更新日:2026年10月2日
キュービクルの中には、電気を安全かつ確実に受電するためのさまざまな機器が組み込まれています。その中でも「LBS(Load Break Switch:高圧交流負荷開閉器)」は、日常的な電気の入り切りから、事故のときに回路を切り離す仕組みまで幅広く関わる、重要なスイッチング機器です。
一方で、似た名前のPAS(高圧気中負荷開閉器:Pole Air Switch)やVCB(Vacuum Circuit Breaker:真空遮断器)との違いが分かりづらく「何が自社の設備に適しているのか」「それぞれ何をしている機器なのか」といった疑問を持つ担当者も少なくありません。
本記事は、キュービクル設備で重要な役割を担うLBSについて基礎から学べる連載シリーズ「LBSとは?」の第1回です。設備担当者が押さえておくべき役割・仕組み・PASやVCBとの違い・更新推奨時期を分かりやすく整理します。
キュービクル全体の構成や、主遮断装置に使うVCBの役割を先に確認したい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
要約
LBSは「負荷電流を開閉するためのスイッチ」:
LBS(高圧交流負荷開閉器)は、高圧受変電設備で、定格の範囲の負荷電流を入れたり切ったりするための機器です。日常の運用や、点検・工事のときの回路の切り分けに使われます。短絡電流を自力で遮断する能力は持たない点が、遮断器であるVCBとの大きな違いです。
短絡からの保護は限流ヒューズと組み合わせて成り立つ:
LBSを限流ヒューズ(PF)と組み合わせた「限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器」では、短絡電流はヒューズが遮断します。三相回路で使うストライカ引外し式(PF・S形の主遮断装置はこの方式)では、ヒューズが溶断するとストライカ(ヒューズから飛び出すピン)がLBSを動かして三相をまとめて開きます。
主遮断装置の形式は受電設備容量で区分される:
JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)の2018年版では、LBSと限流ヒューズを主遮断装置に使う「PF・S形」は受電設備容量300kVA以下、VCBなどの遮断器を使う「CB形」は4,000kVA以下の区分です。300kVA以下ではどちらも選べるため、設置環境や将来の増設予定も踏まえて選びます。
LBSの更新や、キュービクル・区分開閉器の工事をご検討中の方は、工事内容をまとめた以下のページもご覧ください。
LBSとは?
LBS(Load Break Switch:高圧交流負荷開閉器)とは、定格内(あらかじめ想定された範囲内)の負荷電流を安全に開閉することを目的とした高圧用スイッチです。
高圧受変電設備では、6,600Vなど低圧設備と比べて高い電圧を扱うため、LBSの内部には、電流を切る瞬間に発生するアーク(火花)を消すための部分(消弧室)が入っています。
ただし、LBS本体では、事故などの際に流れる短絡電流を遮断することはできません。短絡電流を切る役目は、組み合わせた限流ヒューズ(PF)などの保護装置が受け持ちます。
「高圧交流負荷開閉器」「高圧気中負荷開閉器」との関係
LBSは日本語で「高圧交流負荷開閉器」と呼ばれます。JIS C 4605(2020年版の名称は「1 kVを超え52 kV以下用交流負荷開閉器」)では、負荷開閉器を「通常の回路条件で,電流を投入,通電及び電流遮断できる開閉装置」と定義しています。短絡などの異常時に、指定の時間だけ電流を流し続けられる性能を含む場合もありますが、定義に短絡電流の遮断は含まれていません。
似た名前の機器との関係は、次のように整理できます。
- ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器)
LBSに限流ヒューズを一体に組み合わせたものです。JIS C 4611(1999年版)では、限流ヒューズ部が過電流、特に短絡電流の遮断を、負荷開閉器部が負荷電流の開閉を受け持つ装置と定めています。 - 高圧気中負荷開閉器
負荷開閉器のうち、空気中でアークを消す方式(気中式)のものを指す呼び方です。負荷開閉器の消弧方式には、気中のほかに真空・ガス・油入があります。電柱上に取り付けるPAS(Pole Air Switch)も気中式の負荷開閉器で、当サイトでは「PAS(高圧気中負荷開閉器)」と表記しています。
