更新日:2026年10月7日
トランス(変圧器)の更新工事は、「①現地調査・見積・契約」「②電力会社への申込と停電日の調整」「③停電しての撤去・据付・試験」「④工事後の精算と撤去した変圧器の処分」の順に進みます。電力会社の停電作業が必要な工事は、恒電社では希望日の3〜4か月前までのご相談をお願いしています。
トランスは、キュービクル(キュービクル式高圧受変電設備)の中で、電力会社から高圧(6,600V)で受け取った電気を、建物で使う100V・200Vなどの低圧に変える機器です。日本電機工業会(JEMA)は、高圧配電用変圧器の更新推奨時期を「使用開始後20年」としています(詳しくは次の節で解説します)。
JEMAの報告書は、変圧器の故障について、経年劣化した変圧器に雷などの異常電圧が侵入して突発的に起こることが多いとしています。保護機器が正常に動作すれば火災などの二次災害に至ることは極めて稀とする一方で、一度故障して停電すると、長時間・広範囲にわたって業務が止まるなどの影響が出る可能性があると説明しています。
本記事では、東京電力管内でキュービクルの中のトランスを交換する工事を例に、「事前手続き」「工事当日までの準備」「工事実施」「後日対応」の4段階・15ステップで流れを整理し、各ステップで設備オーナー(お客様)が何をすればよいかを解説します。キュービクルを丸ごと入れ替える場合の流れは、キュービクル更新工事の流れと手順を解説した記事で紹介しています。
恒電社が対応しているキュービクルの新設・更新・撤去・修繕工事の範囲は、以下のページでご覧いただけます。
トランス更新を考える時期と、更新の範囲
JEMAの「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(改訂版、2023年3月)は、油入・モールド・乾式の高圧配電用変圧器について、更新推奨時期を「使用開始後20年」とし、この値は製造者の保証値ではないとしています。同じ報告書では、周囲温度25℃一定・定格負荷で連続使用・規格に定められた最高点温度以下の状態で、保守点検や部品の取替えを確実に行うといった条件のもとで30年程度の寿命が期待できるとされている一方、これは保証を意味するものではなく、実際の使用環境は必ずしもその状態ではないため、寿命は一定ではないと説明しています。
変圧器の劣化は、絶縁紙の重合度試験や油中の溶解ガス分析などである程度知ることができますが、JEMAは寿命を正確に予測することは非常に困難としています。実際の判断では、使用年数に加えて、年次点検報告書で指摘された内容(絶縁抵抗の低下、油漏れ、異音など)をあわせて見ます。機器ごとの更新推奨時期と、税法上の法定耐用年数の違いはキュービクルの耐用年数と更新の目安を解説した記事で確認できます。
更新のしかたには、トランスだけを交換する方法と、キュービクルを丸ごと入れ替える方法があります。ほかの機器の年数や状態、設置スペース、停電できる時間などで合う方法が変わるため、判断のポイントは全体交換と部分更新の選び方を解説した記事にまとめています。
トランスを交換するときは、容量を今のままにするか見直すかも検討します。容量の計算方法と標準容量の一覧はトランス容量の計算方法と選び方を解説した記事で詳しく紹介しています。
また、変圧器の省エネ基準(トップランナー基準)は目標年度を2026年度とする基準に改定され、2026年4月出荷分から新しい基準の製品への切り替えが進んでいます。新しい基準の製品は寸法や質量が大きくなる機種もあるため、設置スペースや搬入経路の確認が欠かせません。基準の内容と更新への影響は、変圧器のトップランナー基準改定を解説した記事でご確認ください。
❶事前手続き
1)お問い合わせ・必要書類のご準備【お客様】
まずは電気工事会社へ工事の「相談・問い合わせ」を行います。この際、お客様側で準備していただきたい主な書類・情報は以下のとおりです。
- 直近の「電気料金明細書」(請求書の写し):
供給地点特定番号や契約内容が記載されており、電力会社への申込に使います。 - 設備の点検記録(月次・年次点検報告書):
保安管理を担う電気主任技術者(外部委託の場合は委託先)から受け取っている年次点検報告書を、現地調査の前にご用意ください。過去の指摘事項や劣化の履歴が分かると、新しいトランスの仕様を検討する際に役立ちます。 - 受電設備の図面類:
現在の単線結線図や構内図がありましたらご準備ください。お手元にない場合は、電気主任技術者へご確認ください。 - 既設変圧器の銘板情報:
