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【2026年度(令和8年度)】東京都のキュービクル更新に使える助成金|ゼロエミ省エネ助成の第5回・第6回日程と変圧器の要件

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#キュービクル
投稿日:2026年6月27日
更新日:2026年10月3日
【2026年度(令和8年度) 】東京都のキュービクル更新に使える助成金(補助金)|制度を解説

東京都でキュービクル更新の補助金を探しているビルオーナー様や、企業の設備担当者様から、「老朽化した受変電設備を更新したいが、都内は工事費も高い。使える補助金はないでしょうか?」というご相談を、よくいただきます。

東京都には、キュービクル内の変圧器(トランス)の更新にも使える助成制度「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」があり、区分によって助成率3/4・上限4,500万円まで支援を受けられます。この記事では、2026年度の受付日程、助成率と区分、変圧器の要件、東京都ならではの準備と注意点を解説します。

※本記事の制度情報は、2026年10月2日にクール・ネット東京(公益財団法人東京都環境公社)などの公式ページで確認した内容です。最新の日程・要件は、申請前に必ず公式ページでご確認ください。

▼補助金申請の準備全般(必要書類・共通ルール・国の制度)は①、埼玉県の事業所の方は②の記事をあわせてご覧ください

キュービクル更新の補助金申請に必要な情報、連載第1回のバナー
【2026年度・埼玉県】キュービクル更新時に使える補助金を紹介するバナー #2/3

要約

最大4,500万円の助成制度

東京都には「キュービクル更新専用」の制度はありませんが、変圧器を高効率タイプへ更新する工事は、クール・ネット東京が実施する「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」(以下、ゼロエミ省エネ助成)の対象になります。2026年度の事業規模は102.3億円で、削減できるCO2の量と申請区分に応じて、助成率2/3〜3/4・上限1,000万〜4,500万円の支援を受けられます。

年6回の受付・予算超過時は抽選

2026年度の受付は6回です。第4回は10月2日に終了し、残りは第5回(11月9日〜20日)と第6回(2027年1月18日〜29日)です。各回で予算を超えた場合は、受付期間中の申請を対象に抽選が行われます(先着順ではありません)。

都独自の要件と注意点

申請には事前の「省エネ診断の受診」または「自社での計画作成」が必要で、助成を受けた事業所は工事完了時と翌年度から2年間、「地球温暖化対策報告書」を提出します。また、交付決定の前に契約した経費は助成の対象外です。クール・ネット東京は「工事実質0円」をうたう営業への注意も呼びかけています。

東京都のキュービクル更新に使える補助金は「ゼロエミ省エネ助成」|2026年度の全体像

まず前提として、東京都にも「キュービクル更新専用」という名目の補助金はありません。補助金は省エネ・CO2(二酸化炭素)排出削減を目的に交付されるため、キュービクル内の変圧器を高効率タイプに更新することで、その対象に含まれます。

そのうえで、東京都内の事業所のキュービクル更新で活用しやすい制度の一つが、東京都環境公社(クール・ネット東京)が実施するゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業です。この制度は助成対象設備の例として「高効率変圧器」を挙げています。2026年度の事業規模は102.3億円で、公社のページでは事業実施年度を令和5年度から令和8年度まで(助成金の交付は令和9年度まで)としています。

国の制度では、経済産業省の「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型・SII)」が変圧器を対象にしています(3次公募は9月28日に終了し、4次公募を10月上旬から実施予定)。

使用中の油入変圧器に低濃度PCB汚染の疑いがある場合は分析、汚染されている場合は所定の高効率変圧器への交換を支援する環境省の「PCBに汚染された変圧器の高効率化によるCO2削減推進事業」(申請は12月18日15時必着)も選択肢になります。2つの国の制度の要件は、シリーズ①の記事で解説しています。

なお、ゼロエミ省エネ助成の交付要綱では、同じ経費について国その他の団体(区市町村を除く)から重ねて助成金・補助金を受けないことを条件にしています。区市町村の制度は、クール・ネット東京の区市町村の補助金等情報で探せます。組み合わせられるかは、それぞれの窓口で確認してください。

ゼロエミ省エネ助成とは|助成率と上限額・対象者

ゼロエミ省エネ助成は、中小企業等が都内で所有または使用する中小規模事業所において、省エネ設備の導入や運用改善を行う費用の一部を助成する制度です。

  • 助成対象者:中小企業、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人等(共同で事業を行うリース事業者・ESCO事業者を含む)
  • 対象の事業所:中小規模事業所(燃料・熱・電気の使用量を原油に換算した合計が年間1,500kL未満の事業所等。目安は延床面積3万㎡程度未満、年間光熱費1億円程度未満)
  • 助成対象経費:設計費・設備費・工事費