つまり、キュービクル内のLBSも、電柱上のPASも「負荷電流を開閉する負荷開閉器」という点は同じです。違うのは設置する場所と役割で、PASは電力会社の配電線との境目(責任分界点)に設置され、SOG制御装置と組み合わせて構内の事故が配電線へ広がるのを防ぐ区分開閉器です。PASの役割や交換時期は、PAS(高圧気中負荷開閉器)の役割とSOGとの関係を解説した記事で詳しく紹介しています。
LBSの設置場所
LBSは主にキュービクルの中で、次のような回路に使われます(JIS C 4620:2018の規定とメーカー資料による)。
- 受電の入り口の主遮断装置(PF・S形)
受電設備容量300kVA以下のキュービクルでは、LBSと限流ヒューズを組み合わせて主遮断装置にする「PF・S形」が選べます。 - 変圧器の一次側の開閉装置
変圧器(トランス)ごとに電気を入れたり切ったりするための開閉装置として使われます。VCBを主遮断装置にするCB形のキュービクルでも、その下の変圧器の回路にLBSを使う構成があります。 - 高圧進相コンデンサの開閉装置
力率を改善する高圧進相コンデンサの回路にも、コンデンサ電流を開閉できるLBSが使われます。 - 太陽光発電設備の高圧側の回路
メーカーの技術資料では、太陽光発電設備の高圧側の回路にもLBSが使われるようになったと紹介されています。
たとえば、恒電社が高圧ケーブルとLBSを更新した埼玉県伊奈町の食品工場では、コンデンサ用・動力トランス用・電灯トランス用と、回路ごとにLBSが設置されていました。このように、1つのキュービクルの中に用途の違うLBSが複数ある場合もあります。
LBSの果たす役割
LBSの主な役割は以下のとおりです。
- 負荷電流の開閉(=通常時のON/OFF)
建物や機械に電気を“入れる・止める”という、日常的な操作を行うことができます。 - 高圧回路の電路切替・点検作業のための開閉区分
点検や工事のときに、作業する部分へ電気が流れないように回路を分けて区切ることができます。安全な作業のための“仕切り”を作るスイッチとして使われます。 - PF・S形キュービクルの主遮断装置
限流ヒューズと組み合わせて、建物全体の電気をまとめて受けたり切ったりする主遮断装置としても使われます。
一方で、以下のことはLBS本体ではできません。
- 短絡(ショート)電流の遮断
LBS本体が開閉できるのは、負荷電流など定格で決められた範囲の電流です。事故で一気に流れる短絡電流は、組み合わせた限流ヒューズが遮断します。
なお、PF・S形の主遮断装置は、JIS C 4620:2018で「高圧側の短絡に対しては限流ヒューズが遮断し、地絡(漏電)に対してはLBSが自動で開く機能をもつもの」とされています(引込ケーブルの電源側にあるPASなどで地絡保護を行う場合は、キュービクル側の地絡継電装置は必要ないとされています)。短絡はヒューズ、地絡は継電装置とLBS、という分担で保護が成り立っています。
LBSはどうやって回路を切るのか?|限流ヒューズとストライカの働き
LBSは「開閉器」であり、短絡電流を自力で遮断する機器ではありません。日常の負荷電流を開閉するのがLBS本体の仕事で、過電流、特に短絡電流を断つ仕事は、本体に組み合わせた限流ヒューズ(PF)が担います。この2つを一体に組み合わせたものが限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)で、JIS C 4611(1999年版)に規定されています。
限流ヒューズは短絡電流を「限流」する
JIS C 4604(高圧限流ヒューズ・2017年版)では、限流ヒューズを「指定の電流範囲において、その動作によって動作中の電流を固有電流の波高値より十分低い値に抑制するヒューズ」と定義しています。固有電流とは、ヒューズを抵抗などが十分小さい導体に置き換えたとき、その回路に流れる電流のことです。つまり限流ヒューズは、単に回路を切るだけでなく、切るまでの間に流れる短絡電流の最大値そのものを小さく抑える働きを持っています。
一方で、限流ヒューズには遮断できる電流の範囲があります。メーカーのカタログでは、限流ヒューズは大きな電流は遮断できても、定格電流の2〜3倍程度の過電流の領域では遮断できなくなることがある、と説明されています。この弱点を補うのが、次のストライカの仕組みです。
ストライカが三相をまとめて開き、欠相を防ぐ
ストライカとは、ヒューズが動作したときに飛び出して、ほかの機器を動かすための機械部品です(JIS C 4604:2017)。ストライカ引外し式の限流ヒューズ付LBSでは、ヒューズが溶断すると飛び出すストライカの力でLBSのリンク機構が動き、負荷開閉器が開きます。