メーカー・型番・製造年・容量(kVA)・電圧などが分かると、機種選定がスムーズになります。
2)現地調査の実施【電気工事会社】
お問い合わせ後、電気工事会社による「現地調査」が行われます。主なチェックポイントは以下のとおりです。
- キュービクル内部の状況確認:既存変圧器の配置・容量・配線の引き回しを確認し、新しいトランスが収まるスペースに加え、放熱性・保守スペースが確保できるかも含めて確認します。
- 搬入・搬出経路の確認:トランスの重さは容量や種類によって大きく異なり、恒電社の施工事例でも約160kg、約450kg、約500kgのものがありました。搬入口の幅・高さや通路の狭さ、段差の有無、クレーン車やエレベーターを使えるかを事前に確認します。
- 負荷容量の確認:現在の電力使用状況や将来的な設備増設を踏まえ、変圧器容量(kVA)の見直しが必要かを検討します。
- 撤去する変圧器の銘板の確認:製造年やメーカーを現地で確認します。古い変圧器にはPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含むものがあるため、撤去後の処分の段取りに関わります(14)で解説します)。
地下の電気室で、エレベーターの積載制限の中でトランス2台を交換した工事の進め方は、以下の施工事例でご覧いただけます。
3)見積書の提出【電気工事会社】
現地調査の結果をもとに、電気工事会社から工事費用の「見積書」が提示されます。トランス更新工事の費用を左右する主な要素は以下のとおりです。
- 変圧器本体価格:容量(kVA)・種類(油入・モールドなど)・メーカーなど。条件により大きく異なります。
- 工事費用:搬入・搬出の条件(クレーン車の使用、屋上や地下への運搬、狭い通路など)や、夜間・休日の工事かどうかで変わり、条件が厳しいほど費用が高くなります。
- 付帯工事費用:高圧ケーブル・低圧ケーブルの更新が同時に必要な場合や、ブレーカー類の交換が生じる場合は別途費用が発生します。
- 撤去した変圧器の処分費用:PCBが含まれていた場合は、処分の方法と費用が変わります。
キュービクルの価格を左右する構成要素と、見積もりが変わる要因は、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:キュービクルの価格・費用相場|構成要素と見積もりが変わる要因を解説
4)電力会社側の作業と費用負担の確認【電気工事会社】
トランスの交換では、電力会社(東京電力パワーグリッド)側の作業や費用が関係するかどうかは、工事の範囲と、変圧器の容量を変えるかどうかで決まります。
- 電力会社の作業で停電させる必要がある場合:開閉器の操作などを電力会社に申し込みます。お客様設備の点検などに伴う開閉器操作は有償とされています(6)で解説します)。
- 変圧器の容量を増やす場合:契約電力の決め方によっては、受電設備の総容量を増やすことが、託送供給等約款でいう「契約電力等を増加される場合」として扱われます。それに伴って電力会社が供給設備を新たに施設するときは、工事費負担金がかかることがあります。
- 契約電力の変更を伴う場合:電気の契約先である小売電気事業者を通じて、契約変更の手続きが必要になります。
「工事費負担金」:契約電力などの増加や、需要家の希望による供給設備の変更に伴って、電力会社が供給設備の工事を行う場合に、託送供給等約款に基づいて需要家側が負担する費用です。容量を増やさず、電力会社の供給設備も変更しないトランスの交換であれば、この負担金の対象となる工事はありません。
どの手続き・費用が必要になるかは、見積の段階で電気工事会社と確認しておきましょう。工事費負担金の金額は、電力会社への申込後に電力会社から示されます。工事費負担金は原則として工事着手前に支払うもので、ある小売電気事業者の案内では、電力会社の指定する期日までに支払いが確認できない場合は工事日が変更になるおそれがあるとしています。
※電力会社への申請や、電気主任技術者との日程調整は恒電社が行います。
5)電気工事会社への発注・契約手続き【お客様+電気工事会社】
工事内容・見積金額と、電力会社側で必要になりそうな作業・費用を確認したうえで、電気工事会社に正式に発注します。管理会社や建設会社などを通して発注すると、間に入る会社の経費が上乗せされることがあります。恒電社は、お客様との直接契約を基本にしています。
❷工事当日までの準備
6)電力会社への申込と停電方法の調整【電気工事会社】