そもそもキュービクルとは、電力会社から6,600Vの高圧電力を受電し、施設で使う電圧に変換する受変電設備です。この内部にある変圧器を高効率タイプに更新すると、変圧器の損失が減り、施設の消費電力とCO2排出量が下がります。この削減効果に対して助成金が交付されます。

助成額は、削減できるCO2の量と申請区分によって3段階に分かれます。

申請区分助成率上限額
年間CO2排出量を更新前比28t-CO2以上削減(省エネ診断の受診または自社での計画作成)3/44,500万円
事前に省エネ診断を受診し、その提案に基づいて年間CO2を3t-CO2または30%以上削減2/32,500万円
事業者自身で計画を作成し、年間CO2を3t-CO2または30%以上削減2/31,000万円

交付申請の後に申請区分を変えることはできないため、どの区分で申請するかは削減量の試算を終えてから決めます。高効率変圧器のほか、高効率空調・LED照明・全熱交換器・高効率コンプレッサなども対象になるため、変圧器の更新とあわせて他の省エネ設備も更新すると、CO2削減量を積み上げて上位の区分を狙える場合があります。

助成の対象になる変圧器の要件

助成の対象になる省エネ設備は、東京都の「都内中小クレジット算定ガイドライン」に定める削減対策の要件に該当する設備です。

ガイドライン(2022年4月版)の「高効率変圧器の導入」では、1次側電圧が600Vを超え7,000V以下の変圧器で、超高効率変圧器(トップランナー基準からさらに全損失を約20%以上低減したもの)またはトップランナー変圧器2014(第二次判断基準に準拠したもの)を導入する場合を対象としています。

同じ項目にあるトップランナー変圧器(2006)は、2015年度までに工事が完了したものに限られるため、これからの更新では対象になりません。

変圧器のトップランナー基準は、2023年10月27日に告示が公布され、目標年度を2026年度とする「第三次判断基準」が定められています。日本電機工業会は、メーカーの出荷品が2026年4月出荷分から新基準品(2026トップランナー変圧器)に切り替わると案内しています。申請する機種が要件に当てはまるかは、型式と仕様書をもとに申請前に確認します。基準の中身は、次の記事で解説しています。

変圧器トップランナー基準改定で企業が取るべき対応策を示すバナー

東京都の助成金は「先着順ではない」|2026年度の受付日程と抽選方式

東京都の助成金で見落としがちなのが、受付の仕組みです。2026年度のゼロエミ省エネ助成は、年6回の受付期間が設けられています(2025年度は5回)。

受付回交付申請の受付期間工事完了届の最終提出期限
第1回〜第3回4月21日〜8月14日の間に3回(終了)2027年9月30日または10月29日
第4回9月16日〜10月2日(終了)2027年10月29日
第5回11月9日〜11月20日2027年11月30日
第6回2027年1月18日〜1月29日2027年11月30日

受付は各回の開始日9時から最終日17時まで(必着)です。最新の日程はクール・ネット東京の公式ページで必ず確認してください。

ここで重要なのは「先着順ではない」という点です。各回で予算を超えた場合は、受付期間中に申請のあったものを対象に抽選が行われます。つまり「受付初日に駆け込めば有利」というわけではありません。慌てて準備不足のまま申請するより、要件を満たす設備選定と書類を整えてから出すことが大切です。申請から交付決定まではおおむね2か月かかるとされているため、工事の時期もそこから逆算します。

見積もりの金額が会社ごとに違い、全体交換と部分更新のどちらが妥当か決められない段階で止まっていませんか。恒電社は現地調査で機器の状態と搬入の条件を確かめ、工事の範囲と内訳が分かる見積もりをお出しします。

申請には「省エネ診断」か「自社計画」が必要|東京都ならではの要件

ゼロエミ省エネ助成には、この制度ならではの要件があります。

第一に、申請には「事前に省エネ診断を受診し、その提案に基づいて省エネ設備を導入する」か、「事業者が自ら省エネ効果を確認できる計画を作成する」かのいずれかが必要です。ここでいう省エネ診断は、クール・ネット東京の「事業所の省エネ診断」または「省エネコンサルティング事業」(地球温暖化対策ビジネス事業者が行う無料の省エネルギー診断)です。

公社は、省エネ診断は申込みが多く報告書の提出まで時間がかかる場合があり、省エネコンサルティング事業は比較的短期間で案内できるとしています。省エネ診断を利用する場合は、設備更新を考え始めた早い段階で申し込むのが得策です。