ヒューズは相ごとに入っているため、異常電流が流れても3本が同時に溶断するとは限りません。ストライカ引外し式では、どれか1本のヒューズが動作すると、溶断していない相も含めて三相すべてのLBSが自動で開きます。これにより、一部の相だけ電気が流れ続ける状態(欠相)のまま送電が続くことを防げます。また、ヒューズと開閉器を適切に組み合わせたストライカ引外し式では、ヒューズだけでは遮断できない過電流の領域の一部を、LBSが自らの遮断できる範囲で受け持つように設計されています。どの範囲をどちらが受け持つかは、機種と組み合わせるヒューズの仕様によって決まります。
JIS C 4620:2018でも、PF・S形の主遮断装置に使う限流ヒューズ付LBSは「ストライカによる引外し方式とする」と定められています。三相の変圧器の回路に限流ヒューズ付LBSを使う場合も、ストライカによる引外し方式とすることが望ましいとされています。
なお、限流ヒューズは一度溶断すると再使用できません。日本電機工業会(JEMA)の報告書では、ヒューズが動作したときは、溶断せずに残った相のヒューズも劣化している可能性があるため、三相とも新しいヒューズに取り替える必要があるとしています。予備のヒューズは三相用なら3本を1組として用意しておくことも勧められています。
「開閉」と「遮断」を分けて考える
この構造を押さえると、LBSとVCBの役割の違いも整理しやすくなります。限流ヒューズ付LBSは開閉はLBS本体、短絡電流の遮断はヒューズという分担で、ヒューズが溶断した後はヒューズの交換が必要です。一方、VCBは遮断器そのものが短絡電流を遮断できるため、事故の原因を取り除き、点検で機器が使えると確認できれば、再び投入して復電できます(ヒューズ溶断に伴う交換はありません)。
LBSとほかの高圧機器との違いは?
高圧設備にはいくつか似た名前の機器があります。それぞれ「何をするための機器なのか」という視点で比較すると以下のようになります。
| 機器 | 主な設置場所・役割 | 短絡・地絡への対応 |
|---|---|---|
| LBS(高圧交流負荷開閉器) | キュービクル内。負荷電流の開閉。限流ヒューズと組み合わせてPF・S形の主遮断装置にするほか、変圧器や進相コンデンサの回路の開閉器にも使う。 | 短絡電流は本体では切れない(限流ヒューズが遮断)。PF・S形では地絡に対してLBSが自動で開く機能をもたせる。 |
| PAS(高圧気中負荷開閉器) | 電柱上の責任分界点。電力会社の配電線と構内の設備を区分する開閉器で、SOG制御装置と組み合わせて構内の事故が配電線へ広がるのを防ぐ。 | 地絡は自ら開いて切り離す。短絡などの過電流ではいったん開かないようにロックし、配電線が無電圧になってから開く。 |
| VCB(真空遮断器) | キュービクル内。CB形の主遮断装置。電流を真空の中で切る遮断器。 | 過電流継電器(OCR)や地絡継電装置の信号を受けて、短絡電流も遮断できる。 |
主遮断装置にLBSと限流ヒューズを使う「PF・S形」と、VCBを使う「CB形」の違いや、300kVAの区分の詳しい考え方は、VCBとLBSの違いと使い分けを解説した記事で紹介しています。なお、JIS C 4620は2023年12月に改正されており、本記事の条項・数値は2018年版で確認したものです。
電気工事士に聞く、選定のポイント|「LBSとVCB、どちらを主遮断器にすべき?」
解説者
鷲巣 純一
インタビュアー
岩見啓明
ーーーキュービクル内の主遮断器を、LBSとVCBのどちらにするかは、どのように考えれば良いのでしょうか?
どちらも分岐回路を開閉するという点では共通していますが、遮断能力が異なります。
トランス容量の合計(=キュービクル容量)が300kVAを超えるとVCB、300kVA以下だとLBSという運用目安が一般的です。基本的には、現状の設備でキュービクル容量が300kVAを超えていれば、VCBを主遮断器に採用します。
※300kVAの境目は、JIS C 4620:2018のキュービクルの種類の区分(PF・S形は受電設備容量300kVA以下、CB形は4,000kVA以下)によるものです。受電設備容量は「受電電圧で使用する変圧器、高圧引出し部分(電動機を含む)などの合計容量(kVA)」で、高圧電動機は定格出力(kW)をそのまま機器容量(kVA)とみなし、高圧進相コンデンサは含めません。高圧で使う機器が変圧器だけなら、変圧器容量の合計と同じになります。電気料金の契約電力(kW)とは別の数字です。なお、同規格が対象とするのは受電設備容量4,000kVA以下のキュービクルで、「300kVAを超えるとVCB」もこの範囲での説明です。
ーーーキュービクル容量が300kVA以下でもVCBを採用するパターンはあるのですか?