トランスの交換は、高圧の電路を停電させて行います。どのように停電させるかは、設備の構成と工事の範囲で変わります。お客様の区分開閉器(PASなど)を開放して停電させて作業する場合もあれば、電力会社の作業員による開閉器の操作が必要な場合もあります。
- 電力会社の作業で停電させる必要がある場合:東京電力パワーグリッドの「開閉器操作のお申込み」で申し込みます。お客様設備の点検などに伴う開閉器操作や高圧引込線の切断接続は有償で、希望日まで申込日から31日以上(電力会社の引込用開閉器がない場合は60日以上)が必要とされています。
- 電力会社の供給設備の工事や契約変更が必要な場合:電気の契約先である小売電気事業者を通じて申し込みます。
申込の種類や必要な書類、電力会社との調整の進め方は、電力申請の内容とスムーズに進めるポイントを解説した記事で詳しく紹介しています。
7)工事日程の決定【電力会社+電気工事会社+お客様】
工事日程は、電気工事会社が旗振り役となり、以下の関係者で調整します。
- 東京電力パワーグリッド(電力会社の停電作業がある場合)
- 電気工事会社
- お客様(テナントを含む)と電気主任技術者
停電時間は、工事の範囲や設置条件で変わります。恒電社が担当したトランス交換工事では、屋外キュービクルの150kVAのトランスを、区分開閉器(PAS)を開放して停電させ、作業時間4時間で交換した例があります。ケーブルの更新などを同時に行う場合は、停電時間が長くなります。
※工事日程の調整には思いのほか時間がかかります。電力会社の停電枠は日曜日が混み合うため、恒電社ではご希望日の3〜4か月前にご相談いただくようお願いしています。計画段階から「◯月中には実施したい」など早めに調整することをおすすめします。
8)工事計画と各種の許可・届出【電気工事会社】
工事日が確定すると、電気工事会社が工事計画書を作成します。工事に付随する許可や届出も、事前に済ませておきます。代表的なものは次のとおりです。
- 道路使用許可:クレーン車を道路に停めて吊り作業を行うなど、道路で工事や作業をする場合は、所轄の警察署長の許可が必要です(道路交通法第77条)。
- 特殊車両の通行許可:大型のクレーン車など、車両の大きさや重さが法令の限度を超える車両を通行させる場合は、道路管理者の許可が必要です(道路法第47条の2)。
- 消防署への届出:東京都の火災予防条例では、高圧の変電設備を設置する場合や内容を変更する場合、工事に着手する日の7日前までに消防署長へ届け出て、使用を始める前に消防署長の検査を受けることが定められています。トランスの交換が届出の対象になるかや手続きは、市町村の条例や工事の内容によって異なるため、所轄の消防署で確認します。
屋上のキュービクルからクレーン車でトランスを下ろした工事で、作業帯や誘導員をどう手配したかは、以下の施工事例でご覧いただけます。クレーン車の設置場所が限られる現場の進め方は、狭小地でのクレーン・高所作業車工事の課題と解決策を解説した記事で紹介しています。
施工事例:トランス(変圧器)更新工事|埼玉県 川口市・製造業(製造業の施設で、屋上にあるPCB含有の変圧器をクレーンで降ろして更新した事例です)
9)テナント・関係者への周知【お客様】
工事日が正式に決まったら、テナントや関係者へ停電と工事の予定をお知らせしてください。恒電社では、テナント・入居者の方への停電の周知を1〜2か月前に行っていただくようお願いしています。
- 告知文の配布:停電日時や作業内容を記載した「停電のお知らせ」を作成し、テナント各社へ配布します。
- 協力依頼:テナントには、パソコン・サーバのシャットダウンや業務の調整を依頼します。エレベーターや機械警備など、停電の影響を受ける設備の管理会社にも事前に連絡します。
- 非常用設備の確認:自家発電機や蓄電池の有無・容量を確認し、停電中も最低限の設備が稼働できるよう準備します。
停電の時間帯や範囲で迷う点があれば、周知の前に電気工事会社へご相談ください。現地調査前にご用意いただく年次点検報告書に加え、単線結線図もあると、停電の範囲を確認しやすくなります。
❸工事実施
10)工事日当日(作業前の準備と停電)
いよいよ「工事日当日」です。作業前の流れは以下のとおりです。
- 朝の打ち合わせ:工事関係者(電気工事会社、電気主任技術者、お客様の設備担当、電力会社の停電作業がある場合は電力会社の作業員など)が現地に集まり、停電時刻や作業手順を確認します。
- 停電の操作:定められた時刻に、工事の範囲に応じた方法で停電させます。電力会社による停電作業が必要な場合は、事前に調整した内容に従い、電力会社の作業員が開閉器の操作などを行います。
