実績報告は2027年1月15日が締切です。

省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)(国・SII)

経済産業省の事業で、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行しています。3次公募は2026年9月28日に終了し、4次公募を10月上旬から実施する予定とSIIが公表しています(概要・スケジュールは詳細が決まり次第公表)。

以下は3次公募の設備単位型(従来枠)の条件です。変圧器は指定設備の一つで、SIIが型番を公表した設備への更新が対象です。あわせて、省エネ率10%以上、省エネ量1kL以上、経費当たり省エネ量1kL/千万円以上のいずれかを満たす必要があります。

補助率は1/3以内・上限1億円(下限30万円)で、補助対象経費は設備費です(工事費は含まれません)。見積は異なる販売事業者3者に依頼する(または競争入札等を行う)必要があります。4次公募の条件は、公表後に確認してください。

PCBに汚染された変圧器の高効率化によるCO2削減推進事業(環境省)

  • 実施主体:環境省(事務局は公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団)
  • 対象:使用中の変圧器(財団のリーフレットでは油入変圧器を対象として案内)
  • 補助率・上限:低濃度PCBに汚染された疑いのある変圧器の、絶縁油のPCB分析費用の1/10。低濃度PCBに汚染された変圧器から高効率変圧器(省エネルギー基準達成率105%以上。基準は2023年10月27日の経済産業省告示第127号)への交換は、新設変圧器本体と設置工事費用の合計の1/3(新設変圧器1台あたり100万円が上限)
  • 期限:申請は2026年12月18日15時必着、完了報告は2027年1月29日15時必着。分析・交換工事とも、交付決定通知書を受け取る前に契約・実施すると申請は無効。他の補助金や助成金の申請を、この補助金の申請に含めることはできません

「キュービクル内のトランスが古く、PCBが含まれているかもしれない」という場合に、分析から交換までを対象にできる制度です。財団のリーフレットでは、1993年(平成5年)以前に製造された油入変圧器に低濃度PCB汚染の疑いがあるとしています。古い変圧器を処分すること自体の費用は補助の対象外なので、分析費・処分費を含めた全体の費用は次の記事で確認してください。

低濃度PCBの処理費用と助成金・補助金(分析費・処分費の目安)(低濃度PCBの処理費用を分析・運搬・処分の内訳で整理し、使える助成金も解説しています)

恒電社でも、埼玉県川口市の製造業のお客様の屋上キュービクルで、PCBを含む既設トランス(160kg)をクレーンで地上に下ろし、新しいトランスに更新した実績があります。

施工事例:トランス(変圧器)更新工事|埼玉県 川口市・製造業(製造業の施設で、屋上にあるPCB含有の変圧器をクレーンで降ろして更新した事例です)

見積もりの金額が会社ごとに違い、全体交換と部分更新のどちらが妥当か決められない段階で止まっていませんか。恒電社は現地調査で機器の状態と搬入の条件を確かめ、工事の範囲と内訳が分かる見積もりをお出しします。

なぜキュービクル更新が補助対象になるのか|カギは「変圧器の高効率化」

変圧器は、電気を流しているだけで損失(ロス)が生じる機器です。古い世代の変圧器は、同じ容量の新しい機種より損失が大きい場合があります。これを高効率な変圧器に更新すれば、損失が減った分だけ電力消費とCO2排出量が下がります。この削減効果が、補助金の交付理由になります。

変圧器の省エネ性能は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)の「トップランナー基準」で定められています。2023年10月27日に告示が公布され、目標年度を2026年度とする「第三次判断基準」が定められました。

経済産業省は、2019年度の区分・定格容量ごとの出荷構成が変わらないという前提で、2019年度の実績値に対してエネルギー消費効率が約11.4%向上する見込みと公表しています。

埼玉県のスマートCO2排出削減設備導入事業では、補助対象となる「高効率省エネルギー設備」を、(1)省エネ法のトップランナー基準達成率100%以上の設備、(2)経済産業省所管の「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(Ⅲ)GX設備単位型/設備単位型」「令和6年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(Ⅲ)設備単位型」の補助対象設備、(3)それ以外で一般的な設備と比べ10%以上の省エネ改善効果が認められる設備――のいずれかと定めています。

さらに「年間CO2削減量3t以上」が申請条件です。小さな容量の変圧器1台だけの更新では3tに届かない場合もあるため、既設の銘板の情報をもとに先に削減量を試算します。