絶縁不良が起こりやすく、事故が起きやすい環境であれば、キュービクル容量が300kVA以下でも保護性能と即時復旧の利点を重視し、VCBを主遮断器として採用するケースもあります。
また、将来的にトランス容量が増える見込みの場合も、先行してVCBを採用するパターンもあり得ますね。
ーーーVCBのほうが保護性能が高く、即時復旧できるのはなぜですか?
VCBは「リレー試験」と呼ばれる「異常発生時にVCBが正常に稼働するか確認する試験」を年次点検で実施できます。そのため、故障の早期発見が可能です。
対して、LBSはリレー試験ができないため、異常がないか目視で点検するに留まります。よって、予防保全のしやすさに差が出ます。
また、即時復旧の観点では、VCBは点検し異常がなければ即時復旧できるのに対し、LBSは溶断したヒューズの交換が必要です。予備在庫の確保や、電気工事士への交換依頼などでどうしても時間がかかってしまい、停電が長引くパターンも考えられます。
※発言の「リレー試験ができない」「目視で点検するに留まる」は、短絡に対する保護がヒューズの溶断によるもので、その動作を事前に試せないという意味です。LBSを含む設備の点検全体が目視だけになるわけではありません。PF・S形でも、地絡継電装置を組み合わせた構成では、地絡に対してLBSが自動で開く機能をもたせます。点検・試験の内容は、設備の構成や保安規程によって異なります。また、保護性能は組み合わせる継電装置の構成や設定によって決まり、VCBでも再投入するには事故の原因を取り除き、機器が使えることを確認する必要があります。ここでの「即時復旧」は、ヒューズの交換を伴わないという意味です。
ーーー主遮断器の下位の分岐にもVCBを使うことはありますか?
主遮断器はVCBまたは、LBSのどちらかを採用します。その下の分岐回路(例:コンデンサ回路)には、LBSや高圧カットアウトと呼ばれる機器を使用する構成が一般的です。VCBはあくまで主遮断器としてしか使用しません。
※取材でお話しした構成の一例です。JIS C 4620:2018では、変圧器の一次側に開閉装置を設ける場合は遮断器、LBSまたはこれらと同等以上の開閉性能をもつものを用いるとされており、分岐の回路に遮断器を使うこともできます。高圧カットアウトを使えるのは変圧器容量300kVA以下の変圧器の回路です。進相コンデンサの回路には、コンデンサ電流を開閉できるLBSまたはこれと同等以上の開閉性能をもつものを使います。
LBSの開閉操作とヒューズ交換で気をつけること
手動式のLBSには、絶縁された操作棒(フック棒)で三極をまとめて開閉する機種があります(メーカーのカタログによる)。高圧の電路を操作する作業なので、設備担当者の判断だけで操作するものではありません。開閉操作や停電作業の段取りは、その設備の保安規程に沿って、保安を監督する電気主任技術者(外部委託先を含む)と相談して決めます。
停電して作業を行うときは、労働安全衛生規則第339条により、次の措置が必要とされています。
- 開路に用いた開閉器に、作業中は施錠するか通電禁止の表示をする、または監視人を置く
- 電力ケーブルや電力コンデンサなど、残留電荷による危険がある電路は、安全な方法で放電させる
- 高圧の電路は、検電器具で停電を確認し、短絡接地器具で確実に短絡接地する
- 作業後に通電するときは、感電の危険がないことと、短絡接地器具を取り外したことを確認してから行う
限流ヒューズを交換する場合も、JEMAの報告書では、電源側の開閉器を開放して電気が来ていない状態で作業する必要があるとしています。LBSが主遮断装置なのか、電源側にPASなどの区分開閉器があるのかによって、停電の範囲や電力会社への申込みの要否が変わるため、交換の前に電気主任技術者や工事会社と確認しておきましょう。
LBSの耐用年数と更新推奨時期の目安
日本電機工業会(JEMA)の「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(2023年3月改訂版)では、LBSを含む高圧交流負荷開閉器と、組み合わせる高圧限流ヒューズの更新推奨時期を次のように示しています。
- 高圧交流負荷開閉器:屋内用は15年または定格負荷電流開閉回数200回、屋外用は10年または定格負荷電流開閉回数200回
