施工事例

高圧進相コンデンサ・直列リアクトル交換工事|埼玉県 白岡市・介護施設(工期1日・停電2時間)

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キュービクル新設・更新・撤去・修繕

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#埼玉県 #公共施設
投稿日:2025年5月27日
更新日:2026年10月5日
高圧コンデンサ、直列リアクトル交換工事|埼玉県 白岡市・介護施設
交換前のキュービクル内の高圧進相コンデンサと直列リアクトル

高圧進相コンデンサ・直列リアクトル交換前

交換後のキュービクル内の高圧進相コンデンサと直列リアクトル

高圧進相コンデンサ・直列リアクトル交換後

コンデンサだけでなく、変圧器や遮断器などを含めたキュービクルの更新・修繕工事の対応範囲は、以下のページで紹介しています。

工事の概要|高圧進相コンデンサ・直列リアクトル交換工事

  • エリア :埼玉県 白岡市
  • 施設種別:介護施設
  • 工期  :1日
  • 停電時間:2時間
  • 費用レンジ:100万円以下

埼玉県白岡市にある介護施設の電気主任技術者様より、「高圧コンデンサ・直列リアクトル」の交換工事のご依頼を受け、施工が完了いたしました。コンデンサの製造年月日から低濃度PCB含有が疑われたため早期の交換を希望されました。

高圧進相コンデンサ(SC)は、キュービクルの高圧側に接続して、受電点の力率を改善する機器です。直列リアクトル(SR)は、コンデンサと直列につないで、高調波による電圧のひずみを改善するとともに、コンデンサを入れたときの突入電流と異常電圧の発生を抑える機器で、2つは組み合わせて設置されます。日本電機工業会(JEMA)は、高圧進相コンデンサと直列リアクトルの更新推奨時期をいずれも15年としています。

力率と電気料金の関係や、交換のときに直列リアクトルの規格や容量まで確認する理由を詳しく知りたい方は、進相コンデンサの役割と交換時期を解説した記事もご参考ください。

エンジニアリング事業部

技術担当者
エンジニアリング事業部

技術担当者

PCB含有有無が不明だった高圧コンデンサについて、処分期限内の適正処理と経年劣化対策をご依頼いただきました。コンデンサや直列リアクトルの絶縁劣化が進むと設備事故に直結するため、リスク解消に向けた迅速な対応が必要でした。事前の分析検査で「PCB不含有」と判明したため適切な処分手続きを進めるとともに、最新機器への交換により故障リスクを大幅に低減させています。

施設の停電時間を最小限に抑えるため、工事は既存の年次点検に合わせて実施。当日は電力会社立会のもと確実に受電停止を確認してから作業に入り、施工後の試験を経て安全に受電を再開いたしました。

一般的な更新工事の手順・スケジュール

Step0:現地確認・PCB検査・電力会社申請(約2か月)

お客さまからご相談をいただいた後、お電話にて現状の聞き取りをさせていただきます。その後現地確認にて、既存コンデンサの状況や設置スペース・搬出入経路などを確認いたします。

PCB検査が必要と判断された場合は、絶縁油を採取し、専門機関に提出します(サンプリングから分析には数週間から1か月ほどを要します)。

停電を伴う工事のため、並行して電力会社との日程調整を行います。

Step1:受電停止・既存コンデンサの撤去

電力会社立会のもと受電を停止し、安全が確保されたことを確認して作業を開始します。以下の手順で既設コンデンサを撤去します。撤去後は周辺機器や端子台の状態も合わせて点検します。

  • コンデンサ内の電荷が残留していないか確認(放電器付の場合もテスター確認)
  • 一次ケーブル・母線の切り離し
  • アース線の取り外し
  • コンデンサ本体の搬出(重量物のため台車・リフター等を使用)