第二に、助成を受ける事業所は「地球温暖化対策報告書」を提出します。事業所のCO2排出量と省エネなどの取組状況を都に報告するもので、提出のタイミングは工事完了時と、工事完了の翌年度から2年間です。東京都環境局は、報告書を作成できる作成ツールを提供しています。工事が完了して終わり、ではない点に注意が必要です。

このように、事前の準備と事後の継続的な報告の両方が求められるのが東京都の助成金の特徴です。まずどの申請区分で申請するかを決め、省エネ診断を使う場合は早めに申し込むという順番を頭に入れておくと、申請までがスムーズになります。

申請に必要な書類や、全制度に共通する手続きの流れは、次の関連記事で詳しく解説しています。

キュービクル更新の補助金申請に必要な情報と準備書類(シリーズ第1回)(キュービクル更新に使える補助金の募集状況と、申請前にそろえる書類を整理しています)

設備担当者が避けるべき落とし穴|“工事実質0円”営業に注意

最後に、設備担当者が必ず知っておくべき落とし穴を3つお伝えします。

ひとつは「交付決定前の契約・着工」です。ゼロエミ省エネ助成は、交付決定通知書の交付後に工事契約を締結する決まりで、交付決定日以前に契約した経費は助成の対象外です。順番は必ず「①申請 → ②交付決定 → ③契約・工事 → ④工事完了届」です。

契約先の選定では、交付要綱により、入札や複数者からの見積の徴収などの方法で競争に付す必要があります。設備の故障で申請前・申請中に緊急工事をすると助成の対象外になるため、キュービクルは故障する前の計画更新が鉄則です。

ふたつ目は、支払いの証拠です。公社が公表した2026年度の変更点として、工事完了時に提出する支払いの証拠は口座の入出金履歴がわかる「振込明細書」や「通帳の写し」が必須となり、領収書は基本的に受理されないとされています。

三つ目は、助成金を悪用した不審な営業です。クール・ネット東京は「受注金額から一部をキャッシュバックするので自己負担はない」といった勧誘について注意喚起を公表しており、助成額をキャッシュバック等に利用する行為は不正・虚偽にあたるとしています。

この制度の助成率は区分に応じて2/3または3/4で、残りは自己負担です。また、交付要綱では、施工業者等からの還付などで実質的に負担していない経費は助成の対象外とされています。

都内の工事では、変圧器の大きさと搬入経路が工期を左右することもあります。2026トップランナー変圧器は機種によって寸法・質量が大きくなるため、恒電社が国立市のビル地下で行ったトランス2台の更新では、既存と同等サイズ(450kg)の機器を選んでエレベーターの積載制限内で搬入しました。

施工事例:トランス更新工事|東京都 国立市・ビル地下(ビル地下の狭いキュービクル室で変圧器を替えた事例で、搬出入の計画とPCB処分を確認できます)

まとめ

この記事のポイントは以下の通りです。

  • 東京都のキュービクル更新では、クール・ネット東京の「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」が活用しやすい。高効率変圧器が対象で、助成率は最大3/4・上限4,500万円(年間CO2を28t-CO2以上削減する場合)。
  • 2026年度の受付は年6回で、2026年10月2日時点で残りは第5回(11月9日〜20日)と第6回(2027年1月18日〜29日)。予算超過時は抽選で、先着順ではない。
  • 申請には省エネ診断の受診または自社計画の作成が必要。地球温暖化対策報告書を、工事完了時と翌年度から2年間提出する。
  • 「交付決定前の契約」と「工事実質0円をうたう営業」は二大落とし穴。順番を守り、複数者の見積などで競争に付して施工業者を選ぶ。

東京都の助成金は金額が大きい一方、CO2削減量の試算、変圧器の機種選定、省エネ診断、抽選を見据えた申請準備など、判断が続きます。「自社の変圧器の更新でどの区分を狙えるか」「第5回・第6回のどちらに向けて、いつ何から動くべきか」は、既設の銘板と設置環境に加え、エネルギーの使用状況、省エネ診断・計画の準備状況、機器の納期を確かめて検討します。

恒電社は、キュービクルの更新工事を行う電気工事会社として、現地確認のうえで更新する機種の選定、助成対象・対象外を分けた見積、申請に必要な図面や機器仕様などの資料づくりのお手伝いから、交付決定後の工事まで対応しています。東京都でキュービクル・変圧器の更新をご検討中の方は、お問い合わせください。

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この記事を書いた人

Iwami
株式会社恒電社

岩見啓明

恒電社ではマーケティング(動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告)に加え、人事やインサイドセールスなど、事業部を横断して活動。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得。≫プロフィールはこちら

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