施工事例

高圧受電設備(キュービクル外枠・トランス・高圧ケーブル・UAS)更新工事|東京都 板橋区・ビル屋上

カテゴリー:

PAS・UGS設置・更新

タグ:

#東京都 #PAS・UAS(UGS) #高圧ケーブル #キュービクル
投稿日:2026年9月30日
更新日:2026年10月21日
工事前の既存トランス(キュービクル内)

工事前既存トランス

新しいトランスの接続作業を行う作業員

新規トランス接続中

工事の概要|高圧受電設備(キュービクル外枠・トランス・高圧ケーブル・UAS)更新工事

  • エリア  :東京都板橋区
  • 施設種別 :ビル(屋上)
  • 工期   :1日
  • 費用レンジ:101〜500万円

東京都板橋区に営業所を構える事業所様にて、老朽化した受電設備の全面刷新ならびに波及事故防止対策として、キュービクル外枠・トランス・高圧ケーブル・UASの更新工事を一括で実施いたしました。

トランス更新においては東京都の補助金を活用したほか、3つの工事区分(トランス更新・キュービクル外枠更新・高圧設備更新)を同時に施工することで、重機費用や人工費等の重複コストを抑え、工期の短縮と費用の削減を図りました。

第一種電気工事士/第二種電気工事士

鷲巣 純一
第一種電気工事士/第二種電気工事士

鷲巣 純一

今回はトランス更新だけでなく、キュービクル外枠や高圧ケーブルの更新も重なる工事だったため、事前準備と当日の人員配置を特に重視して臨みました。
施工にあたっては、重量物の揚重作業における安全管理を徹底し、有資格者による玉掛け作業や作業エリアの安全対策はもちろん、事前のPCB検査や東京電力への各種申請まで漏れなく進めることで、安全確保と法令順守に万全を期しています。
当日は、お客様との事前調整により休業日に1日工程を確保できたうえ、撤去・荷揚・接続といった各工程に適正な人工(有資格者)を配置できたことがスムーズな完了につながりました。複数工事を同一日に集約して同時施工したことで作業の重 複や手戻りを防ぎ、計画通り円滑に復電まで完了させることができました。
【2026年度・東京都】キュービクル更新時に使える補助金(シリーズ#3/3)の記事バナー
東京都内で活用できる補助金についてはこちら

一般的なキュービクル全面更新工事の手順・スケジュール

Step0:現地確認・電力会社との手続き

お客さまより全面更新のご相談をいただいた後、まずはお電話にて現状をヒアリングします。その後、現地調査を行い、以下の項目を詳細に確認します。

  • 既存キュービクルの外形寸法・設置方法(基礎形状、搬出経路)
  • VCB、LBS、変圧器、保護継電器など内部機器の仕様と、PAS・UASなど区分開閉器の有無・仕様
  • 引込ケーブル・構内ケーブルのルート・劣化状況
  • 周辺状況(搬入スペース、クレーン作業の可否)
  • 停電調整の可否と、電力会社申請の必要有無

停電を伴う工事のため、電力会社側の作業や手続きの要否を確認し、必要な申込みと停電日時の調整を行います。

Step1:停電・既存キュービクルの撤去

当日は事前に確認した手順に従って受電を停止します。開路に使った開閉器には施錠や通電禁止の表示などの措置をとり、検電器具で停電を確認します。残留電荷による危険があるときは、安全な方法で放電させます。また、高圧の電路は短絡接地器具で確実に短絡接地してから、撤去作業に着手します。まずキュービクル内部の構成機器から順に撤去します。

高圧ケーブルを開放し、機器ごとに切り離したうえで搬出します。重量物についてはチェーンブロック・台車・クレーン等を用い、慎重に取扱います。

内部が空になったら、外箱の撤去に移ります。撤去した鋼板類は産廃として区分し、クレーンやフォークリフトで搬出します。解体後、キュービクル基礎と周辺の状態を確認し、新設の準備を進めます。

Step2:新キュービクル搬入・据付

新キュービクルを現場に搬入し、所定位置に据付します。大型キュービクルの場合、複数のユニットを順に配置し、連結部をしっかり固定します。これにより、新しい受変電設備を設置する準備が整います。

Step3:高圧受電設備の結線・内部機器の設置

新キュービクル内へ各機器を設置・結線していきます。設置後、以下の試験・測定も併せて実施し、設備全体の安全性と性能を確認します。

  • 絶縁抵抗測定
  • 導通試験
  • VCB/LBS操作試験
  • 保護継電器の動作・連動試験(O→T など)
  • 変圧器の耐圧試験(必要時)