- GR付開閉器の制御装置:使用開始後10年
- 高圧限流ヒューズ:屋内用は使用開始後15年、屋外用は使用開始後10年
JEMAの屋内用・屋外用は、設置されている場所ではなく、屋外での使用を前提とした構造かどうかという機器の仕様による区分です。また、これらの年数は、通常の環境のもとで通常の保守・点検を行って使用した場合に、新品に替えた方が経済性を含めて有利と考えられる時期の目安です。製造者の保証値や、法律で決まった交換期限ではありません。
JEMAは、気中式の負荷開閉器が劣化する背景として、空気中の水分やほこりなどで接触部が酸化・腐食して接触抵抗が増えることや、電流を切るたびに消弧室が消耗することを挙げています。限流ヒューズについては、内部の劣化を外から見て予知することができないため、使用開始から一定の年数がたったら更新するのがよいとし、使っていない予備のヒューズも保管期間を含めて更新推奨時期に近づいたら更新することが望ましいとしています。
なお、減価償却で使う税法上の「法定耐用年数」は、機器の寿命や更新の時期を示すものではありません。キュービクル全体の法定耐用年数と更新推奨時期の違いは、キュービクルの耐用年数と更新推奨時期の違いを解説した記事で整理しています。
LBSの劣化のサインや点検・診断の方法は連載の第3回LBSの点検・診断・交換時期の目安で、LBSが故障したときに起こるトラブルは第2回LBSの故障で起こるトラブルで解説しています。
施工事例
LBSの更新では、設備の構成によって工事の段取りが変わります。恒電社が埼玉県上尾市で行ったLBS更新工事では、PAS・UGSが設置されておりLBSが負荷開閉器として使われていたため、電力会社への申請を省略できました。実際の工事の流れや試験の内容は、次の施工事例で紹介しています。
停電の調整から復電までの工事の進め方は、連載の第4回LBS更新工事の流れで詳しく解説しています。
まとめ|キュービクルにおけるLBSの役割とVCBとの使い分けの考え方
本記事では、LBSを「VCBの代替」ではなく「役割の異なる機器」として正しく理解し、自社設備に合った主遮断器構成を判断するための基礎知識を整理してきました。要点をまとめると以下の通りです。
- LBSは負荷電流を開閉する機器
LBS(高圧交流負荷開閉器)は高圧回路の負荷電流を開閉するためのスイッチで、日常の操作や点検・工事時の回路の切り分けを主な役割としています。 - 短絡電流は限流ヒューズが遮断し、ストライカで三相を開く
LBS本体に短絡電流を遮断する能力はなく、限流ヒューズと組み合わせることで短絡から保護します。三相回路で使うストライカ引外し式では、ヒューズが溶断するとストライカがLBSを動かし、三相をまとめて開きます。 - 主遮断装置の形式は受電設備容量と設置環境で選ぶ
JIS C 4620:2018の区分では、受電設備容量300kVA以下ならPF・S形(LBS+限流ヒューズ)とCB形(VCBなどの遮断器)のどちらも選べ、300kVAを超え4,000kVA以下はCB形の区分です。300kVA以下でも、設置環境や将来の増設を考えてVCBを選ぶケースがあります。 - 更新推奨時期の目安を知っておく
JEMAの更新推奨時期は、LBSが屋内用15年・屋外用10年(または定格負荷電流開閉回数200回)、限流ヒューズが屋内用15年・屋外用10年です。保証値や法定の期限ではありません。
LBSは、単に「電気を止める装置」ではなく、「安全に電気を扱うための装置」であり、その役割を正しく理解することが、過不足のない設備構成と将来を見据えた判断につながります。
自社のキュービクルのLBSが主遮断装置なのか、変圧器やコンデンサの開閉器なのか、更新推奨時期を過ぎていないかが分からない場合も、まずはご相談ください。恒電社が現地で設置状況を確認し、電気主任技術者による点検の結果も踏まえて、LBSの更新工事の内容と停電の段取りをご提案します。
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キュービクルの費用や種類、VCBとLBSの選び方をさらに知りたい方は、次の記事もご覧ください。
LBSの更新時期や工事の進め方について個別に相談したい方は、こちらからお問い合わせください。
この記事を書いた人
蕨川 真央