- 停電の確認と安全措置:労働安全衛生規則(第339条)に沿って、開路した開閉器に施錠するか通電禁止の表示をし、ケーブルやコンデンサの残留電荷を放電させます。高圧の電路は検電器具で停電を確認したうえで、短絡接地器具を取り付けてから作業を始めます。作業者は絶縁用保護具などを着用します。
11)既存トランスの撤去と新設トランスの据付【電気工事会社】
停電が確認されたら、既存変圧器の撤去作業に取りかかります。
- 高圧・低圧ケーブルの切り離し:変圧器の一次側(高圧)・二次側(低圧)のケーブルを外し、変圧器を電気的に切り離します。
- 接地線の切り離し:変圧器に接続された接地線を外します。
- 撤去・搬出:固定金具を外し、チェーンブロックやクレーンなどを使って変圧器をキュービクルから取り出します。油入変圧器の場合は、絶縁油が漏れないよう注意して扱います。
既存変圧器の撤去が完了したら、新しい変圧器の据付です。
- 新変圧器の搬入:キュービクル内の所定の位置まで搬入します。搬入経路が狭い場合は、事前に搬入の手順を検討しておきます。
- 据付・固定:所定の位置に据え付け、水平を確認して固定します。
- 結線作業:高圧・低圧のケーブルと接地線を、施工図どおりに接続します。
12)竣工時の試験・検査【電気工事会社+電気主任技術者】
新しく設置したトランスは、電気を通す前に試験と検査を行います。試験を電気工事会社と電気主任技術者のどちらが行うかは事前に調整し、結果は電気主任技術者が確認します。
公益社団法人日本電気技術者協会の解説では、自家用電気工作物の竣工検査の項目として、外観検査、接地抵抗測定、絶縁抵抗測定、絶縁耐力試験、保護装置試験(保護継電器の試験など)、遮断器関係試験などが挙げられています。トランスの交換では、工事の範囲に応じて、たとえば次のような試験を行います。
- 外観点検:結線や固定の状態を確認します。油入変圧器では油量や油漏れも確認します。
- 絶縁抵抗測定:一次側・二次側の巻線と大地との間などの絶縁の状態を、絶縁抵抗計で測定します。
- 絶縁耐力試験(耐圧試験):高圧の電路や機器に試験電圧を一定時間加え、耐えられるかを確認します。電気設備の技術基準の解釈(第16条)では、変圧器の電路の絶縁性能に適合する方法の一つとして、最大使用電圧が7,000V以下の場合、最大使用電圧の1.5倍(500V未満となる場合は500V)の試験電圧を連続して10分間加えたときに耐える性能が示されています。
- 接地抵抗測定:接地の抵抗値が、技術基準の解釈(第17条)で定める値以下かを確認します。
- 保護装置の動作確認:工事の範囲が保護継電器や遮断器などに関係する場合は、設定どおりに動作するかを確認します。
恒電社の施工事例では、復電前に絶縁抵抗測定、導通試験や相順の確認、必要に応じた巻線抵抗測定、温度センサや保護装置の動作確認、外観点検を行っています。現地で行う試験の項目や方法は、設備と工事の内容に応じて決めます。
なお、電気事業法の「使用前自主検査」(第51条)は、工事計画の届出をして設置・変更する事業用電気工作物のうち省令で定めるものに課される検査です。需要設備で工事計画の届出が必要になるのは、受電電圧が1万V以上の需要設備の設置などです(電気事業法施行規則 別表第二)。通常の6,600V受電の需要設備におけるトランスの交換は、工事計画の届出と使用前自主検査の対象ではありません。この場合も、設置者が定める保安規程に基づき、電気主任技術者のもとで竣工時の点検・検査を行います。
13)受電再開(復電)【電力会社+電気工事会社+電気主任技術者】
試験と検査に問題がなければ、受電を再開します。区分開閉器を開放して停電させた場合はそれを投入し、電力会社が停電作業をした場合は、電力会社の作業員が開閉器の操作などを行います。
受電後は、変圧器の一次側・二次側の電圧や、音・振動などに異常がないかを確認し、建物側のブレーカーを順に入れて各系統へ電気を戻します。各系統へ電気を送ったあとは、負荷電流のバランスや温度など運転中の状態を確認し、すべての設備が正常に動くことを確かめたら、新しいトランスでの運用が始まります。
❹後日対応
14)撤去した変圧器の処分(PCB含有の確認)【電気工事会社】
古い変圧器には、絶縁油にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が使われていたり、微量に混入していたりするものがあります。環境省は、国内メーカーが平成2年(1990年)頃までに製造した電気機器にはPCB汚染の可能性があることが知られているとしています。一方で、変圧器は平成6年(1994年)以降の出荷で、絶縁油の入替や、絶縁油に係るメンテナンスが行われていないことが確認できれば、PCB汚染の可能性はないとされています。