Step2:新コンデンサの搬入・据付・結線

新しい高圧コンデンサを現場に搬入し、指定位置に据付します。

  • 水平調整、固定金具の締付
  • アース線の接続
  • 一次側ケーブル・母線への結線
  • ヒューズ(過電流保護)の状態確認、必要時は交換

また、リアクトル付や自動力率調整盤(APC盤)と組み合わせる場合は、盤との結線・設定も行います。

Step3:絶縁試験・動作点検

据付・結線後、以下の試験を実施します。試験結果が基準値を満たしていることを確認した後、復電の準備を行います。

  • 絶縁抵抗測定(相間・対地)
  • 導通試験(接続不良の有無確認)
  • コンデンサバンクの各相バランス確認
  • 保護装置(ヒューズ・保護継電器)の動作確認

Step4:復電・最終点検

電力会社立会のもと受電を再開し、設備が正常動作するかを確認します。問題がなければ、交換工事は完了です。

  • コンデンサ投入後の電流値、力率の変化
  • 発熱・異音・異臭の有無
  • 端子部の締付状態
  • バンク構成の場合、各相電流バランス確認

Step5:産廃処理・報告書提出

撤去したコンデンサがPCB含有機器の場合は、法令で定められた期限までに処分(処分の委託を含む)を行わなければなりません。PCBを含まない機器も、撤去した機器は産業廃棄物として、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を使って処理します。

工事完了後、お客さまへ以下を提出し、高圧コンデンサ交換工事は完了となります。

  • 工事報告書
  • 試験成績書(絶縁抵抗値・電流値等)
  • 使用コンデンサの仕様書
  • 今後の点検・メンテナンスのご案内
高圧コンデンサの耐圧試験を行っている様子
耐圧試験の様子

恒電社の3つの特長

導入背景・課題・解決

  • 背景:
    PCB含有の有無が不明の高圧コンデンサを処理期限内に処理したいとのご希望でした。
  • 課題:
    PCB含有が確認され、廃棄物となった場合には、適用される法令上の期限内に処分する必要があること、コンデンサ・直列リアクトルの絶縁劣化により事故のリスクが大きいことが課題。
  • 解決:
    PCB検査を行い、不含有製品と判明したため、適切な処理を行いました。コンデンサ・直列リアクトルの交換により事故リスクを減少させました。

直列リアクトル:コンデンサと直列につなぎ、高調波による電圧のひずみを改善するとともに、コンデンサを入れたときの突入電流を抑え、異常電圧の発生を抑える機器。JEMAによると、JIS C 4902:2010は進相コンデンサに直列リアクトルを取り付けて使うことを原則とし、高圧受電設備規程(JEAC 8011-2014)は、原則としてコンデンサのリアクタンスの6%または13%の直列リアクトルを施設するよう定めている。

更新目安・停電・PCBの確認

高圧進相コンデンサ・直列リアクトルの更新推奨時期は15年

JEMAの「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(2023年3月改訂版)は、高圧進相コンデンサ、直列リアクトル、放電コイルの更新推奨時期を、いずれも15年としています。この年数は製造者の保証値ではなく、通常の環境で通常の保守・点検をしながら使った場合に、新品と交換したほうが経済性を含めて一般的に有利と考えられる時期です。

同報告書によると、高圧進相コンデンサは、劣化または故障したら更新する以外に性能が戻らない「非修理系」の機器です。劣化に影響するのは温度・電圧・電流で、高調波が流れ込んで電流が増えると発熱が増え、熱による劣化が進みます。そのため、点検の機会に電気主任技術者と銘板の製造年を確認し、更新推奨時期(15年)を目安に計画的に更新することが大切です。

停電の時期と、更新で変わること

高圧進相コンデンサの交換では、キュービクルを停電させて作業します。本事例では、停電時間を最小限に抑えるため、既存の年次点検の停電に合わせて施工し、停電時間は2時間でした。営業中の施設や工場では、業務への影響を考えて夜間や休日に作業する場合もあります。停電時間の決まり方と短くするための準備を知りたい方は、停電時間を短くする事前準備と現場対応を解説した記事もご参考ください。