Step4:試験結果の確認・復電

試験の結果を電気主任技術者が確認し、受電を再開してよいかを判断します。作業者に感電の危険がないことと短絡接地器具を取り外したことを確認したうえで、電力会社による電源側の送電再開が必要な場合はその作業も含め、事前に確認した手順に従って受電を再開します。受電の前後には、次のような点を確認します。

  • 引込ケーブル接続の確認
  • 保護継電器の整定値の確認
  • VCB・LBS の投入/引外し動作確認
  • 計器の指示値確認(電圧・電流)

復電後、設備全体の動作に異常がないかを最終チェックします。

Step5:産廃処理・報告書提出

撤去した旧キュービクル・高圧機器・ケーブル・鋼板は、適切に産業廃棄物として処理します。最後にお客さまへ以下を提出し、キュービクル全面更新工事の完了となります。

  • 工事報告書
  • 試験成績書(絶縁値・導通値・継電器設定等)
  • 新キュービクルの機器仕様書

恒電社の3つの特長

導入背景・課題・解決

  • 背景:
    電気主任技術者からの指摘・波及事故リスク:
    電気主任技術者による年次点検において、高圧ケーブルおよび各種機器の更新推奨時期超過が指摘されていました。また、万が一の事故時に地域停電を引き起こす「波及事故」を防ぐため、保護機器(UAS)の新規設置が急務となっていました。
  • 課題:
    キュービクル外枠を含めた内部機器全般が経年劣化しており、一部のみの修繕では将来的な故障リスクやメンテナンスコスト増大が懸念される状況でした。トランスやケーブル等、高圧設備を一斉更新するにあたり、工事費用全体をいかに抑えるかが課題となっていました。
  • 解決:
    3工事の一括(同時)施工によるコストの削減:
    個別工事だと、その都度発生するラフタークレーン等の重機費用や作業人工費、共通部材費を精査。3つの工事を同一日にまとめて同時施工することにより、作業効率化と人工・経費の重複をカットし、費用を抑えた一括施工をご提案・実施いたしました。
    補助金活用による自己資金の軽減:
    更新工事のうち「トランス更新」については、東京都の補助金を活用することとし、コンサルティング会社と連携して申請手続きをサポート。補助金を有効活用することで、お客様の負担費用を軽減しました。

ルール・法律・更新目安

複数機器の老朽化が重なる全面更新のタイミング

キュービクルは、変圧器・VCB・LBS・保護継電器・コンデンサ・避雷器など多くの高圧機器を一つにまとめた設備で、機器ごとに更新の目安が異なります。日本電機工業会(JEMA)の「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(2023年3月改訂版)では、更新推奨時期を高圧配電用変圧器で20年、高圧交流遮断器で20年または規定開閉回数、保護継電器・避雷器・高圧進相コンデンサで15年、高圧交流負荷開閉器で屋内用15年・屋外用10年(または定格負荷電流開閉回数200回)などとしています。屋内用・屋外用は、キュービクルの設置場所ではなく、屋外での使用を前提とした構造かどうかによる機器の区分です。この年数は製造者の保証値ではなく、通常の環境で通常の保守・点検をしながら使った場合に、新品と交換したほうが経済性を含めて一般的に有利と考えられる時期です。

税法上の法定耐用年数は減価償却の計算に使う年数で、機器の寿命や更新の時期を示すものではありません。法定耐用年数と更新推奨時期の違いは、キュービクルの耐用年数と更新推奨時期の違いを解説した記事で確認できます。

設置から年数がたったキュービクルでは、複数の機器が同じ時期に更新推奨時期を過ぎていることがあります。点検報告書の指摘内容や部品の供給状況もあわせて見て、機器ごとに更新するか、キュービクル全体を更新するかを判断します。更新工事の流れと、停電当日までに設備オーナーが準備することは、キュービクル更新工事の流れと手順を解説した記事で紹介しています。

停電計画と最新設備への更新メリット

全面更新では停電が必要になるため、操業スケジュールや夜間・休日作業の可否、冷蔵・IT設備への影響などを事前に確認し、停電の日時と時間を計画します。停電時間の決まり方と短くするための準備は、停電時間を短くする事前準備と現場対応を解説した記事で紹介しています。

変圧器について、JEMAの報告書は、電力損失の少ない新しい変圧器に早めに取り替えることで、日々の運転損失を減らし、突然の故障による停電の危険性も減らす効果が期待できるとしています。新しい変圧器の省エネ基準(トップランナー基準)は、変圧器のトップランナー基準を解説した記事で確認できます。