トップランナー基準の中身や、2014年基準との違いは次の記事で解説しています。

変圧器トップランナー基準改定で企業が取るべき対応策を示すバナー

補助金を「検討しやすいケース」と「使えないケース」

同じキュービクル更新でも、補助金を使えるケースと使えないケースがあります。よく出る違いを整理します。

補助金を検討しやすいケース補助金が使いにくい・対象外のケース
使い続けてきた変圧器を高効率タイプに更新する故障による緊急交換で、契約・発注を先に進めてしまった
制度の定める高効率の要件(トップランナー基準達成率100%以上など)を満たす変圧器を選定同等品への更新で省エネ効果が出ない
(スマートCO2補助金の場合)年間CO2削減量3t以上が見込める設備の能力増強(容量アップ)が主目的
交付決定を受けてから契約・工事に着手補助金の交付決定前にすでに発注済み

特に注意すべきは「能力増強」と「緊急交換」の2点です。県の2制度はいずれも、能力増強に係る経費を補助対象外としています。施設の増設にあわせて変圧器を大きくする場合、増強分は補助の対象になりません。また、撤去費・処分費も補助対象外です。

故障してから慌てて交換する場合は、交付決定を待つ時間がないため、補助金は使えないと考えておくのが安全です。

申請のタイミングと注意点|“契約前”がすべて

補助金を使ううえで、設備担当者様が最も気をつけるべきことは、契約・発注の前に交付決定を受けることです。

埼玉県のスマートCO2排出削減設備導入事業では、「補助金の交付決定前に補助対象事業に着手(工事発注、契約含む)してはならない」と明記されています。県の募集要領では、着手とは契約の締結または発注を指し、見積を取り直したり施工業者と打ち合わせを始めたりすることは含まないと説明しています。交付決定後は1か月以内に着手し、着手から14日以内に事業開始届を出します。

現場では、「見積もりを取って良い業者が見つかったので、つい先に発注してしまった」というご相談をいただくことがあります。気持ちは分かりますが、この一歩が補助金を受け取れるかどうかを分けます。順番は必ず「①申請 → ②交付決定 → ③契約・着工 → ④実績報告」です。

スマートCO2補助金の選定は、補助金100万円あたりのCO2削減量(費用対効果)を基礎とし、県または国の省エネ診断を過去3か年度以内に受けた事業者などを優先すると定められています。また、県は「自己負担なし」や「後日のキャッシュバック」をうたう不適切な営業に注意を呼びかけ、施工業者の指示であっても契約書の二重作成や経費の水増しは不正な行為で、申請者自身が責任を問われるとしています。

申請に必要な書類や事前に準備すべき情報、全制度に共通する手続きの流れは、次の関連記事で詳しく解説しています。

キュービクル更新の補助金申請に必要な情報と準備書類(シリーズ第1回)(キュービクル更新に使える補助金の募集状況と、申請前にそろえる書類を整理しています)

まとめ

この記事のポイントは以下の通りです。

  • 本記事で紹介する県と国の4制度に「キュービクル更新専用」の補助金はなく、変圧器の高効率化による省エネ・CO2削減などを目的とした補助金を活用する。
  • 2026年10月2日時点では、県のスマートCO2排出削減設備導入事業(1/3以内・上限300万円)が二次募集を10月23日まで受付中。緊急対策枠はリピーター枠のみ、国(SII)は4次公募が10月上旬から予定、環境省の変圧器補助金は12月18日まで。
  • スマートCO2補助金は交付決定が11月末頃、実績報告の期限が2027年2月26日。変圧器の納期と年間CO2削減量3t以上を申請前に確認する。
  • 補助金は「交付決定前の契約・発注」をした時点で対象外になる。順番は必ず「申請→交付決定→契約・工事」。

「今の変圧器でCO2削減量3tに届くか」「交付決定の後に契約・発注して、2027年2月26日の実績報告期限までに工事を終えられるか」は、既設の銘板と設置環境に加え、稼働状況や機器の納期、停電日の候補を確かめて試算・検討します。

恒電社は、キュービクルの更新工事を行う電気工事会社として、現地確認のうえで更新する機種の選定、補助対象・対象外を分けた見積、申請に必要な図面や機器仕様などの資料づくりのお手伝いから、交付決定後の工事まで対応しています。埼玉県でキュービクル・変圧器の更新をご検討中の方は、お問い合わせください。

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補助金とあわせて、点検で指摘を受けたときの判断や、キュービクルの基本、PCBの期限についても確認しておきたい方は、次の記事もご覧ください。

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この記事を書いた人

Iwami
株式会社恒電社

岩見啓明

恒電社ではマーケティング(動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告)に加え、人事やインサイドセールスなど、事業部を横断して活動。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得。≫プロフィールはこちら

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