力率を改善する効果で電流が減るのは、コンデンサの接続点より電源側(電力会社側)の部分です。高圧のコンデンサでは、変圧器や低圧の配線を流れる電流は変わりません。力率は基本料金の割引・割増しにも関係しますが、その扱いは契約中の料金メニューによって異なるため、契約先の約款や契約書で確認します。

工事の進め方とPCBの確認

高圧進相コンデンサはキュービクルを構成する機器で、キュービクルなどの事業用電気工作物を設置する者は、国の技術基準に適合するように維持しなければなりません(電気事業法第39条)。交換工事もこの基準に適合するように施工し、交換後は試験で安全を確認してから受電を再開します。本事例では、絶縁抵抗測定や耐圧試験を行いました。工事の日程や停電・試験の段取りは、保安の監督を行う電気主任技術者と事前に打ち合わせて進めます。

古い高圧コンデンサには、製造年やメーカーによって、絶縁油に微量のPCB(ポリ塩化ビフェニル)が混入している可能性を否定できないものがあります。環境省は、使用中の電気機器の確認は感電のおそれがあるため、電気主任技術者等に依頼して定期点検などの機会に行うよう案内しています。使用中でPCB汚染の疑いがある機器は、その旨を記録して廃止後に分析するよう案内されており、分析をせずに低濃度PCB廃棄物とみなして処分することもできます(その場合も届出が必要です)。

処分の期限は、法改正で仕組みが変わります。現行のPCB特措法は、低濃度PCB廃棄物を2027年(令和9年)3月末までに処分(処分の委託を含む)するよう義務付けています。2026年6月に成立した改正法(2027年4月1日施行)では、環境省の資料によると、一律の処分期間を定める方式から、PCB廃棄物ごとに処分期間を設定する方式に見直されます。

  • 使用中の機器:低濃度PCB使用製品を持つ事業者は、所有・使用の状況や使用終了の見込みなどを都道府県知事に届け出て、政令で定める基準に従って管理することが義務になります。キュービクルの機器のような電気工作物のうち政令で定めるものは、電気事業法の定めによります。
  • 使用を終えた後・PCB廃棄物と判明したとき:届出をした低濃度PCB使用製品の使用を終了した場合や、保管する廃棄物がPCB廃棄物と判明した場合は、保管の状況・保管の場所などの届出が必要になります。そのうえで、それぞれ使用を終了した日、またはPCB廃棄物と判明した日から、5年を超えない範囲で政令で定める期間内に処分(処分の委託を含む)しなければなりません。具体的な期間を定める政令は、2026年10月時点で確認できていません。
  • すでに保管している廃棄物:2027年3月末までに保管・届出された低濃度PCB廃棄物には改正前の規定が適用され、2027年3月31日までに処分する義務は残ります。

使用中の機器をいつまで使えるか、届出や管理をどう進めるかは、管轄の産業保安監督部や都道府県の案内を確認してください。撤去した機器の収集運搬・処分は、許可・認定を受けた事業者が行います。PCBを含まない機器も産業廃棄物で、運搬・処分を他人に委託する場合は、法令上の例外を除き、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付して管理します。

PCB含有の確認方法や処分期限、費用の負担者など、更新前によく寄せられる疑問には、以下の記事で12の質問に答えています。

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高圧受変電設備のPCB検査でよくある12の疑問を解消するバナー

仕様・条件

  • 型番:
    進相コンデンサ AF702101KAC1、直列リアクトル CR702101KD06
  • 施工条件:
    停電時間を最小限に抑えるため、年次点検のタイミングに合わせて施工しました。
  • 安全対策:
    電力会社立会のもと受電が確実に停止したことを確認してから作業を行いました。施工・試験の実施後、電力会社にて受電を再開しました。

点検報告書でコンデンサの交換を勧められた、銘板の製造年が古く絶縁油の分析が必要か分からない、という段階からご相談いただけます。お手元の点検報告書や、電気主任技術者が安全を確保して撮影した銘板(メーカー・型式・製造年・容量)の写真をお送りいただければ、直列リアクトルを含む交換範囲、絶縁油の分析を含む工程、停電日の組み方まで、工事の進め方をご提案します。

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