法令遵守とPCB確認を含む撤去手続き

キュービクルなどの事業用電気工作物を設置する者は、国の技術基準に適合するように維持しなければなりません(電気事業法第39条)。キュービクルの全面更新工事もこの基準に適合するように施工します。6,600Vで受電する一般的なキュービクルの機器更新は、通常、工事計画の届出の対象ではなく、工事計画の届出をして設置・変更する事業用電気工作物のうち省令で定めるものに課される「使用前自主検査」(電気事業法第51条)の対象にもなりません。工事後は、設置者が定める保安規程に基づき、工事内容や機器の仕様に応じた点検・試験を電気主任技術者のもとで行い、安全を確認してから受電を再開します。工事の日程や停電・試験の段取りは、保安の監督を行う電気主任技術者と事前に打ち合わせて進めます。

既存キュービクル内の古い変圧器やコンデンサには、絶縁油に微量のPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれている可能性があります。銘板の製造年・型式、メーカーへの照会、メンテナンスの履歴などで確認し、判断できない場合は絶縁油を分析します。封じ切りのコンデンサのように、採油すると使えなくなる機器もあるため、採油の可否や方法、分析の時期は機器に応じて確認します。

低濃度PCBを含む機器のうち、すでに廃棄物として保管しているもの(使用をやめた機器など)は、保管の届出をしたうえで、2027年3月31日までに処分(処分の委託を含む)しなければなりません。2026年6月に成立した改正PCB特別措置法は2027年4月1日に施行される予定ですが(2026年10月時点)、施行前に保管の届出をした低濃度PCB廃棄物には改正前の規定が適用され、この期限は変わりません。施行後は、使用を終えた時期や低濃度PCB廃棄物と判明した時期などによって扱いが変わります。使用中の機器の届出・管理を含めた期限の区分は、PCBの処理期限と2027年4月からの新制度を解説した記事で整理しています。なお、高濃度PCBの処分期間はすべての地域で終了しており、新たに見つかった場合は管轄の自治体へ連絡します。

PCBを含まない機器も、撤去後に産業廃棄物として処理する場合、運搬・処分を他人に委託するときは、法令上の例外を除きマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付して管理します。

PCBの確認方法や処分の進め方、費用の負担など、更新前によく寄せられる疑問には、以下の記事で12の質問に答えています。

関連記事を読む

高圧受変電設備のPCB検査 よくある12の疑問を解消する記事バナー

仕様・条件

  • 型番:
    トランス:
    日立 単相変圧器 75kVA(型式:SOU-CR3)× 1台
    日立 三相変圧器 50kVA(型式:SOU-YDCR3)× 1台
    変圧器ベース、高圧側ケーブル(KIP 14sq)、
    低圧側ケーブル(HIV 60sq)
    高圧交流負荷開閉器(UAS):
    VT内蔵300A(型式:UAS90P)× 1式
    高圧ケーブル・処理材:
    高圧ケーブル 6.6kV CVT 38sq(60m)
    キュービクル・保護機器類:
    キュービクル外枠一式
    内部機器(LBS、ZCT、GR、高圧コンデンサ等)
  • 施工条件:
    事業所の業務・操業への影響を最小限に抑えるため、土曜日の休業日に計画停電を実施し、全工程を1日で集中施工いたしました。
    トランス変更・更新に伴う東京電力への各種申請・協議手続きを事前に滞りなく完了させたうえで施工いたしました。
  • 安全対策:
    トランス搬出入およびキュービクル施工にあたり、ラフタークレーン(オペレーター・敷き鉄板使用)およびユニック車を使用。吊り上げ・荷下ろし作業は有資格者により安全第一で実施いたしました。
    撤去した既存トランスについては、PCB(ポリ塩化ビフェニル)含有検査を確実に実施したうえで、法令に則り適正に廃棄処分を行いました。

年次点検で更新推奨時期を超えた機器を指摘された、トランスの更新に補助金を使えるか知りたい、という段階でもご相談いただけます。恒電社が現地で設置状況や搬入経路を確認し、電気主任技術者の点検結果も踏まえて、電力会社との手続きや停電日の調整を含めた工程をご提案します。

ほかの施工事例も見る

キュービクルや高圧機器の更新工事の事例をほかにも掲載しています。施設の種類や工事の規模が近い事例を探す際の参考にしてください。

 

電気設備工事のことなら、
“まるっと”
恒電社へご相談ください。

お問い合わせはこちら

お電話のご相談はこちら

048-728-4283
自家消費型太陽光発電はこちら