銘板などで判断できない機器は、機器の構造や状態に応じて、絶縁油を採取して分析機関でPCBの濃度を測定するかどうか、その方法を確認します。PCBが含まれていた場合は、通常の産業廃棄物とは別の扱いになり、処分の方法・費用・日程が変わります。そのため、撤去する変圧器の確認は現地調査や見積の段階から進めておきます。恒電社の施工事例でも、事前の調査で低濃度PCBの含有が確認されていた旧トランスの処分を、交換とあわせて行いました。
低濃度PCBの処分期限については、PCB特別措置法などの改正法(令和8年法律第44号)が2026年6月に成立し、2027年4月1日に施行される予定です(2026年10月時点)。2027年3月31日までに低濃度PCB廃棄物として保管・届出したものは、改正前の法律の処分期間どおり、2027年3月31日までに処分する必要があります。2027年4月以降は、使用中の機器の届出・管理の制度が設けられ、使用をやめた日や含有が判明した日から、政令で定める期間(5年を超えない範囲)内に処分する仕組みになります。電気工作物のうち政令で定めるものは、使用中の届出・管理を電気事業法で行います。期限の考え方はPCBの処理期限と2027年4月からの新制度を解説した記事で、判別方法の詳細は環境省のPCB早期処理情報サイトでご確認ください。
15)工事費の支払い・精算と、書類の受け取り【お客様】
工事完了後は、契約時の取り決めに従い、所定の期日までに工事費をお支払いいただきます。工事着手前に電力会社へ工事費負担金を支払った場合、託送供給等約款で定める場合(設計変更などにより、工事の長さや主要な材料の数量が一定以上変わった場合など)には、工事完成後に精算されます。
電気工事会社からは、工事報告書や試験の結果、新しいトランスの仕様書などの書類を受け取ります。保安管理を外部に委託している場合、工事の立会いや竣工時の確認が月々の委託料とは別の費用になることがあるため、委託契約の内容を事前に確認しておくと安心です。
【まとめ】設備オーナーがやるべきことは?
トランスの更新工事は、現地調査と見積、電力会社側の作業・費用の確認、停電日の調整、停電しての撤去・据付・試験、工事後の精算と撤去した変圧器の処分という順に進みます。多くの手続きは電気工事会社と電気主任技術者が担います。設備オーナーに求められる主な対応は以下の3点です。
- 必要書類・情報の準備(電気料金明細書・点検報告書・図面・銘板情報)
- テナントや関係者への停電の周知と協力依頼
- 工事費用の支払いと、工事費負担金がかかる場合の工事着手前の支払い
トランスが故障すると、故障の内容や設備の構成によっては、復旧までその系統に電気を送れず、業務が長時間止まる可能性があります。使用開始から20年が近い、点検報告書で劣化を指摘された、といった段階で計画を立てておくと、停電日の調整や機器の手配に余裕を持てます。トランスだけの交換か、キュービクル全体の更新かも含めて、恒電社のキュービクル工事の対応範囲と進め方は、以下のページでご確認いただけます。
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- キュービクル更新工事の流れと手順|時期の目安・申請・停電当日まで設備オーナーがやること[東京電力管内]:キュービクル更新の現地調査から停電当日、精算までに設備オーナーがやることを整理しています
トランス容量の決め方、トップランナー基準の改定、キュービクルを丸ごと更新する場合の流れもあわせてご覧ください。
この記事を書いた人
岩見啓明
恒電社には動画・記事の制作、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告などマーケティング/クリエイティブ職として入社。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得し、現在は太陽光発電・高圧電気設備の両軸で、カスタマーサクセス/インサイドセールスの役割を担う。≫プロフィールはこちら
点検報告書でトランスの交換を勧められた、製造から20年近くたっている、停電できる日が限られている、といった段階でもご相談いただけます。現地調査の前に年次点検報告書をご用意ください。単線結線図や既設トランスの銘板写真もあると、確認がスムーズです。


